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スアブラック、大逆転KOで2連敗から復活!!~~ONE Fight Night 45 (2026年7月18日)

ONEチャンピオンシップは、7月18日にバンコクのルンピニースタジアムでONE Fight Night 45を開催した。セミファイナルでは、カレン族のヒーロー、スアブラック・トープラン49が出場し、スコットランドのスティーブン・アービンに大逆転のKO勝利、2連敗からの復活勝利を飾った。

One Fight Night シリーズはOne Championshipがアメリカのゴールデンタイムに合わせて、月に1回、土曜の朝にルンピニースタジアムで開催している大会である。

ONE Fight Night 45の対戦カード、日本からは三浦彩佳が参戦

これまでのスアブラック(スーブラック)


スアブラックは中堅ファイターから、ONEに参戦後に4連続KO勝ちでONE との本戦契約を勝ち取った経緯を持つ30歳。リングネームのスアブラックのスア (เสือ) はタイ語で虎の意味で、「ブラック虎」、いわゆる黒い虎のことである。ONEでの日本語表記は何故かスーブラックとなっている。

そんなスアブラックはミャンマーからタイ中西部のペッブリー県へ避難したカレン族が暮らす、難民キャンプの出身で、その出自も併せてテレビ番組などで取り上げられている。通算戦績はこれまで62勝23敗でONEでは8勝5敗。昨年、泥沼の3連敗から見事復活を遂げたが、昨年12月にパコーン・PKセンチャイに判定負け、3月には陽勇に初回KO負けで再び連敗と、もう後がない。陽勇戦では、これまでのバンタム級(65.8キロ)からフライ級(61.2キロ)に下げた初戦だったが、減量に失敗してウェイトオーバー。まだ慣れないキックボクシングマッチということもあり、陽勇に粉砕された。

今回もフライ級の試合(ムエタイマッチ3回戦)ということで、調整が不安視されたが計量は無事にパスした。

↑ ↑ 3連敗から復活を果たした昨年のセンアーティット戦レポートと、スアブラックのインタビュー翻訳

一方の28歳、スティーブン・アービンの通算戦績は30勝4敗、ONEで7勝1敗、前戦は昨年10月にランボーン・ソー・サラパットに初回KO勝ちでONEで5連勝中。2連敗中のスアブラックには少し厳しい相手のように見える。アービンの引き立て役に駆り出されたようにも思える。しかし、この日のメインイベントはルーク・リッシ(米国)対モハメド・ヨネス・ラバー(アルジェリア)の外国人同士のムエタイマッチだった為、会場のタイ人観客にとっては、実質のメインはこのセミファイナルで、観客の大声援がスアブラックを後押しした。

スアブラック対アービン


試合は1ラウンド開始時より、鋭いパンチと、ヒジを振っていくサウスポーのスアブラック。オーソドックスのアービンも下がらずに応戦する。一発を狙うが、なかなか当てられないスアブラック。ONE参戦直後は倒せていたパンチも警戒されているのか、次々と空を切る。右ミドルが良いアービン、スアブラックのミドルをキャッチして、ワンツーを振る。ポジション取りも上手い。スアブラックは大きな左フックを何回か放った後に、アービンに右フックを合わされて背中をキャンバスに叩きつけられるダウン。

KOを狙いすぎる為か、勝った試合もダウンが多いスアブラックである。何とか立ち上がるが、このまま押し切られるかと思いきや、残り30秒、ハイキックなども喰らいながら、何とかこのラウンドを生き延びた。

第2ラウンド、鼻血を流して、まだダメージを感じられるスアブラックは、アービンの圧力に下がり気味。時折右ヒジで現状を打開しようとするも当たらない。1分過ぎ、スアブラックをコーナーに詰めて、フィニッシュを狙うアービンにスアブラックの左ストレートが炸裂し、アービンが腰からキャンバスに落ちるダウン、形勢逆転となる。立ち上がったアービンも勝負は捨てず、必死に応戦するが、最後はスアブラックの左ヒジでアービンはダウン、続行不能とされてレフェリーが試合をストップした。

リング上で対峙する両者
アービンのキックをキャッチし、攻撃するスアブラック
豪快に倒されたスアブラック
何とか1ラウンド終了まで生き延びたスアブラックと
余裕を魅せるアービン
ダウンしたアービン
2度目のダウンでカウントするレフェリー
立ち上がろとするアービンだが、レフェリーが救った
KO勝ちのスアブラックに駆け寄るセコンド
会場のファンにも勝利をPR

大興奮の会場と、スアブラックへのヒーローインタビュー


会場では、大逆転のKO勝利を飾ったスアブラックに、地鳴りのような声援が響き渡る。ここ一番で魅せる漢のスアブラック、フライ級の上位陣との対戦も楽しみである。KOボーナスで、5万ドルを獲得したスアブラック、勝利者インタビューでは奥さんと3人のお子さんたちもリングに上げ、「初回のダウンの時は、特に何も考えなかった。必ずカムバックすると多くの人に約束してそれを果たせた。今日は息子の5歳の誕生日だったので、勝利をプレゼントできたことも嬉しいです」と話し、最後にカレン語で「カレン族のファンの皆さん、応援ありがとう。やりました!」と同胞たちにメッセージを送った。

インタビュー中のスアブラック

↑ ↑ 試合動画(タイ国外では視聴できない場合もあり)

ルーク・リッシ対モハメド・ユネス・ラバー


メインイベントのフェザー級ムエタイ3回戦では、ルーク・リッシ(米国)がモハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)に判定勝利を収めた。昨年11月に現ONEフェザー級ムエタイ世界王者のニコ・カリロ(スコットランド)に2回KO負けして以来の再起を果たした。これでリッシはONE9勝3敗、勝ち続ければ、ニコへのリベンジ戦も実現するだろう。

ONEフェザー級(70.3キロ)の両者
距離をとって、アウトボクシング的な戦いのリッシ

三浦彩佳、ブラックパンサーの試合も


三浦彩佳はこの日の第2試合に出場し、ブラジルのビクトリア・ソウザと対戦した。(総合格闘技5分3回戦)三浦はONEでは8勝5敗、前戦はONE SAMURAI 1で澤田千優に1ラウンド1本負けで、この試合が再起戦となる。この日の試合はスタンド打撃が多い展開で、2ラウンドのソウザのイエローカードもあり、三浦が僅かにソウザを上回ったかのように思ったが、ジャッジはソウザを支持した。三浦は澤田戦に続いて2連敗となった。

かつては武尊戦が決まりながらも、自身の体調不良でキャンセルしたブラックパンサー、実力がありながらもブランクがちで、なかなかファンに存在感を示すことができなかった。昨年11月に1年4か月ぶりにリングに戻ってからは、この日が3試合目となる。

第3試合でショーン・クリマコ(米国・フィリピン)とフライ級ムエタイ3回戦で対戦し、ブラックパンサーが判定勝利を収めたが、終盤打ち込まれる場面もあり、今後に不安を残した。ONEでは初戦を落としたが、これで6連勝(通算6勝1敗)となった。

リング上で対峙する三浦とソウザ
アヤカロックに持ち込みたい三浦だが、、
クリマコとブラックパンサー

※ルンピニースタジアムでの現地観戦、写真は著者撮影のものとONE CHAMPIONSHIP の公式ページより。 Photos from Odasai and ONE CHAMPIONSHIP

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