私が今挑戦していること

導入文

「今、何に挑戦していますか」

そう聞かれると、少し答えに迷います。

何か大きな大会に出るわけではありません。

新しい資格に挑戦している、という話でもありません。

誰が見ても分かるような、派手な挑戦ではないかもしれません。

でも、私の中では、今もいくつかの挑戦があります。

生まれつき全盲の私が、自分の経験を言葉にして発信し続けること。

iPhoneやVoiceOver、AIを使いながら、自分に合った働き方を探していくこと。

福祉の現場や事業運営で感じてきたことを、当事者としてだけでなく、支援や社会の視点からも考え続けること。

人に頼ることを恐れすぎず、自分の必要なことを言葉にしていくこと。

そして、見えない自分の人生を、誰かに決めてもらうのではなく、自分の言葉で少しずつ形にしていくこと。

こうして書くと、少し大きく聞こえるかもしれません。

でも、実際には毎日の小さな積み重ねです。

noteを書く前に、何を書けばいいのか迷う。

VoiceOverで画面を確認しながら、文章を整える。

AIを使いながらも、自分の本音が消えていないか考える。

福祉や障害について書く時に、誰かを傷つける言葉になっていないか立ち止まる。

発信しても反応が少ない日には、少し不安になる。

それでもまた、次の記事を書こうとする。

私にとって挑戦とは、特別な人だけがするものではありません。

不安がありながらも、今の自分にできる一歩を出すこと。

できるか分からないことに、少しずつ近づいていくこと。

今日は、私が今挑戦していることについて書いてみたいと思います。

成功した話ではありません。

まだ途中の話です。

迷いながら、怖がりながら、それでも続けている挑戦について、私なりに書いてみます。

1. 発信を続けることへの挑戦

私が今、いちばん大きく挑戦していることの一つは、発信を続けることです。

noteで、自分の経験を書いています。

視覚障害のこと。

盲導犬との暮らし。

iPhoneやVoiceOverのこと。

AIの活用。

福祉の現場。

働き方。

生き方。

そういうテーマを、自分の言葉で書いています。

でも、発信を続けることは、思っていたより簡単ではありません。
書く内容が思いつかない日もあります。

同じようなことを書いていないか不安になる日もあります。

自分の経験を出しすぎていないか迷うこともあります。

読んでくれる人に、どう受け取られるのか怖くなることもあります。

特に、視覚障害について書く時は慎重になります。

私の経験は、あくまで私の経験です。

同じ全盲でも、感じ方や生活の仕方は人によって違います。

盲導犬ユーザーでも、人によって考え方は違います。

支援を受けることへの感じ方も、働き方への考え方も違います。

だから、私はできるだけ、

「視覚障害者はこうです」

と決めつける書き方はしたくありません。

「私はこう感じてきました」

「私の場合はこうでした」

そういう言葉を大切にしたいと思っています。

発信は、自分の経験を社会に出すことでもあります。

それは少し怖いことです。

でも、書くことで届くものがあります。

読んでくれた人が、

「知らなかった」

「考えるきっかけになった」

「自分にも重なる部分があった」

と言ってくれることがあります。

そのたびに、発信を続ける意味を感じます。

今の私にとって、書き続けることは挑戦です。

華やかではありません。

でも、私の人生を少しずつ社会につなげていく大切な挑戦です。

2. 自分の経験を、誰かの気づきにつなげる挑戦

ただ経験を書くことと、誰かに届く言葉にすることは少し違います。

私は今、自分の経験を、誰かの気づきにつなげることにも挑戦しています。

たとえば、見えないことで困った経験があります。

駅で道が分からなくなったこと。

お店でメニューが読めなかったこと。

紙の書類をその場で確認できなかったこと。

スマホの画面が読み上げに対応しておらず、先へ進めなかったこと。

そういう経験を、そのまま

「困りました」

と書くこともできます。

でも、それだけでは、読者は少し距離を感じるかもしれません。

だから私は、その経験から何を考えたのかを書くようにしています。

情報は、そこにあるだけではなく、届く形になっていることが大切だということ。

「見れば分かる」は、見えない人には届きにくい言葉だということ。

声をかける時には、急に体を引くのではなく、まず本人に聞くことが安心につながるということ。
支援は、代わりに全部やることではなく、本人の意思を残しながら一緒に調整することでもあるということ。

