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呪いの短冊 【毎週ショートショートnote:#七夕の歩幅】

七夕の翌朝、商店街の笹飾りは無惨にうなだれ、昨夜のロマンの残骸を晒していた。そもそも、一年に一度しか会えぬ他人の遠距離恋愛の成就を、なぜ無関係の我々が竹に紙切れを吊るして願わねばならぬのか。
そう毒突きながら、商店街を通り抜けようとした俺の足が、ぴたりと止まった。一本の笹の、最も澱んだ日陰の枝。そこに、周囲のピンクや水色の色紙とは明らかに一線を画す、日に焼けた襖のような、染みだらけの薄茶色い短冊が揺れていた。文字は、筆ペンで怨念を込めて塗りたくったような、のたうつ筆跡。

「彦星と織姫の歩幅が狂って二度と会えなくなりますように」

呪いだ。完全なる呪詛である。
背筋に寒いものが走り、どんよりした気分に取り憑かれて、俺は慌ててその場を離れた。見てはならぬものを見てしまった俺の歩幅は、まるで呪いにかかったかのように狂い、いつもと違う、ぎこちない足取りになっていた。

(written by sakai_tama 

今週はもうひとつ、【毎週ショートショートnote】の前回のお題「 #七夕の歩幅」で小品を書きました!
ここのところ、書き溜めたショートショート作品をAmazon Kindleで出版できないものかとGeminiとともにプランを立て、しかしそのままの形で出版しても面白くないので、いろいろ試行錯誤をしています。新しい記事は滞りがちですが、Kindleの方も上手く事が運んだら記事にしたいと考えています!

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