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原由子『はらゆうこが語るひととき』('81)

サザンオールスターズのキーボーディストであり、茅ヶ崎ライブ 2023では「私がサザンの総合プロデューサー」と自己紹介していた原坊こと原由子のファースト・ソロアルバム。

過去に何度か書いていますが、サザンのライブはこれまで一度も体験できず終いで「茅ヶ崎ライブ2023」と「ロッキン2024ひたちなか」のライブビューイングを見ただけ。「THANK YOU SO MUCH」ツアーも抽選外れまくって、現在、ライブビューイングの当選(落選?)待ちです。

ですが、ソロツアーは、桑田の2022年「お互い元気に頑張りましょう!!」、ムクちゃんこと関口和之の1933ウクレレオールスターズ「ウクレレクリスマス 2023」(荻野目洋子見たさで行きまして「ダンシング・ヒーロー」のウクレレ・バージョンに感激!)、そしてこのアルバム発表後の原坊のライブは見に行ったことがあるのです。

原坊のライブについては手元のメモに「開演前に後ろの客席から「桑田さ~ん!」と歓声があがったので振り向いたが姿は確認できなかった。原坊はミニ・スカートに白いブーツが良く似合っていて可愛らしかった。」としか書いておらず… このアルバム収録曲以外にどんな曲を演奏したのか。バックメンバーは誰だったのか(レコーディングメンバーの松田弘(ds)、斎藤誠(g)がステージ上にいたのかも?)などについては記録も記憶も無く、もっと何か残しておけば良かったと後悔しています。

何しろ初めてのコンサート体験は1981年のエリック・クラプトン来日公演で、原坊のライブが2回目。まだコンサート慣れしていなかったせいか、そわそわと気持ちに余裕が無かったことも事実です。ただ、原坊の歌声そのまま、ほんわかと暖かい雰囲気に包まれたライブだったことだけは良く覚えています。

さて。毎度、枕が長くなって恐縮です。

まずは、私がフォローさせていただいてます、みきさんも『はらゆうこが語るひととき』を取り上げていらっしゃいましたのでぜひご覧ください。

私はいつものように【サザンこれアレ】を探してみたいと思います。


◆ My Baby Shines On Me

1曲目はオーティス・レディングやサム&デイヴのような古い R&B から聞こえてきそうなベースラインにノリノリ。

1コーラス目の「彼とならだいじょうぶ」と2コーラス目「中途はんぱは もう やめて」のメロディが、ポール・マッカートニー率いるウイングス「心のラヴ・ソング Silly Love Song」('76) サビ前の「And what's wrong with that ? I'd like to know」の部分と良く似ています。ベース音を強調している点もポールっぽいと言えなくもありません。

ギターソロ 2:10 頃のフレーズが一瞬、デレク&ザ・ドミノス「恋は悲しきもの Why Does Love Got To Be So Sad?」4:13 位からのフレーズとちょい似。

次は歌詞編。

どうしようもなく ワイセツな Sexy Eyes

2025年5月3日(土)に放送された桑田のラジオ番組「やさしい夜遊び」で「小林克也さんからドクター・フックの「Silvia's Mother」という曲を教えてもらい、その歌詞をヒントに「逢いたさ見たさ病める My Mind」を書いた」と桑田が言っていました。
「Silvia's Mother」は未聴だったので調べて見ると、曲の主人公が恋するシルヴィアへ電話をすると電話に出たのは彼女の母親で「シルビアは忙しくて電話に出られない」と言われてしまった ・・・ というような意味合いの歌い出しでした。
それで「逢いたさ見たさ病める my mind」では、電話のコール音が途切れて「ア~」とため息。そして「夜毎 彼女の telephone number 涙ながらに問いかける」となったでしょう。
そのドクター・フック。1980年のヒット曲に「Sexy Eys」という曲があるのですが、ラジオでその話を聞いた後だけに、これはアレか?と思ってしまいました。

恋というのは やさしいだけでは
Shang-a-ring-a-ring
もっとタイトに Shang-a-ring-a-ring
かんじんなのは Shang-a-ring-a-ring-roud