自分の経験を、ただの個人的な出来事で終わらせない。

そこから、家族、支援者、教育関係者、企業の人、障害について詳しくない人にも届く視点に変えていく。

これは、私にとって大きな挑戦です。

うまくできているかは、まだ分かりません。

書きながら迷います。

でも、私の経験が、誰かの関わり方を少し変えるきっかけになったら嬉しいです。

自分の困りごとを、ただ苦しかった出来事で終わらせず、社会を少し考える言葉にしていく。

それが、今の私が挑戦していることの一つです。

3. AIを使いながら、自分の言葉を失わない挑戦

私は、AIも活用しています。

AIは、私にとってとても大きな助けになっています。

考えを整理する時。

文章の流れを確認する時。

言葉にしにくい気持ちを形にする時。

noteの記事や発信の方向性を考える時。

AIを使うことで、自分の中にあるものを外に出しやすくなることがあります。

生まれつき全盲の私は、画面をVoiceOverで確認しながら操作しています。

そこにAIを組み合わせることで、以前なら時間がかかっていた作業が進めやすくなりました。

これは本当にありがたい変化です。

でも、AIを使うことには、別の難しさもあります。

AIがきれいに整えてくれる文章は、読みやすいです。

でも、整いすぎると、自分の本音が薄くなることがあります。

迷い、引っかかり、少し言い切れない感じ。

人間らしい揺れ。

そういうものが消えてしまうことがあります。

だから私は、AIを使いながらも、自分の言葉を失わないことに挑戦しています。

AIに任せきりにしない。

自分の経験を中心に置く。

自分が実際に感じたことを確認する。

違和感がある表現は直す。

きれいすぎる言葉よりも、自分の温度が残る言葉を選ぶ。

これは、簡単ではありません。

便利な道具ほど、頼り方が大切です。

AIは、私の代わりに人生を生きてくれるわけではありません。

私の代わりに悩んできたわけでもありません。

でも、私の経験を言葉にする手助けをしてくれる存在ではあります。

道具を使うことは、楽をすることだけではありません。
自分の力を別の形で引き出すことでもあると思っています。

AIを使いながら、自分の声を消さない。

これは、これからも続けていきたい挑戦です。

4. 福祉の現場と当事者の間をつなぐ挑戦

私は、福祉の現場や障害福祉事業の運営に関わってきた経験があります。

当事者として感じること。

支援を受ける側として感じること。

そして、福祉の現場や運営に関わる中で見えてきたこと。

その両方があります。

これは、私にとって大切な視点です。

当事者としては、

「もっと本人の気持ちを聞いてほしい」

「情報を分かる形で伝えてほしい」

「支援される側にも意思があることを忘れないでほしい」

と思うことがあります。

一方で、福祉の現場に関わると、支援する側の大変さも見えます。

人手が足りないこと。

時間に追われること。

制度や記録に向き合わなければならないこと。

家族の思いと本人の思いの間で悩むこと。

事業を続けるためには、理想だけではなく現実的な運営も必要なこと。

どちらか一方だけを見ていると、分からないことがあります。

当事者の思いだけを強く言えば、現場の苦しさが見えにくくなるかもしれません。

現場の都合だけを優先すれば、本人の気持ちが置いていかれるかもしれません。

だから私は、その間をつなぐ言葉を書きたいと思っています。

当事者の声を大切にしながら、支援者や家族、企業の人にも届く言葉。

福祉を理想論だけで語らず、でも人の生活を忘れない言葉。

これは、簡単な挑戦ではありません。

どちらにも届く言葉を探すのは難しいです。

でも、私だからこそ書けることがあるのかもしれない。

そう思いながら、少しずつ言葉にしています。

5. 人に頼ることを、前より自然にする挑戦

私は今、人に頼ることを前より自然にすることにも挑戦しています。

全盲で生活していると、人に助けてもらう場面があります。

でも、頼ることは今でも少し迷います。

申し訳ない。

迷惑ではないだろうか。

何度も聞いていいのだろうか。

できない人だと思われないだろうか。

そんな気持ちが出てくることがあります。

特に、仕事や発信、福祉に関わる場面では、自分でしっかりしなければと思いやすいです。

でも、全部を一人で抱え込むと、かえって進めなくなることがあります。
分からないことを分からないままにしてしまう。

確認すれば済むことを、長く悩んでしまう。

不安なのに「大丈夫です」と言ってしまう。

そういうことがありました。

今は少しずつ、頼ることも力の一つだと思うようにしています。

「ここだけ確認してもらえますか」

「この情報は音声で確認しにくいので、説明してもらえると助かります」

「少し時間をください」

「ここまでは自分でできますが、ここから先は手伝ってもらえると安心です」

こう言えることは、甘えではないと思っています。

自分の状態を知ること。

必要な支援を言葉にすること。

相手と調整すること。

それも、社会の中で生きるための大切な力です。

人に頼ることを、遠慮だけで終わらせない。

自分の意思を残しながら、必要な助けを受ける。

これは、今の私にとって続いている挑戦です。

