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take_futa
学習できないのは 学習済みだ──時間の概念が狂う唐揚げ
池袋にある「一番唐揚げ」というお店が好きだ
ここのムネ肉の唐揚げが とにかく美味しい
胸肉とは思えないほど柔らかく 旨みが襲ってくる
しかも定食には 鶏皮の入った味噌汁が付いてくる
この味噌汁もまた しみじみ旨い
揚げたてを頬張るたびに
「はぁぁぁ 来てよかった」
と毎度思う
……ただ ひとつだけ問題がある
熱い
ものすごくアッツアツなのだ
私は猫舌なので 最初の一口は慎重に食べる
「よし 今日は学習したぞ」
そう思いながら ゆっくり味わう
ゆっくり
本当にゆっくり
なのに である
最後の一口まで熱い
どういうことなのだろう
時間という概念は あの唐揚げには通用しないらしい
結局 毎回 口の中をやけどして帰る
学習能力がないと言われれば その通りなんだけど
学習はしている
熱いことも やけどすることも知っている
その上で食べているのだ
あの揚げたてを前にすると
「少し冷ましてから」
という理性が 毎回きれいに負けてしまう
美味しいものには 理屈が通じない
だから次に行っても きっと私はまた口の中をやけどする
そして帰り道
「次こそは気を付けよう」
と思いながらやけどの口で
幸せそうに帰る
もちろん その学習が次回も活かされないことは もう学習済みだ
