50代、体調が戻った日に頑張りすぎない。遅れを全部取り戻さない整え方
朝、目が覚めて「あ、今日は動けそう」と感じる日があります。
昨日までできなかった洗濯や、後回しにしていた仕事のメール、簡単なもので済ませていた食事の準備。
それらが急に目に入ってきて、「今日のうちに全部片づけよう」という気持ちになる。
そんな朝に、心当たりがある方もいるかもしれません。
もちろん、そう感じない方もいますし、動ける日の使い方は人それぞれです。ただ、「動けるなら、できることは全部やっておきたい」という気持ちは、とても自然なものだと思います。
調子が戻ると、全部やりたくなる
体調に波がある時期は、「動ける日」がいつも同じように続くとは限りません。だからこそ、動ける日が来ると、その日のうちにできるだけ多くのことを済ませておきたくなる。
家事も、仕事も、食事づくりも、運動も。「今のうちに」という気持ちで、予定を詰め込んでしまう。それ自体は、悪いことではありません。ただ、詰め込んだ結果、次の日にまた動けなくなってしまったら、少しもったいない気もします。
動けなかった日は、借りを作った日ではない
ここで一つ、考え方を置いておきたいことがあります。
動けなかった日は、怠けた日でも、借りを作った日でもありません。体調に合わせて過ごした、というだけのことです。
だから、動ける日がきても、「借りを返す日」にする必要はありません。家事も仕事も運動も作り置きも、一気に詰め込まなくて大丈夫です。
とはいえ、「何もしないほうがいい」というわけでもありません。動ける日は、普段の生活へ少しずつ戻していく、ちょうどいい機会でもあります。大切なのは、「全部」ではなく「一つ」を選ぶことだと感じています。
今日必ず戻すことを一つ
まず決めたいのは、暮らしの土台になるものを一つだけ、という考え方です。
例えば、
• 普段に近い時間に食事をとる
• 主食と主菜になるものを用意する
• 今日必要な連絡を一件だけ返す
• 明日使うものを一つ準備する
こうした中から、一つだけ選びます。全部をやろうとすると、また詰め込みの一日になってしまうので、あえて一つに絞るのがポイントです。
余力があれば足すことを一つ
一つを終えて、まだ余力が残っていれば、もう一つだけ足してもいいと思います。
• 野菜料理や果物を一つ添える
• 食材を一種類だけ下ごしらえしておく
• 短時間だけ片づける
• 明日の予定を一行だけ書いておく
ここでいう「余力」は、単に時間が空いているかどうかではありません。それをやったあとに、ちゃんと食事や休息に戻れるかどうか、という視点で考えてみると、判断しやすくなります。
今日しないことを先に決める
そして、もう一つ大事なのが、「今日はしない」と先に決めてしまうことです。
• 一週間分の作り置きを全部やる
• 冷蔵庫を一気に整理する
• たまっている用事をすべて片づける
• 食べすぎた分を埋め合わせるために食事を抜く
• 休んだ分を取り戻そうと、急に強い運動をする
こうしたことは、次の日でも構わないはずです。先に「しない」と決めておくと、途中で「まだやれるかも」と手を広げてしまうのを防げます。
ただし、「今日はしない」は、必要な食事や服薬、医師からの指示を中断することとは違います。治療中の方は、医療上の指示を自己判断で変えないようにしてください。
食事は、一食から普段へ戻す
体調がよい日に、数日分の栄養を一度に取り戻そうとしたり、逆に「食べられなかった分」を気にして厳しく管理したりする必要はありません。
まずは一食を、普段に近い組み合わせに戻すところから始めれば十分です。
• ごはん+魚や肉、卵、豆腐などの主菜
• パン+卵料理や乳製品
• 麺+卵や豆腐+食べられそうな野菜
量については、一律に「これくらい」とは言えません。体調や食欲、治療上の指示に合わせて、そのときのご自身に合う量で構いません。
手作りだけにこだわる必要もありません。外食やお惣菜、加工食品も、そのときの生活に合わせて組み合わせていいものです。毎食すべてを一から手作りしなければいけない、ということはありません。
Re:Styleでは、これを「食べる・足す・戻す」という考え方で捉えています。
• 食べる:今の身体に合う形で、一食を用意する
• 足す:余力があれば、足りないものを一つ補う
• 戻す:食事の時間や暮らしの流れを一つだけ、普段へ近づける
「調子がいいから全部できる」と判断するのではなく、今日はここまで、という終わりの線を決めておくところまでが、一つのセットだと思っています。
明日の余力を残して終える
もう一つ、意識してみてほしいのが「終える時間」ではなく「終える条件」です。
時間で区切るのが難しいという方には、こんな考え方もあります。
• 主食と主菜を用意したら、今日の食事準備は終わり
• 一品を下ごしらえしたら、作り置きは終わり
• 必要な連絡を一件返したら、今日の仕事は一区切り
やり残しがあっても、決めた一つを終えたら、そこで一度閉じてしまってよいのです。
更年期には、ほてりや発汗、睡眠の問題、気分の変化など、さまざまな症状が現れることがあると言われています。ただ、症状の出方や程度には個人差があり、調子のよい日とそうでない日の波も、全員が同じように経験するとは限りません。「更年期だから頑張れない」「動くと必ず翌日寝込む」と決めつける必要はありません。
一方で、心身の不調が続いていたり、生活や仕事に支障が出ていたりする場合は、一人で抱え込まず、婦人科やかかりつけ医に相談してみてください(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「更年期障害」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/keywords/climacteric-symptom)。
今日のための三行メモ
今日の予定を、こんなふうに三行に分けてみてください。
• 必ず戻すこと:(例)昼食を普段に近い時間に食べる
• 余力があれば足すこと:(例)夕食用の野菜を一つ切る
• 今日はしないこと:(例)一週間分の作り置き
「必ず戻すこと」は、一つだけに絞るのがポイントです。
今日、自分のためにできることを一つ
調子がよい日は、遅れを全部取り戻す日ではなく、明日への余力を少し残しておく日でもいい。そんなふうに思います。
今日、全部取り戻す代わりに、何を一つ普段へ戻しますか。
答えを誰かに伝える必要はありません。自分のためのメモに、三行だけ書いてみる。それだけでも、今日という日の使い方は、少し変わってくるはずです。
50代からは、自分のために食べる。そして、自分のために、余力を残す。そんな一日を、今日も一つずつ積み重ねていけたらと思います。
