見出し画像

他社が捨てた市場を掘り起こせ

中小企業が当たり前のことをやっていては、事業の成長がないどころか、ひとつ間違えば事業が行き詰まることもあるだろう。
他社がやっていることは、みえているため、どうしても経営者は気になる。
新たなことに挑戦するのは、さらに不安があるものだ。

ところが他社が捨てた市場というのは、ある程度みえている。
なにが問題で他社は、その市場を捨てたのかがわかることも多い。
中小企業は、拾う神になれ。
他社が捨てた市場には、問題や課題があったということだが、その問題や課題を発見し、自社の技術やサービスなどで改善できないかを考える。
社員にとっては、捨てられた市場だが、新規事業よりは中身が見える。
これだけでもチャンスが広がる。

中小企業ほど、日頃からまわりの企業動向について情報を集める必要がある。
新規事業で飛躍することは、やらなければならないことなのだが、中小企業にはむずかしい挑戦になることが多い。
それに比べれば、現在有する技術やサービスの延長戦上にある市場であれば、対応することができる可能は高くなる。

Forbesに『「当たり前」を追うのはやめよ:他社が探すのをやめた場所に成長機会を見いだす』という記事をみつけた。
その記事には『雇用の低迷、遊休不動産、老朽化したインフラ、投資の減少などを理由に経済的に困窮しているとみなされたコミュニティは、魅力に乏しいとすぐに切り捨てられがちだ。しかし、ラベルはビジネスケースではない。投資家はリスクを見るかもしれない。事業開発担当者が見るべきなのは、次の問いである。その市場がそうした評判を得て以降、何が変わったのか。

これは経済開発の問題であると同時に、事業開発の問題でもある。アカウント、地域、パートナーのカテゴリーも、しばしば同じように扱われる。市場が飽和している、リスクが高い、衰退しているという評判を得ると、その評判が現在の現実をなお反映しているかどうかにかかわらず、パイプライン上の活動は静かに消えていく』とあった。

外国でもマーケットをみるための方法は同じだった。
日本では大手企業が不採算事業を手放すケースが多くなってきた。
株主からの要請が強いのだろう。
歴史ある事業を手放すこともある。
不採算事業とはいえ、顧客はいるし、そのビジネスのなかで事業はおこなわれている。

大企業というものは、そもそも原価が高い、労務費や製造設備などだが、反対に中小企業は、大手企業と比較すれば原価が低く、しかも顧客対応には小回りが効く。
顧客からすれば喜ばしいことではないのだが、供給先が減ることは、自社の納入価格の値上げを受け入れざるを得ない状況になる。
中小企業は、このタイミングで顧客を獲得しなければならないのだが、このタイミングをみつけることは言うほど容易ではない。
常に、自社のまわりの事業環境を把握する努力が必要になるからだ。

この点でも、中小企業は、社員教育が日常的におこなわれていなければならないのだが、これだけではないのだが、中小企業は、社員の能力を活用していないケースは多い。
大手企業は、固有の技術やサービスをもっているのだが、そのほかにもマーケット情報を、社員の能力を活用しながらつかむ力をもっている。
この力は、入社してすぐに発揮できるものではない。
長い時間をかけてビジネスの実践のなかで培われてくるものだ。
この差が、大手企業と中小企業をわけている差のひとつでもある。
もっとも、この差は大手企業間でもある。
人間の感性を磨かなくてはならない分野だ。。
感性とは、感心、感激、感動だ。

私が在籍した中小企業には笑いが少なかった。
ビジネスは人間がやるものだ。
ビジネスの原点は、技術やサービスも大切なのだが、人間の漲る思いや情熱、そして現実化していく行動力だ。
これらは一朝一夕にできるものではない。
だからこそ、企業間格差が生まれる。
AI活用の差も同様だ。
笑いがある会社は、情報が行き交う。

他社が捨てた市場だといっても、それを探すことでは、中小企業にとって、実は、大変な課題が突きつけられている。
毎日、売上や資金繰りに追われているなかで、長期的な視点で社員を育成していくことが求められるからだ。
大手企業とは、まったく違った厳しさがそこにある。
その厳しさを突破できた中小企業だけが、事業を成長発展させ大企業へと変貌していく。

日々の経営者の話が教育になる。
金もかからない。
だからこそ、経営者は学ばなければならない。