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反田恭平さんとJNOのイベントで感じた、一流の人たちの“楽しませる努力”

4月18日(土)、反田恭平さんのクラシック音楽サロン「Solistiade(ソリスティアーデ)」会員向けイベント、
Solistiade Special Concert × Meet & Greet」 に参加してきました。

会場には、反田さんをはじめ、JNOメンバーの皆さんが登場し、演奏や企画で会を盛り上げてくださいました。

14時から17時半まで、途中休憩は10分だけ。長時間のイベントでしたが、終わってみるとあっという間でした。

演奏あり、賞品つきのクイズコーナーあり、質問コーナーあり。
内容が濃く、来た人に楽しんでもらいたいという気持ちが、最初から最後まで伝わってきました。


イベントの最後には、こんなお土産まで用意されていました。
最後の最後まで、来場者を楽しませようとする心配りを感じます。

お土産は、文具、Tシャツ、CDなどのオリジナルグッズ


一流の演奏家たちが、あえて専門外のことまでやってくれる


今回驚いたのは、出演者の皆さんが、それぞれの専門以外の楽器やジャンルにも挑戦していたことです。

世界で活躍するソリストの皆さんなら、自分の専門の演奏を聴かせるだけでも十分すごいはずです。

それなのに、この日のために練習し、あえて普段とは違う姿を見せてくれました。

反田さんがヴァイオリンを持って登場した時は、本当に驚きました。

ご本人は「ショパンコンクール以来の緊張」と話していましたが、こちらまで緊張が伝わるような空気でした。

初心者と言いつつ、ちゃんと美しい音色が出ていたのも印象的でした。

昭和世代の私には、どこか懐かしい「芸能人隠し芸大会」のようでもありました。

ヴァイオリニスト東亮汰さんのピアノ、“芸の細かさ”に笑った


東亮汰さんの出番も、忘れられません。

スタッフの方がまずピアノの譜面台を立てに来て、準備が整ったところで東さんが登場しました。

てっきり、譜面を見ながら真面目に演奏を披露する流れなのだろうと思っていました。
ところが、東さんはピアノに片手を置いて、静かに一礼。

その瞬間、ふと違和感がありました。

――あれ? この動作、どこかで見たことがある。

そう思った次の瞬間、頭に浮かんだのは、

――もしかして、反田さんのモノマネ?

東さんは、せっかく立ててあった譜面台を自分で倒し、さらにハンカチを取り出して汗を拭く仕草。

もちろん、汗などかいていません。

そしてそのハンカチで、今度は鍵盤を低音から高音まで丁寧に拭き始めました。

最後には、鍵盤の一か所を、まるで汚れをこすり落とすかのように念入りに磨く徹底ぶり。

ここまで来ると、会場はもう笑いをこらえきれません。

そして呼吸を整え、いよいよ演奏が始まると――

なんと、ショパン《エチュード Op.10-1》

おおー!と会場がどよめきました。

2021年のショパン国際ピアノコンクールのファーストラウンドで反田さんが演奏した曲です。
当時、リアルタイム配信で応援した記憶がよみがえりました。

本気のモノマネと、本気の演奏。

一流の人たちが本気で遊ぶと、こんなに面白いのかと思いました。
ただ笑えるだけではなく、そこには敬意や親しみのようなものも感じられました。

「仲がいい」と言わなくても伝わる空気


JNOの皆さんは、音楽についての考え方では意見が合わないこともあるそうです。

でも、普段はとても仲がいいのだろうと自然に伝わってきました。

それは、誰かが「私たちは仲がいいです」と言ったからではありません。

やり取りの空気、笑い合う様子、互いを立てる姿勢。
そして、お客さんを楽しませながら、自分たちも楽しんでいる様子。

そういうものは、言葉よりずっと伝わります。

質問コーナーで、私も手を挙げた


終盤の質問コーナーで、私は思い切って手を挙げました。

司会の榎並大二郎さんが「最前列のこちらの方」と指してくださった瞬間、まだステージ上にいたチェリストの水野優也さんが、驚くほど素早くマイクを持って駆けつけてくださいました。

私が立ち上がった時には、もう目の前にマイクがありました。

考えてみれば、水野さんほどの演奏家は、本来マイクを向けられる側の人です。

それでも、会全体を盛り上げるために、裏方の役割まで自然にこなしている。

こういう姿を見ると、ますます応援したくなります。

反田さんに質問して返ってきた、「頭の中の本棚」という答え


私の質問は、こうでした。

「今日も素晴らしい演奏をありがとうございました。
演奏を聴いて印象に残ったことを、あとで振り返るために、意識されていることはありますか?」

反田さんは少し考えてから、こういう趣旨で答えてくださいました。

演奏を聴いているその場の印象や空気感を覚えている、と。

たとえば、チェリストのマリオ・ブルネロさんの演奏を聴いた時、楽器と身体が一つになっているように感じた。

その印象を鮮明に覚えていて、自分もそうありたいと思ったそうです。

そして、良かったと思ったことは、自分でも真似して弾いてみる。

最後に、とても印象に残る言葉がありました。

その場で残ったことを、頭の中の本棚に入れる。

なんて素敵な表現だろうと思いました。

若い世代へつながる一場面を見た


スペシャルレッスンを受講した門下生との合同演奏も心に残りました。

小学生くらいの子どもたちから、中学生と思われる受講生まで、何人もの若い演奏家がステージに立っていました。

「こんなに大きなホールで、たくさんのお客さんの前で演奏したのは初めてで緊張しました」

そんな言葉もありました。

東亮汰さんが、小さな受講生の隣で目線を合わせるように身をかがめて、寄り添うように弾いていた姿も忘れられません。

私は今回、ドネーション付きチケットを購入しました。

それはステージに近い席を買っただけではなく、
次の世代へつながる一場面を、間近で見る権利でもあった。

そう思うと、胸が熱くなりました。

私が持ち帰ったこと

一流の人たちは、演奏が上手いだけではありません。

来てくれた人にどう楽しんでもらうか。
どう喜んでもらうか。
そのための努力を惜しまない。

そして、音楽の次の世代も育てている。

この日見たものは、ただのファンイベントではなく、音楽の未来へつながる現場でした。

私も、自分のできる形で、文化がつながる仕事をしていきたいと思います。

補足:以前うかがったJNOメンバーの公演記録


【P席正面レポ】反田恭平 弾き振りショパン協奏曲第2番で“歌声のように聴こえた”瞬間|JNO冬ツアー2026 サントリーホール感想(2026.2.6)


また、この日、フルートの八木瑛子さんやチェロの水野優也さんのお姿を拝見しながら、以前うかがった演奏会のことも思い出しました。

2022年3月、「フルート 八木瑛子の世界」という公演です。
共演は、務川慧悟さん(ピアノ)、水野優也さん(チェロ)。

当時、私はXにこんな感想を残していました。

フルートの高音の優しさ、美しさ。
八木さんの水色ドレスが曲に合っていて素敵でした。

あの日も、ステージ前方の席で聴いていました。
音色の記憶は、時間が経っても残るものなのだと感じます。

2022年3月の公演(浜離宮朝日ホールにて)


👇Solistiadeについて詳しく知りたい方は、公式サイトをご覧ください。

https://fan.pia.jp/solistiade/


反田恭平さんが出演された、TV「題名のない音楽会」の
サントリーホール40周年記念特集回(2026年5月9日放送回)の公開収録を観覧したレポはこちらです。


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