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依存からの解放〜レンジが無いという自由〜

我が家から レンジが消えた

庫内で飛び散った卵の残骸
絶望と困惑が入り混じった

沈黙と 沈黙

掃除を終えた時
私は長年の友だったオーブンレンジの蓋を
そっと閉めた


…そうだ
レンジの無い生活を試すのは 今しかない

かつての私は 便利なボタン一つで
だいたいの問題を解決していた

けれど

レンジが消えたキッチンに現れたのは
不便ではなく


「知恵」という名のおもしろい遊びだった


私はIH一口コンロを「かまど」とし
小さなホットプレートを「囲炉裏」と決めた



私がかまどで弁当を作る横で
家族は囲炉裏でパンを焼く


夜にはそれが
主菜を待つ晩餐の焚き火へと変わる



あれから1年半

いまだに
我が家にレンジは無い

困っていない


むしろ
当たり前だと思っていた便利さの中に
ずいぶん長く住んでいたのだと知った


圧力鍋のシュンシュンなる音を背景に
空白の棚の上で老猫が 心地よい惰眠を貪っている


【マタギの脳内サバイバル】
当たり前は 再定義してみる


清貧とは
持てないことではなく
自分の意志で削ぎ落とすこと

私は かまどと囲炉裏で
不便を乗りこなす遊びを選んだ

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