桑田がベイ・シティ・ローラーズについて話しているのは聞いたことがありませんが、BCRに「Shang-A-Lang 邦題:ベイ・シティ・ローラーズテーマ」('74)という曲があります。ring と rang の違いはありますが、shang という単語は他で見かけたことがなかったのでどうかな?と。
無関係とは思いますが好きな曲なので置いておきます。


◆ I Love You はひとりごと

桑田お得意の昭和歌謡風。ザ・ピーナッツ風であります。
サザンオールスターズ Official Siteに次のような記録がありました。

1981年5月1日
原宿ビクター音産屋上にて昼中突然のライブ。原由子のシングル「I LOVE YOU はひとりごと」の歌詞がワイセツだという理由で放送禁止になったことに抗議するものだったが、警官が押しかける騒ぎになった。

SAS Official Site ACTIVITIES1981

「屋上にて突然のライブ」で「警官が押しかける騒ぎになった」のはビートルズ風です。


◆ しっかり John-G

これは原坊の作詞・作曲。John-G って誰でしょう?
「Hold On」('70) の邦題が「しっかりジョン」なのでジョン・レノンだろうとは思いますが、それだったら John-L となるはずですし。まさかこの時すでに「マンピー」の構想が原坊にあったのでしょうか?(ナイナイ)
真面目な話「好きな人は あなただけなの」「他の人じゃだめ」ですから、桑田のことを思いながら作ったのかな?と。


◆ がんばれアミューズ

レコードだとここからB面。ビッグバンドジャズ風の曲。
エンディングで「サンキュー ↑」と語尾を上げる言い方が、エラ・フィッツジェラルドに似ています。


◆ いにしえのトランペッター

ジャズ調の曲が続きます。
ルイ・アームストロングは『What A Wonderful World』とエラ・フィッツジェラルドとのデュエットアルバム『Ella & Louis』をたまに聴く程度で詳しいことはわからないのですが、その歌声とトランペットを聴くと人や物へ暖かい眼差しを向けることができるような気持ちになるのです。


◆ Loving You

みきさん同様、私もアルバム中で一番好きな曲です。
原坊はこの後にリリースしたベスト盤のタイトルを『Loving You』としていることから、きっと原坊自身も思い入れのある曲なんだろうと思います。
なんたって曲のラストで Yuko, you're my lady と桑田から歌われていますし。
桑田のハーモニーが原坊の主旋律に仲睦まじく寄り添い、キーボードの音色が柔らかくそれらを包み込む。聴いているこちらもとても幸せな気分になる曲です。

恋するのなら 瞳で語れるような
I wonder if you can be someone to believe

桑田が歌うパートで何度か使われる I wonder if you can という歌詞は、この後に発表する「栞のテーマ」のサビで I wonder if you can love me と花開きます。
また、先日記事にした西慎嗣『NISHI.』収録「Go Banana」では「つれない素振りの Long-blonde-hair」 がありましたので、合わせて一本!となった訳です。


◆ 幸せなルースター

曲が始まる前にアルバム2曲目の「おしゃれな女 (Sight of my Court)」がインストでリプライズされます。これまた、ビートルズ『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』風、ポール・マッカートニー風と申しましょうか。

作詞・作曲は原坊で、ホーンアレンジはスペクトラムの新田一郎。ファンキーなベースの上に細かく刻まれるギターカッティング。次々と転調するアレンジ。ほんわか原坊もこうした曲を書き、そして歌いこなせるんだな~と見直したのでありました。

you're so beautiful and shiny, love

こがれるだけじゃだめ take it easy

とありますが、あまり関連はないかな?
でも2曲とも大好きなので貼らせてください。

なお、後先になってしまいましたが「おしゃれな女」は斎藤誠の作詞・作曲。マコトナルドらしいメローで小洒落た作風。このアルバムの中では「Loving You」の次に好きな曲です。


◆ Last Single X'mas

弦楽器をバックに気持ち良さそうに歌う原坊。
ビートルズ『ホワイト・アルバム』('68) を「Good Night」でラストを迎えたときと同じように、今日一日を心安らかに終えることができそうな心持ちになります。

それではお休みなさいませ。

【サザンこれアレ】では、サザンオールスターズ、桑田佳祐の曲の中から、洋楽へのリスペクトが感じられる曲を「これはアレじゃないか?」といった調子で紹介しております。あくまで私の思い込みによる選曲ですので、その点ご了承のうえご笑覧くださいませ。


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