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950am
依存からの解放〜レンジが無いという自由〜
我が家から レンジが消えた
庫内で飛び散った卵の残骸
絶望と困惑が入り混じった
沈黙と 沈黙
掃除を終えた時
私は長年の友だったオーブンレンジの蓋を
そっと閉めた
…そうだ
レンジの無い生活を試すのは 今しかない
かつての私は 便利なボタン一つで
だいたいの問題を解決していた
けれど
レンジが消えたキッチンに現れたのは
不便ではなく
「知恵」という名のおもしろい遊びだった
私はIH一口コンロを「かまど」とし
小さなホットプレートを「囲炉裏」と決めた
朝
私がかまどで弁当を作る横で
家族は囲炉裏でパンを焼く
夜にはそれが
主菜を待つ晩餐の焚き火へと変わる
あれから1年半
いまだに
我が家にレンジは無い
困っていない
むしろ
当たり前だと思っていた便利さの中に
ずいぶん長く住んでいたのだと知った
圧力鍋のシュンシュンなる音を背景に
空白の棚の上で老猫が 心地よい惰眠を貪っている
【マタギの脳内サバイバル】
当たり前は 再定義してみる
清貧とは
持てないことではなく
自分の意志で削ぎ落とすこと
私は かまどと囲炉裏で
不便を乗りこなす遊びを選んだ
