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美食家でありたい 私

自分で料理を作ると

一番先に味見をするのは
自分だ

味を確かめて

少し塩を足して

もう一度味見をする

完成する頃には

もう
何度か 味わっている


だから

自分で作った料理は
ときどき飽きる


自分が作った味を

自分が一番先に
知っているからだ


料理だけじゃない

書くことも

話すことも

自分から外へ出すものは

まず

自分が味わっている


自分が書いた文章を
最初に読むのは自分

自分が発した言葉を
最初に聴くのも自分

誰かに届く前に

一度
自分の中を通っている

だから
毒を吐けば

その毒を最初に喰らうのも
自分なのだ

吐いた言葉も

見下した文章も

外へ飛んでいく前に

自分の口を通り

自分の耳を通り

自分の頭に残る


逆に

笑わせるために
書いた言葉も

励ますために
話した言葉も

自分が一番先に味わう


別に
言霊を 信じているわけではない


言葉を発したら
魔法のように現実が変わる

なんて思っちゃいない

ただ

自分が毎日
自分の言葉を食べていることは

忘れないようにしている


現実を
ごまかすためじゃない

自分が最初に食べるものを

少し選べばいいだけ

毒を盛るより

他人と自分に

うまいものを
食わせてやればいい

【マタギの脳内サバイバル】
毒を喰らうのも
グルメを味わうのも
まずは 自分


高級料理を
食べ歩くような
美食家になりたいわけではない

私がなりたいのは
毎日食べても
ちゃんと美味しい

お母さんが作ってくれるような
全部手作りの定食を
自分に出せる人だ


……とはいえ
自分で作る料理は
味見の段階から
もう自分が食べている

飽きた

はぁ
誰か作ってくれないかなぁ

今日の 夕食……

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