Photo by
tarostagram
後ろを 見てはいけない
子どもの同級生たちと集まって
公園で花火会をした
都内でも
手持ち花火ができる公園は
結構 ある
子どもたちは
最初こそ大はしゃぎしていたのだが
そのうち
飽きる
まあ
そうなるよね
残った花火は
親たちが
懐かしい〜と
子どもの頃を思い出しながら
楽しみ始めた
ストロボっぽい花火
レインボーに変わる花火
意外と激しい火力の 線香花火
結局
子どもより
親のほうが楽しんでいる
大人になると
花火なんて 普段しないから
その頃
子どもたちは
別の遊びを始めていた
肝試し
公園の暗いところを
探検しているらしい
あとで 動画を
見せてもらったのだが
何か
写り込んでないよね?と
画面の隅々まで
違和感を 探してしまった
怖いものは
大嫌いだ
でも
見なきゃいいのに
見てしまう
私は 二十歳の頃
友人たちと
肝試しをしたことがある
同窓会の帰り
女子4人で
車に乗って
せっかくだから
有名な墓地を通ってみよう
となった
当時も怖いものはダメだった
でも 一人じゃないし
怖いもの見たさが
勝っていた
そして
目的の 墓地を
通りかかった瞬間
夏だというのに
窓ガラスが
一瞬で ザンッと
曇った
みんな 絶句
からの 絶叫
後部座席にいた私は
後ろを
振り返れなかった
もちろん
ミラーも
見られない
見たら
何か 絶対いる気がした
そのまま
なんとかダンジョンを脱出し
疲弊した 私は
自宅まで送ってもらった
ようやく
安住の実家に 帰れた
助かった…
生きて 無事に…休める
玄関を開けた
そこに 静かに 立っていた
母が 鬼の形相で
その瞬間
墓地で感じた恐怖は
いとも簡単に 上書きされた
【マタギの脳内サバイバル】
幽霊よりも 怖いものはある
恐怖は共鳴すると 増幅する
あの日の窓ガラスが
なぜ曇ったのかは
今も 知らない
考察する時間は
そのとき
なかったんだ
