AI使用が何故『売り上げ低下』を起こすのか? (利益増のはずが逆に減らす理由とは?)
私は物販の仕事を長くやったのですが、『お客様の機嫌を損ねる行為をすると売り上げが大きく低下してしまう』というのをよく知っています。
しかしAI使用の場合はこれが綺麗さっぱり忘れられているように見えます。
最近、人件費を抑制する目的で色々な企業やお店、他にも個人で仕事をしている人達がAIを使用しだしています。
しかし、『そのAI使用が商品やサービスの売れ行きをかなり落としてしまう事がある。』というのを意識していないのが多い。
AI使用でコスト(人件費)を抑制して利益を増やそうとしたのに、売れ行きが低下した事で『AIを使わなかった方が利益が多かった』みたいなおかしな事になってしまうのです。
今回は、AI使用における『使っても問題無さそうなケース』と『使うと確実に売れ行き低下で利益を減らすケース』などについてお話してみたいと思います。
仕事でAIをすでに使用している、あるいはこれから使用するつもりの人達は是非最後まで読んでみてください。
・もしアトリエシリーズ新作がAIイラストを使用するとどうなるか?
コーエーテクモのアトリエシリーズは人気があるゲームシリーズとなっています。
もしこのシリーズの新作として『人間のイラストレーターは一切使わず、キャラクターイラストは全てAIで生成したものです』みたいなのが出たらどうなると思いますか?
アトリエシリーズを今まで支えてきたシリーズファン達の機嫌を大きく損ね、steamやアマゾンなどのユーザーレビューでは低評価レビューが日本だけでなく海外でも書き込まれまくるでしょう。
SNSでも叩かれまくり、ゲームの売れ行きも悲惨になり近年のアトリエシリーズの中では飛びぬけて大爆死すると思います。
従来作品に比べて億単位で利益が減るでしょう。
『お客様の機嫌を損ねると商品やサービスの売れ行きが大きく低下する』をよく理解できるケースになるでしょう。
アトリエシリーズは毎回イラストレーターへの支払いは数百万円から場合によっては1000万円を超えた額になっていると思います。
その支払いをAI生成で抑制した結果が『数億円単位の利益減』という結果を生み出す事になるのです。
コーエーテクモがこのような馬鹿な事を実際にはやらないでしょうが、『安易にAIイラストを使用すると利益が大幅に減ってしまう』というのを理解しやすいようたとえ話をしてみました。
・反AIの人達の逆鱗に触れる行為とは?
AI使用を快く思わない人達も、「少しでも使用すると許さない」という人もいますが、どちらかというと「一部の分野で使用するのを許さない(それ以外は黙認)」と言う人が大半を占めているように思います。
ゲームのコアユーザーの大半は漫画家やイラストレーターに強いリスペクトを持っている人達となっています。
色々なアニメや漫画、ゲームは素晴らしい絵を生み出してくれる漫画家やイラストレーターによって支えられているからです。
AI生成イラストは『絵柄の模倣』という事で反対している人もいますが、それよりも「AI生成画像のせいで漫画家やイラストレーターの仕事が減り、仕事をやめる人が今後どんどん増えてしまう」という事に強い危機感を抱いている者が多い。
だから商業作品などでAI生成画像が使われると、もうその時点で「この商品やサービスは絶対に買わない」を選択してしまうし、その商品やサービスの評価を落とす強烈なアンチ活動をしてくるのです。
・スマホゲームやインディーゲームの一部でもAI画像を使用しているのを最近見かけるが
先にも解説した通り、金払いの良いコアなゲームユーザーの多くは反AI的な思考を持っています。
だからスマホゲームやインディーゲームでAI生成画像をゲーム内や広告で使っているのが判明した時点で、もうそのスマホゲームやインディーゲームをプレイしようと思う人は大きく減ってしまうのです。
『ゲームではAI生成イラストを使うとその時点で売れ行きが大きく低下する』という事になります。
最近スマホゲームでAI生成画像をゲームや広告で使用しているのを時々見かけます。
そういう会社は目先のコストダウンの結果、客の多くが『このゲームはプレイしない』を選択し、大きな売れ行き低下を引き起こすという事をよく理解した方が良いでしょう。
個人でインディーゲームを作っている人達もAI生成画像を使っている人がいます。
それを商業の場でやると「ユーザーが自分のゲームを買ってくれないし、低評価爆撃される」という事で悩まされる事になります。
同人ゲームとして販売するならまだ受け入れてもらえるかもしれませんが、本格的な商業の場でのAI生成画像使用はNGだと理解しましょう。
あなたが頑張って何年もかけて作ったゲームをきちんと売りたかったら、人間のイラストレーターに仕事を依頼すべきです。
ゲームへのAI生成画像使用が受け入れられる時代が来るかどうかは正直わかりません。
「漫画家やイラストレーターの仕事を奪う」というのが解消されない限りはこの傾向は今後も続いてしまうでしょう。
・使ってもユーザーが気にならないケースとは?
