貴方は、なにぐみ?
この保育園のクラスは
全部で7クラス。
この度、心機一転
新しいクラスの名前が
発表される事となった。
元のクラス名は
5歳児 あかぐみ
4歳児 ふじぐみ
3歳児 きいろぐみ
2歳児 みどりぐみ
1歳児 ももぐみ
0歳児 しろぐみ
あおぐみ
といった具合で
色の名前が付いていた。
「では、発表します!」
柔和な雰囲気の園長先生が
手元の資料を読み上げる。
職員室には先生方の
期待と不安が入り混じり
センター試験の合否発表会場の
様相だ。
─────
「5歳児さんは
『あかぐみ』から『りんごぐみ』へ。」
パチパチと拍手が挙がる。
担任と思しき先生が
ホッと笑顔で胸をなで下ろしていた。
─────
「4歳児さんは
『ふじぐみ』から『ぶどうぐみ』へ」
「3歳児さんは
『きいろぐみ』から『ぱいんぐみ』へ」
「2歳児さんは
『みどりぐみ』から『めろんぐみ』へ」
「1歳児さんは
『ももぐみ』から『ももぐみ』へ
ここは、変わりませんね」
園長先生は担任の先生へ向かい
ニコッと微笑む。
担任の先生も頷きながら笑顔で返す。
「0歳児さんは
『しろぐみ』から『ぴゅれぐみ』へ」
ザワッ
職員室が騒然となった。
どこからともなく質問が飛ぶ。
「え?園長先生、
ぴゅれぐみさん…ですか?」
「はい。ぴゅれぐみさんです。
ピュアっぽくて
可愛いかと思いまして」
静まる職員室。
「あの、果物の名前シリーズでは
ないのですか?」
「違います。
グミの名前シリーズです。」
再び沈黙が訪れる。
「あのぅ…」
気の弱そうな若い先生が
小さく手を挙げている。
「0歳児さん、『あおぐみ』の名前は…」
「はい、最後のクラスの発表が
まだでしたね。
『あおぐみ』さんは───
『にんじゃぐみ』さんになります。」
貴方の大切な時間を
報告書に割いてくれた事、感謝する。
観察員014082
▼極々フツーの日記。
