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mirecat
書類は 檻の中
書類を読むのは
いつも時間がかかる
内容が難しいわけではない
ただ
どこか息苦しい
言葉は整っている
順番も正しい
意味もわかる
たぶん
それなのに
なぜか頭に入ってこない
たぶん私は
文章を読むのが苦手なのではなく
文章の外側を
見に行ってしまう
この言葉は
なぜここにあるのか
この文章は
別の意味にもとれるけれど
どっちなのか
もっと別の言い方は
なかったのか
そうやって
意味の周りを歩いてしまう
勝手に奥行きを作ってしまう
でも書類というのは
決められた意味を
決められた順番で読むことが前提になっている
そこに余白は
あまりない
それはまるで
広い場所を歩く癖のある人間が
檻の中を
行ったり来たりしているような感覚に近い
外には
もっと広がりがある気がする
でも扉はない
ただ
その中を正しく歩くことだけが求められる
私はその檻の中で
意味を広げる癖を抑えながら歩く
だから少し遅くなる
意味が決められた世界で
意味を適切に拾う作業は
思ったより息がしにくい
でもその代わり
檻の隙間のようなものは見えてしまう
本来見なくていいはずのものまで
効率だけで言えば
きっと非合理だ
でもこの癖があるから
私は書類の中でも
ときどき違和感を拾ってしまう
それは役に立つこともあれば
ただ時間を奪うだけのこともある
そんなわけで私は
書類の中に長くいるのが
結構苦手だ
【マタギの脳内サバイバル】
意味が決められた世界で
意味を適切に拾う作業は
思ったより息がしにくい
子どもが学校から
プリントを持って帰ってくる
アプリには未読のお知らせ
回答期限付きのフォームもある
私は毎回
檻へ戻される
