あんたは日本人ちゃうで韓国人やねん!#3

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仕事もホールの仕事は慣れていたので
店主さんに怒られるような失敗も特になかったですし
仲良くなりましたので、
店主さんと他のゲイのスタッフと共に
2丁目に飲みに出たりもするようになっていました。
本当に楽しい職場だったんです。

そちらにお勤めしだして2ヶ月経った頃です。
店主さんから
「タカちゃんは明日からもう来なくて良いよ。」と
突然言われたんです。

店主さんのお達しに驚きと戸惑いを隠せず
動揺しながらも「えっ?どうしてですか?」と聞いてみました。

店主さんから「タカちゃんの仕事の仕方が合わないんだよね。」
そう言われました。
仕事の仕方と言われても
詳しいやり方など店主さんは教えてくれませんでした。

飲食の経験があったので全体的な流れや
自分がやれる事は判断できたので
特に指示がなくても動けていましたし
何も言われず怒られることなかったので
店主さんは安心して任せてくれているものだと思っていました。

私としては、やり方が気に入っていなかったのなら
2ヶ月も黙っていないでちゃんと言って欲しかった。と
一瞬、苛立ちを感じました。

楽しく仕事をできているつもりでしたし
一緒に呑みに行ったりと、
店主さんも私の事を気に入ってくれていると思っていましたから

そして、極め付けに言われたのが
「タカちゃんは僕が思う日本人より日本人だね。
同胞だと思ったけど韓国人じゃないよ。」

長年、在日韓国人として日本でどう生きるのか悩んでいましたから
母国の同胞から「あなたは韓国人じゃない!」そう言われて
とてもショックでした。

自分の仕事が気に入ってもらえてなかった事もですが
何よりも韓国人として一番理解して欲しかった人に
拒絶された感覚。

慣れない東京でやっと見つけた居場所だと思っていたので
絶望の感情が溢れ出てその場で泣き崩れました。

店主さんから解雇と言われれば仕方ないです。
韓国から日本に来た人で個人経営のお店でしたから
日本の不当解雇の様な訴えをしたところで通用しないでしょうから
私は店主さんの申し出を受け入れ韓国料理店を離職しました。

しばらくは人間不審に落ちいりました。
飲食の仕事で解雇などされた事はないですし
どちらかと言うと向いてる仕事だと思っていましたので
晴天の霹靂でした。

更には同じ韓国人から「あなたは韓国人じゃない!」
と言われた事が何よりも辛くて
韓国人そのものへの嫌悪感、不信感も抱きました。

しかし、50代になってからの今の自分が思うと
30代前半の私はまだまだ未熟ですし
少々自信がある業種でしたので余計に
生意気な態度があったのかも知れません。

そして、韓国人に対しての嫌悪感も
その店主さん自身は
日本で稼ぐために来日をされているわけで
人を一から育てるなんて気持ちは
さらさら持ち合わせていなかったんだと思います。

数年後に
新宿2丁目でバッタリその店主さんに会ったことがあります。
その時、店主さんは
「あ〜、タカちゃん!久しぶり〜。元気にしてる?
お店にも遊びに来てね〜!」と上機嫌で声をかけてきました。

私は「あ、どうも〜」と軽く返事だけして
その場を去りましたが
心の中では「ハッ!💢誰が行くものか!」と憤慨しました。

店主さんは私の心の中の葛藤などつゆ知らず
気軽に声をかけてきたんです。
結局、そんなものなんですね。
元々、気分屋の方でしたので
韓国人云々というより彼の性格だったのでしょう。

結局のところ
国籍は韓国人だとしても
本国の人からすると
やはり日本で生まれ育った韓国人は
日本人にしか見えない。と言うのも本音なのだろうと
理解するようになりました。

10代の頃に友人に言われた「森ちゃんは日本人やで!」
韓国人に言われた「あなたは日本人より日本人です。韓国人じゃない!」

それが答えなのかも知れません。
私は日本で生まれて日本の文化と教育で育ちました。
そして日本が好きです。
もし仮に韓国に戻される事があっても
言葉も分からないし韓国の文化も身についていませんので
生きてはいけません。

この頃から
在日韓国人の私は何者なのか?と言う疑問は解かれていき
私は私。韓国にルーツを持つ日本人!で良いのかな。
そう思うようになりました。

結局私は何人なんだ?
そう思い続けて何十年も経ちましたが
きっと私たち在日外国人にしか理解できない立場や教訓が
あるんだと思います。

生粋の韓国人、生粋の日本人には分からない
どちらの国も俯瞰してみられる立場。
その立ち位置を経験するために
在日外国人というポジションに生まれたのかも知れない。
今はそんな風に感じます。

そして40代に入り
帰化(日本国籍を取る)をする事を考えるようになります。

#4に続く















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