商業でのAI使用に対しては反対する人達が、非商業的なAI使用についてはあまり気にしないというのはよく見かけます。
YoutubeでもAIを使った面白い動画が日々どんどん増えていますが、そういうのに対して反AIの人達が目くじらを立てて叩くという行為はほとんど見かけません。
スト2キャラをAIで再現した面白い動画
しかしこれが商業での使用になると猛烈に反対してきて、特に「漫画家やイラストレーターの仕事を奪うような使い方」は逆鱗に触れる事になります。
・ゲーム制作ではAIが結構使用しだされている
最近のゲーム制作では、実はAIを使って効率化している事が結構あります。
・デバッグやバランス調整のためにAIを使用するケースがある
・短時間で色々なデザインパターンを作るためにグラフィックデザイナーがAI生成画像を使う
・3DオブジェクトのテクスチャをAI生成で作る
他にも色々大手や中小の会社はやっています。
デバッグをAIにさせると当然人間(デバッガー)の仕事を奪うし、3DオブジェクトのテクスチャをAIで生成するとやはりそれもテクスチャを作っている人達(グラフィックデザイナー)の仕事を奪う事にもなります。
これが原因でのゲーム業界でのリストラもここ最近起きています。
ただ、「キャラクターイラストをAI生成で作り出しました」と違い、「デバッグをAIにさせました」「3DオブジェクトのテクスチャをAIで生成しました」みたいなのはユーザーにばれても、それでそのゲームが不買されるという事はあまり無いと思います。
シューティングゲームの東方の新作がAI生成画像を使う事を公表して一時問題視された事があったのですが、実際のゲームを見ると背景の一部に使っている感じで「これならまぁ問題ないか」と多くの人が思って鎮火した事がありました。
何が良くて何が悪いのかは今後ゲーム業界でもその知見を蓄積していく必要があるでしょう。
・AI使用の場合、「お客様の気持ち」を考慮して、使っても問題無いケースを考えて使用するのが重要
AI生成イラストも、スーパーなどの一般客が多い状況では使ってもそこまで大きな売れ行き低下を起こすとは思えません。
コアなゲーマーは反AIの人が多いですが、一般の人はそこまでAI生成イラストに嫌悪感を抱いていないからです。
「いらすと屋の絵がAIイラストに変わった」程度にしか受けとめられていません。
でもアニメイトやレトロゲームショップなどの反AIが顧客の多くを占めるお店で店内のポップなどでAI生成イラストを使うと、結構な客離れが起きてしまいます。
自分の会社やお店でもしAIを使用する場合、『その行為によってお客様の不興を買わないか?』をきちんと考えてから使用するようにしましょう。
客の不興を買って売れ行き低下を起こすと、せっかくAIでコストダウンした効果を打ち消して利益を減らす事になってしまいます。
記事をお読みいただきありがとうございました。
以下は私が出している本です。
いずれもkindle unlimitedで読めますので、良かったら読んでみてください。
