お惣菜を 買わない理由
「うちは あまりお惣菜を買わないですね」
そう言うと
「節約ですか?」
と聞かれる
答えはNO
私が料理をする理由は もっと単純だ
好きなものを
好きなだけ食べたい
ただ それだけ
惣菜を買ったほうが安いものもあるし
自炊したからといって
必ず節約になるわけでもない
今日は ケバブが食べたくなった
家族全員分を買うと
それなりの金額になる
しかも
一人一つでは少し物足りない
それなら
鶏肉を漬け込んで焼き
千切りキャベツとトマトを
カリッと焼いた食パンに挟んで
ソースをかければいい
漬け込みも ソースも
「インドカレー屋さんの謎ドレッシング」に
ヨーグルト
チリパウダー
クミン
レモン
適当に 混ぜれば
ちゃんとケバブになる
食べ終わる頃には
「ケバブ食べたい欲」は
しっかり満たされている
見た目は完全に サンドイッチだが
命の糧に
いちいち映えなど要らぬ
あじの南蛮漬けも 大好きだ
惣菜売り場で見るたびに思う
「少なっ」
だから
あじを捌いて揚げる
玉ねぎと にんじんと
彩りに少しだけピーマン
甘酢に漬ける
手間はかかる
でも
魚も野菜も
遠慮なく山盛り食べられる
家族から絶賛されれば
なおさら美味しい
職場の先輩が教えてくれた
「あじの南蛮漬けは
大きいあじで作ると 捌くのが楽よ」
なるほど
今度やってみよう
私は
「惣菜を買わない」のではない
「家で作れるものは 家で作る」
ただ それだけなのだ
立派なキッチンが
あるわけでもない
一口IHコンロと 小さなホットプレートで
毎日の食卓を回している
料理上手でもない
生活を 淡々と 粛々と
回しているだけ
その結果
惣菜より 自炊の出番が多くなった
今日も
食べたいものがあれば考える
「これ 家で作れるな」
それだけで
食欲も 創作欲も
意外と満たされる
そういえば
あじを捌くようになったのは
義実家から譲り受けた
出刃包丁があったからだ
大好きだった
おばあちゃんが 使っていた包丁
だから
ちゃんと使いたいのである
これも 欲だな
【マタギの脳内サバイバル】
欲を満たせる 合理的な方法が
自作だっただけ
夫のジャンに聞いてみた
「サウナだけじゃなくて
魚釣りも趣味にしない?」
新鮮なあじが手に入れば
南蛮漬けも
なめろうも
塩焼きも作れる
夢が広がる
彼は一言
「ん? 全然キョーミなぁい」
……ちっ
シティボーイめ
