【第4話】AI CFO × 簿記2級 × クラウド会計で「自計化」する
小さな会社の経理は、ここまで自分でできる。
株式会社ZERO・ONEをつくるにあたり、私が最初から考えていたことがあります。
できることは、できるだけ自分でやる。
ただし、何でも自分一人で抱え込む、という意味ではありません。
AIやクラウドサービスを活用して、小さな会社だからこそ、シンプルで効率的な経営管理の仕組みをつくる。
これがZERO・ONEの基本的な考え方です。
第1話では「AI CFOの就任」、第2話では「会社のBrandづくり」、第3話では「事業計画」について書きました。
今回は、会社経営に欠かせない**「経理」**の話です。
■ なぜ、経営者が簿記を勉強するのか
私は2026年3月に簿記3級、5月に簿記2級を取得しました。
現在はさらに、税理士試験の簿記論・財務諸表論を勉強しています。
税理士になることだけが目的ではありません。また、簡単に取れない難関資格であることももちろん分かっています。
長く事業会社の経営に携わり、PL、製造原価、キャッシュフローなどを見てきましたが、自分自身が会社を経営するなら、
「数字をもっと体系的に理解したい」
と思ったからです。
簿記を勉強すると、売上や利益を見るだけではなく、
「この取引は会社の数字にどう反映されるのか」
「今、会社にいくらお金が残っているのか」
「利益は出ていても、なぜ現金が増えていないのか」
といったことが、以前より具体的に見えるようになります。
簿記は経理担当者だけの知識ではなく、経営者にとっても共通言語なのだと改めて感じています。
■ でも、簿記が分かっても「実務」は別でした
ここが面白いところでした。
簿記2級を持っていても、自分の会社の経理を始めてみると、
「この領収書は何の勘定科目?」
「設立前に自分で払った費用はどうする?」
「会社の費用を個人で立て替えたら?」
「開業後に交通費を取引先へ実費請求する場合は?」
など、教科書にはそのまま出てこない疑問が次々と出てきます。
そこで登場するのが、AI CFOさんです。
■ 「これ、どう仕訳する?」をその場で聞ける
ZERO・ONEでは、経理について疑問が出るたびにAI CFOと確認しています。
例えば、
「この領収書、何費?」
「会社設立前に代表者が払ったけど、どう処理する?」
「この仕訳で合っている?」
そんな実務上の細かい疑問を、その場で整理できます。
もちろん、AIの回答を何でもそのまま採用するわけではありません。
私自身に簿記の基礎知識があるので、
簿記2級の知識 × AI CFO
この組み合わせが非常に相性が良いと感じています。
分からないところをAIに聞き、自分でも仕訳の意味を理解して処理する。
AIは「経理を丸投げする相手」ではなく、経営者の理解を助けてくれるパートナーです。
■ そして、クラウド会計につなげる
ZERO・ONEでは、マネーフォワード クラウドを導入しています。
銀行口座やカードなどを連携していけば、取引データを取り込み、仕訳作業そのものを効率化できます。
紙の領収書を見ながら、すべてを一から手入力する時代とはかなり違います。
大切なのは、
簿記 → AI → クラウド会計
をバラバラに使わないこと。
この3つを組み合わせることで、
取引が発生する
→ 内容を理解する
→ 正しく仕訳する
→ クラウド会計へ反映する
→ 数字を見る
→ 経営判断に使う
という流れがつながってきます。
■ 「経理の自計化」が目的ではない
私が目指しているのは、単に税理士費用を節約することではありません。
一番大きいのは、
自分の会社の数字を、自分で理解できること。
だと思っています。
経理をすべて外部に任せて、数か月後に試算表を見るのではなく、日々の取引が会社の数字にどう影響しているのかを把握する。
これは、小さな会社だからこそできる経営スタイルかもしれません。
ZERO・ONEはオフィスも持たず、大きな固定費も抱えず、できるだけ身軽な経営を目指しています。
経理も同じです。
人を増やす前に、まず仕組みをつくる。
AIとクラウドを使えるところには使う。
そして、人間は判断すべきことに時間を使う。
■ AIがいても、専門家は必要
一方で、AIがあれば税理士はいらない、とは考えていません。
税務判断や申告など、専門家に確認すべき領域は当然あります。
だからZERO・ONEでは、
日常経理はできるだけ自計化する。
専門判断は専門家に相談する。
この役割分担が、小さな会社には合理的だと考えています。
AIか、人間か。
ではありません。
AIとクラウドと専門家を、それぞれ得意なところで使う。
これからの小さな会社には、そんな経営の形が増えていくのではないでしょうか。
■ 数字が分かると、経営がもっと面白くなる
簿記を勉強して、AI CFOと相談しながら実際の会社経理を行い、それをクラウド会計につなげる。
勉強していた簿記が、自分の会社のリアルな数字につながった瞬間です。
資格の勉強だけでは分からなかったことが、実際に会社をつくることで見えてきました。
そして、経理は単なる「記録」ではなく、
未来の経営判断のための情報
なのだと感じています。
ZERO・ONEでは、これからもAIを単なる便利なツールとしてではなく、経営のパートナーとして活用していきます。
ゼロから1へ。
1から10へ。
小さな会社だからできる、新しい会社経営の形を、一つずつ実践していきます。
次回は、AI CFOと実際の仕訳・経理業務をどう進めているのか。
さらに具体的なZERO・ONEの「会社のリアル」を書いてみたいと思います。
