サザンオールスターズ「ジャズマン」「わすれじのレイド・バック」「シャ・ラ・ラ」('80)
1980年に入ると、レコーディングに専念するため半年間はテレビへ出演せず、5ヶ月連続でシングル盤を1枚ずつリリースする「FIVE ROCK SHOW」という企画をスタートさせたサザン。
その第一弾シングル「涙のアベニュー」から第三弾「いなせなロコモーション」(5/21)まではこのページ最後の記事で取り上げましたので、今回は第四弾「ジャズマン (JAZZ MAN)」(6/21)、第五弾「わすれじのレイド・バック」(7/21)と、その後11/21に発売された「シャ・ラ・ラ」までの曲について【これアレ】を見つけてみたいと思います。
◆ ジャズマン (JAZZ MAN)
あれに見えるは ほどよく熟れたる胸元はざま
寄せる思いも みめうるわしかろ
濡れたちて Honey Pie
ビッグバンド・ジャズ風のこの曲。歌詞にはビートルズ『ホワイト・アルバム』('68)収録「Honey Pie」が。ポール・マッカートニーお得意のディキシーランド・ジャズ調で、同アルバムには「Wild Honey Pie」という曲もありました。
◆ ひょうたんからこま
「ジャズマン (JAZZ MAN)」のB面。作詞・作曲、リードボーカルはムクちゃんことベースの関口和之。「いなせなロコモーション」のB面「LOVE SICK CHICKEN」同様、こちらもB面ながら大好きな曲。
後期ビートルズ風の雰囲気があり『Magical Mystery Tour』('67)に収録されていても違和感が無さそう。
◆ わすれじのレイド・バック
FIVE ROCK SHOW のラストを飾る曲。5枚のシングル盤の中で一番好きな曲です。カントリー風にアレンジされた演奏に乗せて切々と歌う桑田。その歌声がじんわりと心に染み入ってくるのです。
「レイド・バック」と来たら、エリック・クラプトンの名前を出さずにはいられません。クラプトンはこの3年前、1977年にリリースした『Slowhand』からカントリー調の曲が増えましたが、中でも私が好きだったのはその次のアルバム『Backless』('78)収録「Tell Me That You Love Me」でした。リラックスしたクラプトンの歌声。ナチュラルで甘めな音色のギター。そして覚えやすいメロディと言うこと無し。
ささやくだけでいい よがり声にはなえてく
まるで誰か知らぬ人と寝てるように
振るまえりゃ
指でさぐることなどつらい
in your socket
サビの歌詞です。
最終行には次の2曲が思い浮かびました。
◆ Little Feat「Rocket In My Pocket」('77)
I got a rocket in my pocket
I said rocket
Finger in the socket
◆ Eric Clapton「Roll It」('78)
Roll it, rock it, roll it in the socket
Roll, roll it, roll, roll it
Feel it, can you feel it, all night, all right ?
Oh, burn it, rock it, movin' in the socket
リトル・フィート、エリック・クラプトンとも桑田がファンであることを公言しているバンド、ミュージシャンですし、歌詞に socket という単語はそうそう見かけませんので。
クラプトン「Roll It」でリードボーカルをとっているのは、当時の His Band でバックコーラスを務めていたマーシー・レヴィ。ダイナマイトな歌声が魅力のシンガーでした。
エンディングの「ららら~」はビートルズ「Hey Jude」('68)風。
また、4:25 頃に聞こえてくるギターのフレーズが、クラプトン「Opposites」('75)のエンディング 3:20 辺りからのフレーズと良く似ています。
◆ FIVE ROCK SHOW
「わすれじのレイド・バック」のB面。
色々なメロディを繋ぎ合わせた曲を5人のメンバーがメドレー形式で交互に歌っています。さしずめビートルズ『Abbey Road』('69)のB面風といったところでしょうか。
歌い出し「A lot of song・・・」の部分は後に曲として完成し、中村雅俊「マーマレードの朝」として発表されました。
「ほれたはれた・・・」の一節はエルヴィス・プレスリー風。「すうだら男」はクレイジーキャッツですね。エンディング間際には『Abbey Road』の「The End」みたいなギターバトルも飛び出します。
◆ シャ・ラ・ラ
サザン初のクリスマス・ソング。そして、桑田と原坊、初のデュエットソングということになりますでしょうか。
アル・グリーンに「Sha-La-La (Make Me Happy)」('74)という曲があります。サザンの「シャ・ラ・ラ」とはあまり関係なさそうですが、現在のサポートギタリスト:斎藤誠が自身のラジオ番組で「アル・グリーンが好き」と言っていました。
◆ ごめんねチャーリー
この曲は「シャ・ラ・ラ」と両A面という扱いでした。
サザンがデビュー間もない頃のライブ映像でレイ・チャールズ・メドレーを演っているのを見たことがあるので、チャーリーとはレイ・チャールズのことを指しているのだろうと思います。
胸のあたりなどが
You're so pretty, Woman
ステキなチャーリー
人は誰も言うてた
She's in double trouble
泣かずにチャーリー
が、ここでは pretty woman、she's と歌っているのでチャーリーは女性なのか?という疑問が湧いてきます。
「Pretty Woman」('64)と言えばロイ・オービソンですが、リアルタイムで聴いたのはヴァン・ヘイレンのめちゃ格好良いカバー('82)
「Double Trouble」のオリジナルはオーティス・ラッシュですが、ここはやはりクラプトンのカバーで。
時にはモンタさんも竜童さんも チャーリー・チャーリー
二言 三言のよがり声が最高
あきない程度に(Hustle)
竜童さんは「Hey! Ryudo!(ヘイ!リュード!)」に続いて2回目の登場。ダウン・タウン・ブギウギ・バンドも、もんた&ブラザーズもデビュー時には衝撃を受けました。両バンドとも名ボーカリストを擁していましたが、ギターにも痺れたっけ。
以前の関連記事はこちら。
【サザンこれアレ】では、サザンオールスターズ、桑田佳祐の曲の中から、洋楽へのリスペクトが感じられる曲を「これはアレじゃないか?」といった調子で紹介しております。あくまで私の思い込みによる選曲ですので、その点ご了承のうえご笑覧くださいませ。
