「ゆっくりお過ごしですか?」という魔法
以前に、
スターバックスで注文したとき、
「店内でゆっくりお過ごしですか?」
って聞かれて、
思わず
「え、はい…(ゆっくりしていいんだ…)」
ってなりました。
普通は
「店内ご利用ですか?」
ですよね?
私、何年スタバ通ってんだって話ですけど、
この日初めて気づいたんです。
あれ?
これ、ただの確認じゃなくない?
「ご利用」と「お過ごし」の、致命的な違い
どっちも結局、
「ここで飲むのか、持ち帰るのか」を
聞いてるだけなんですよ。
でも、
「店内ご利用ですか?」
→ 場所を使うかどうかの確認
「ゆっくりお過ごしですか?」
→ もう”ゆっくりしていい空気”を差し出してる
後者、
めちゃくちゃ優しくないですか?
私まだ何も頼んでないのに、
もうすでに
「ここ、あなたの時間ですよ」
って言われてる感じ
しかも、
「ゆっくり」って言葉が入ってる時点で、
もう急いじゃダメな気がしてくる。
なんなら
ちょっと仕事するつもりだったのに、
「…あ、ゆっくりしよ」
ってなる。
「はい」って答えるだけで、
もうゆっくりしていい人になれる。
これ、完全にスタバの思うツボです。笑笑
美容室は、ちょっと順番が違う
これ美容室でも使えるかなって思ったんですけど、
ちょっと待てよと。
美容室でよくある始まり方が
「今日はどんな感じにしましょうか?」
って聞かれて
お客様って
「どんな…って言われても…」
ってなってるなーと。いつも思ってました。
スタバの
「ゆっくりお過ごしですか?」は、
「はい」か「いいえ」で答えられる。
でも、
「どんな感じ?」って聞かれた瞬間、
お客様は
自分で言葉を考えなきゃいけない。
これ、
けっこう違いますよね。
だから美容室でやるなら、
順番が大事なんだと思うんです。
まず、
具体的で答えやすい質問から入る。
たとえば、
「最近、トップがペタンとしやすくないですか?」
とか、
「朝、この辺が跳ねたりします?」
とか。
これなら、
お客様は「はい」「いいえ」で答えられる。
で、
そこから
「じゃあ今日は、朝が楽になる感じで整えましょうか?」
って繋げていく。
そうすると、
お客様も
「そうそう、朝がね大変でね…」
って、続きのホントのお悩みや要望が自然に言葉に出てくる。
最初から「どんな?」って聞くんじゃなくて、
まず「これ、ありませんか?」って具体的に投げかける。
で、
お客様が「はい」って言ったら、
そこから初めて
「どんなふうに気になるますか?」とお客様からの言葉を引き出せることができる。
スタバも同じで、
いきなり
「どんな過ごし方されますか?」
なんて聞かれないですよね。
まず
「ゆっくりお過ごしですか?」
って聞かれて、
「はい」って答えたら、
もう自然と
ゆっくり過ごすモードに入ってる。
提案って、勧めることじゃなくて、気持ちを先回りすること
スタバは、
コーヒーを売ってるんじゃなくて
「ここにいていい時間」を売ってる。
美容室も、
カットを売ってるんじゃなくて
「明日からの毎日」を整えてる。
だから、
提案って、
メニューを勧めることじゃない。
“お客様がまだ言葉にできていない気持ち”を、
先に言葉にしてあげること。
「トリートメント追加されますか?」
じゃなくて、
「明日から、もうちょっと扱いやすくなったら楽ですよね?」
って。
小さな言葉が、空気をつくる
「店内ご利用ですか?」でも、
別に間違いじゃないんですよ。
でも、
「ゆっくりお過ごしですか?」って聞かれたとき、
私、なんだか
座っていいんだって思えた。
美容室も、
そんな空気をつくれたらいいなって。
言葉は、
売るための道具じゃなくて、
安心を先に渡すための準備。
そう思ったら、
なんだか明日からの接客が
ちょっと楽しくなってくる時間です。
…って、
私もまんまとスタバに
やられてるんですけどね。
