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俺と あいつとの出会い

インフィニティチェアが欲しい

夫のジャンは時々
何かに出会う

そして語り始める

今回の相手は
インフィニティチェアだった

なぜ欲しいのか聞くと

俺とインフィニティチェアとの出会いはーー

まさかの物語だった

どうやらサウナ施設で出会い
衝撃を受けたらしい

無重力
ととのう
世界が変わる

もはや椅子の説明ではない

運命の人との馴れ初めである

そこまで言うなら

実物を試しに
三鷹のサウナ施設へ足を運んだ

夫婦で仲良く出かけて
そして 別々になる

久々のサウナ

ベンチの軋み
熱したストーンの 爆ぜる音
静かなピアノの旋律

そこで私は初めてオートロウリュを経験した
ストーンの上から 水が落ちてくる
まるで熱帯の滝を見ているような 感覚だった
わぁ と感動している間に 来たのだ

灼熱の蒸気が顔面と肩と粘膜に

結構 いや かなり息苦しくなる

サウナ室から出ると 爽快な湿度の開放感

シャワーを浴びて
気づけば苦手な水風呂にも浸かっていた

外気浴 お待ちかねの椅子へ向かう

座る
倒れる
浮く

……浮く!

無重力だった

というか
身体を無条件に預ける感覚だった

子どもの頃
寝たまま父に抱えられて
布団へ運ばれる時のような安心感

悔しいが
これはちょっと欲しくなる

気絶寸前のととのいに 驚愕した

二時間後

ジャンは少し得意げだった

私は認めざるを得なかった

インフィニティチェアには
確かに魅力的だった

そしてもう一つ
分かったことがある

ジャンは欲しい物を説明する時

性能ではなく
物語を語る

スペックではなく
出会いを語る

そして私は
その話にまんまと釣られて
三鷹まで検証しに行った

つまり

彼は正しかった

【ジャンの独り言】
妻を説得するには
スペックではなく物語から入れ

ただね…
めちゃくちゃでかいんだよなぁ
今回の運命の人も

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