6. 自分の経験を仕事や価値につなげる挑戦

私は今、自分の経験を発信だけで終わらせず、仕事や価値につなげていくことにも挑戦しています。

これは、まだ途中です。

はっきりした形になっていることばかりではありません。

でも、考え続けています。

生まれつき全盲として生きてきた経験。

盲導犬ユーザーとしての生活。

VoiceOverやAIを使っていること。

福祉の現場や事業運営に関わってきたこと。

働くことや支援について考えてきたこと。

これらは、私の人生そのものです。

でも同時に、誰かの役に立つ視点にもなるのではないかと思っています。

障害のある人の家族にとって、当事者の言葉が少し安心につながるかもしれません。

福祉関係者にとって、支援を受ける側の感じ方を知るきっかけになるかもしれません。

教育関係者にとって、障害のある子どもとの関わり方を考える材料になるかもしれません。

企業の人にとって、合理的配慮や働き方を考える入り口になるかもしれません。

障害に詳しくない人にとって、視覚障害を少し身近に感じるきっかけになるかもしれません。

自分の経験を、誰かの学びや相談、講演、サービス、コミュニティにつなげていく。

そういうことを、少しずつ考えています。

もちろん、簡単ではありません。

収益化を考えると、迷いもあります。

自分の経験をお金につなげることに、少し抵抗を感じる時もあります。
でも、経験を価値に変えることは、悪いことではないと思うようになってきました。

大切なのは、売り込みではなく、信頼を積み重ねること。

困っている人や知りたい人に、必要な形で届けること。

そのために、今は無料記事として、丁寧に言葉を積み重ねていきたいと思っています。

7. 挑戦している自分を、焦らず育てる挑戦

ここまで書いてきた挑戦は、すぐに結果が出るものばかりではありません。

発信を続けること。

AIを使いながら自分の言葉を守ること。

福祉と当事者の間をつなぐこと。

人に頼ることを自然にすること。

経験を価値につなげること。

どれも、時間がかかります。

時々、焦ります。

もっと早く結果を出さなければ。

もっと読まれる記事を書かなければ。

もっと分かりやすく伝えなければ。

もっと仕事につなげなければ。

そう思うことがあります。

でも、焦りすぎると、自分の大切にしたいものを見失うことがあります。

私は、急に大きく変わるよりも、少しずつ積み重ねていく方が自分に合っているのかもしれません。

一つの記事を書く。

一つの経験を言葉にする。

一人の読者に届く。

一つの気づきを残す。

そういう積み重ねの中で、少しずつ形になっていけばいい。

今は、そう思うようにしています。

挑戦は、勢いだけでするものではないのかもしれません。

不安を抱えながら続けること。

立ち止まりながら考えること。

疲れたら休むこと。

それでもまた戻ってくること。

そういう地味な部分も、挑戦なのだと思います。

私は今、挑戦している自分を焦らず育てることにも挑戦しています。

まとめ

私が今挑戦していること。

それは、何か一つの大きな目標だけではありません。

発信を続けること。

自分の経験を、誰かの気づきにつなげること。

AIを使いながら、自分の言葉を失わないこと。

福祉の現場と当事者の間をつなぐこと。

人に頼ることを前より自然にすること。

自分の経験を仕事や価値につなげること。

そして、挑戦している自分を焦らず育てること。

どれも、まだ途中です。

うまくいかない日もあります。

迷う日もあります。

不安になる日もあります。

でも、挑戦とは、最初から自信がある人だけがするものではないと思っています。

不安があるままでもいい。
小さな一歩でもいい。

人に頼りながらでもいい。

道具を使いながらでもいい。

何度も考え直しながらでもいい。

それでも、自分の人生を少し前に動かそうとすること。

それが、私にとっての挑戦です。

もし当事者の方が読んでくださっているなら、挑戦という言葉を重く考えすぎなくてもいいと思います。

外に出ること。

人に相談すること。

必要な支援を伝えること。

自分の気持ちを言葉にすること。

休むことを選ぶこと。

それも、人によっては大きな挑戦です。

家族や支援者、教育関係者、企業の方には、障害のある人の挑戦を、外から見える成果だけで判断しないでほしいと思っています。

小さな一歩の前に、たくさんの不安や準備があることがあります。

一言を伝えるだけでも勇気がいることがあります。

「やってみたい」と言うまでに、長い時間がかかっていることもあります。

だからこそ、その人のペースや背景を見ながら、挑戦を一緒に支えてもらえたら嬉しいです。

私はこれからも、見えない自分の人生を、自分の言葉で少しずつ形にしていきたいです。

その挑戦が、誰かにとって

「自分も少しやってみようかな」

と思えるきっかけになれば嬉しいです。

次回は、「見えない私が未来に期待すること」について書きます。

これからの技術、社会、福祉、働き方、そして人との関わりに、私がどんな期待を持っているのかについて、私なりに書いてみたいと思います。

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