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エッセイ│どうして防災するのだろう

地震・水害・熱中症に大停電。
毎年のように様々なニュースを耳にし、9月になればあちこちで防災コーナーを目にする災害大国・日本に暮らしている私達。

こくみん共済でお馴染み、全労済が2024年に実施した「防災・災害に対する全国都道府県別意識調査」では、男性67.9%・女性80.1%が「災害に対して不安を感じている・やや感じている」と答えました。

不安を感じている一方で、「直近1年以内に在宅時に災害が起こったことを想定した災害対策を行ったか」という問いに「行った」と回答した人は20.3%。
災害に不安を感じていても、実際に継続して対策を行っているという人は、少ないということがわかります。

わたくし大谷、3年ほど前からおうちの防災力強化を目指し、少しずつ防災・減災を意識した暮らしつくりを始めました。

しかし、同じ家に暮らす夫は防災には無関心。

「そんなの、その時になったら考えたらいいでしょ」と真顔で言ったりします。
我が家ですらこうなのだから、他のおうちでも家族間で意識がばらばらだったり、温度感に違いが生まれるのは、仕方ないのかも知れません。

生命保険営業の経験がある私には、
防災と生命保険は似ているなと感じるところがあります。

どちらもなんとなく人に聞きづらく、そしてどことなく後回しにしたくなる。
今日の暮らしで精一杯なのに、いつ使うか解らない防災用品や、もしも・万が一の為に支払う保険料のことを考えるのって、ちょっとどころか、かなり面倒くさいですよね。

じゃあ、どうして防災するのだろう。
どうして今私は、せっせと防災備蓄を増やしたり減らしたり、家族に冷ややかな目で見られながら防災のことを考えているんだろう。

ChatGPTとそんな話をしていると、チャッピーが面白いことを言いました。

「災害なんていつ起きるか分からない。起きた時に考えたらいい。」
と、ご家族は言いますが、
「その時に考える」ための余裕を今のうちに作っておくのが防災とも言えますね。

例えば、今この瞬間に水も電気も止まり、家の中に何も無かったら。
多分、めっちゃ焦ると思うんです。

なんだか喉が乾いてきたけど、口に入れられる水分がない。
子どもがお腹が空いたと言うけれど、食べさせられるお菓子もごはんもない。
水も電気も止まっている理由を調べてスマホを使っていたら、みるみる減っていく充電。

もうパニックです。
多分、真っ先に家から一番近いコンビニかスーパー、あるいはドラッグストアめがけて駆け出すんでしょうが、
じっとしていられない子ども2人を連れて行かないといけません。
恐らく周辺の住民の方も、四方八方から押し寄せるから、秒で店の前は大行列でしょう。

夫が迎えに来てくれるまで、長蛇の列に子どもの手を繋いで並べるだろうか。
そもそも、その夫と連絡って取れるのかな。
相手も普段からスマホの充電をほとんどしません。電話1本、かけるのを躊躇うかも知れません。
その間にも子どもが泣きます。喉が乾いた。おなか空いた。トイレ〜!!
周囲の大人もイライラしているでしょう。
静かに、黙って、そんなことを子どもに言いながら泣きそうになる私が浮かびます。

これが、「その時が来たら考える」です。


国が、政府が、自治体が、あるいは周囲の誰かがなんとかしてくれるだろう、の世界線です。
家が倒壊したり、浸水したりしなくても、家族みんなが無事で元気でも、起こり得るもしもの世界です。

ではそんな家に、2Lのペットボトル水が1本あったら。

とりあえず、喉が乾いたと思った時に、水を口に含むことができます。
水分ゼロからスタートするよりも、ほんの少しだけ落ち着いて考える気力が湧くかも知れません。

喉が乾いたと訴える子どもに、それぞれ水を飲ませてから移動するか、どこで何を調達するか、考えることができるかも知れません。

ではそんな家に、コーンフレークが1袋あったら。

とりあえず、今この瞬間子どもに食べさせられるモノができます。
少量をタッパーに入れて持たせれば、移動先での時間潰しのおやつにも使えるかも知れません。

ではそんな家に、非常用トイレが1セットあったら。

とりあえず、1回分の非常事態を回避できるのは間違いありません。
その1回を回避できたら、他に代用できるものはあるか考える時間も湧いてくるかも知れません。

何かが1つあれば、その1回分の時間に余裕が生まれます。
考える余裕、落ち着く余裕、何かを取り戻す余裕が生まれます。

2つあれば、5つあれば、1日分あれば、その「余裕」が増えていきます。
焦って近くの店に向けて駆け出さなくても、子どもに何かを我慢させなくても、今を凌ぐことができるようになっていきます。

防災は、災害を全て防ぐためにあるのではないと私は思います。
発災から復旧までの期間が解らない以上、そもそも被災期間の全てを完璧に乗り切るフルセットを備えるなんてことは、現実的ではありません。

チャッピーとの会話で、我が家の防災は「なにかあった時に落ち着くための余裕をいくら作れるか」を考えるものなのだなと気付きました。

そしてそれは、2Lのペットボトル水1本からでも作れます。

もし、今防災を意識して、何から備えたら良いんだろうと考えている方がいらっしゃったら。
まずは2Lのペットボトル1本を買って、自宅に置いてみるところから始めてみるのをオススメします。

本当は1人につき1日3L以上の水が必要らしいんですが、そんなことはともかく一旦置いておいて。
水を飲む習慣が無ければ、炭酸水でも麦茶でも緑茶でも良いので、飲みきれそうな1本を買ってみましょう。

そして、その2Lが生む時間の余裕をちょっぴり想像してみてください。
もしかしたら、やっぱりこれもいるかも、と思うものが浮かぶかも。
それも、備蓄が生んだ余裕のひとつ。

あなたの防災の始まりです。


fin.

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大谷(おおたに)
2児の母|整理収納アドバイザー
片付け/捨て活/防災など、暮らしに繋がるnoteを書いています。

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