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gentle_wolf6180
俺と あいつとの出会い
インフィニティチェアが欲しい
夫のジャンは時々
何かに出会う
そして語り始める
今回の相手は
インフィニティチェアだった
なぜ欲しいのか聞くと
俺とインフィニティチェアとの出会いはーー
まさかの物語だった
どうやらサウナ施設で出会い
衝撃を受けたらしい
無重力
ととのう
世界が変わる
もはや椅子の説明ではない
運命の人との馴れ初めである
そこまで言うなら
実物を試しに
三鷹のサウナ施設へ足を運んだ
夫婦で仲良く出かけて
そして 別々になる
久々のサウナ
ベンチの軋み
熱したストーンの 爆ぜる音
静かなピアノの旋律
そこで私は初めてオートロウリュを経験した
ストーンの上から 水が落ちてくる
まるで熱帯の滝を見ているような 感覚だった
わぁ と感動している間に 来たのだ
灼熱の蒸気が顔面と肩と粘膜に
結構 いや かなり息苦しくなる
サウナ室から出ると 爽快な湿度の開放感
シャワーを浴びて
気づけば苦手な水風呂にも浸かっていた
外気浴 お待ちかねの椅子へ向かう
座る
倒れる
浮く
……浮く!
無重力だった
というか
身体を無条件に預ける感覚だった
子どもの頃
寝たまま父に抱えられて
布団へ運ばれる時のような安心感
悔しいが
これはちょっと欲しくなる
気絶寸前のととのいに 驚愕した
二時間後
ジャンは少し得意げだった
私は認めざるを得なかった
インフィニティチェアには
確かに魅力的だった
そしてもう一つ
分かったことがある
ジャンは欲しい物を説明する時
性能ではなく
物語を語る
スペックではなく
出会いを語る
そして私は
その話にまんまと釣られて
三鷹まで検証しに行った
つまり
彼は正しかった
【ジャンの独り言】
妻を説得するには
スペックではなく物語から入れ
ただね…
めちゃくちゃでかいんだよなぁ
今回の運命の人も
