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初恋の鶏と 真面目に傾く巨匠

うちの父が大好きな番組
「開運!なんでも鑑定団」

その番組を観るために さっさと予定を切り上げる

実家にいた頃は
私も なんとなく一緒に観ていた

私は骨董の価値はよく分からない

高額査定された骨董品を見ても
へぇ 保管大変そう
大切にしまっておく 飾らない掛け軸とは…
くらいだ

しかし
ある日
テレビに映った一枚の絵に
私は完全に目を奪われた

鮮やかな色彩の花

そして

今にも動き出しそうな 鶏だった

幼いながらに
なんだこれはーーー!!

と 激震が走った

後に知る

その絵を描いたのが

伊藤 若冲 だった

当時は名前も知らない

ただ
「なんか めっちゃ好き!」
という衝動だけがあった

それが私の 初恋の鶏である

今見ても好きだ

花や植物が好きだ
色彩も好きだ
描き方も好きだ

細かい説明はできない
美術評論家でも 鑑定士でもないし

でも

ずっと見ていられる
不思議な魅力がある

なぜこんなに惹かれるのだろう

たぶん
真面目だからだ

いや

真面目すぎる

鶏を 花を 蛸を 獣を描く

普通なら
途中で飽きそうなものだ

しかし

若冲はやる

執念深く やる

その結果
普通の人が到達しない場所まで行ってしまった

私はそれを見て

この人 真面目すぎて逆にカブいてるな
となった

流行を追った結果ではなく

観察するものを突き詰めた結果
誰もいない場所に行ってしまった人

格好いい

今度実家に帰ったら
父に聞いてみよう

「伊藤若冲て知ってる?」

もしかしたら
おもしろい答えが返ってくるかもしれない

それも少し楽しみだ

【マタギの脳内サバイバル】
推しは誰ですか?
伊藤若冲です

でも
もし江戸へ行けるなら
若冲に会いたいわけではない

若冲が立ち止まった場所で
同じ花を見てみたい
同じ鳥を見てみたい

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