【へんたいエッセイ】ポニーテール美女との攻防
朝の通勤電車。
私は常に、ロングシートの隅で頭を垂れて寝ている薄毛おじさんの前に陣取り、彼の後釜を狙う。
それはいつも通りの流れ…そのはずであった。
後から乗り込んできたポニーテール女子。
私に背中を向け、ポジションを押し込んでくる。
そして、手すりをゲット。
女であることを最大限に生かし、身体を密着させ、ポジションを獲得する。
鮮やかなポストプレーであるが、こんなのでひるむ私だと思うなよ。
私はかたくなにつり革を把持し、これ以上は譲らんとの意思表示で頑として体を動かさない。押し込んでくる彼女。動かない私。
目に見えない攻防戦が始まる。
彼女のポニーテールが時折顔にかかる。
顔を下にそむけると、ブラウスの後ろ涙開きから背中が良く見える。
この箇所はなかなか脱毛が行き届かない恥ずかしいスポットであるが、彼女の背中には産毛は見られない。

このような狼藉を働いて、ただで済むと思うなよ?
私は彼女のさわやかな髪の香りを丁寧に分解していく。
押し付けられてくる背中から伝わってくる柔らかい感触は全面で受ける。
髪の毛は顔をくすぐってくる。
表面上はとてもいやそうに顔をしかめ、身じろぎするのだが、その仮面の下ではせめてもの抵抗、五感で彼女を感じ取ってやるのだ。
攻防は続いた。
そして、薄毛おじさんが降車するとき、彼女との陣地争いが始まるのだが、残念ながら二人とも気を逸し、横から滑り込みで座られてしまった。
あっぱれ。
圧力から解放され、つり革をつかむ彼女を横目でちらっと見る。
マスクをしているが、なかなかの美人ではなかろうか。

勝負には勝てなかったが、負けもしなかった。
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尚、マスクをとってもらうことも可能である。(画像生成では)

