見えない病室のリアル。付き添い入院でボロボロの親御さんに、小児科ナースが伝えたいこと
小児科の病棟には、社会からは見えにくい「もうひとつの戦い」があります。
それは、病気と闘う子どもたちのすぐそばで、一緒に寝泊まりをしている親御さんたちの存在です。
「付き添い入院」と聞くと「ただ子どものそばにいるだけ」と思われるかもしれません。
でも、その現実は想像を絶するほど過酷です。
今回は、看護師として日々病棟でご家族と接していた私から「付き添い入院のリアル」と少しでも心と体を休めるためのおすすめアイテムをお話ししたいと思います。
▼眠れない夜と、硬いパイプベッドの上の日常
病室の夜は、決して静かではありません。
定期的に鳴るモニターの電子音。 夜中の点滴の交換。 痛みや不安で泣き出す子どもの声。
親御さんたちは、大人が寝返りを打つスペースもないような狭い簡易ベッドや添い寝で、常に気を張ったまま夜を過ごします。 数時間まとまって眠れることなんて、ほとんどありません。
時には、サークルベッドといい、小さな子どもがベッドから落ちないようにするためのベッドの中で子どもとともに寝る家族もいました。
お風呂も自分のタイミングでは入れず、食事もコンビニのおにぎりやパンを、子どもが寝ている隙に急いで流し込む日々。
「きょうだいは家で寂しがっていないか」「仕事に穴をあけてしまって申し訳ない」という、病院の外への罪悪感にも押しつぶされそうになっています。
そして何より目の前でしんどそうにしている子どもに対して「代わってあげられない」「何もしてあげられない」という無力感と闘いながら、子どもの前では必死に笑顔を作っているのです。
▼ナースステーションから見ている景色
そんな親御さんたちに、私たち看護師がいつも心の中で(時には直接)お伝えしていることがあります。
それは「どうか、全部を一人で抱え込まないでください」ということです。
「私がついていなきゃ」と無理をして、親御さんが倒れてしまっては元も子もありません。
少しの間なら私たちがしっかりお子さんを見ていますし、病院によっては平日だけでしたら保育士がいる病院もあります。看護助手に少しの間見てもらうことが可能なところもあります。
その間に温かいコーヒーを買いに行ったり、外の空気を吸いに行ったりしていいんですよ。
私たちは、お子さんの病気を治すためだけでなく、一緒に闘う親御さんを支えるためにここにいます。
辛い時は「辛い」、眠い時は「少し寝たい」と、遠慮なくナースコールを押してくださいね。
▼付き添い入院を少しでも快適にする「お守りアイテム」
とはいえ、病室という特殊な環境で休むのは難しいものです。 そこで、過酷な付き添い入院の環境を少しでもマシにしてくれる、現場のナース視点での「本当に役立つ便利アイテム」を3つご紹介します。
もし、これから付き添いをする方や、お知り合いに付き添い中の方がいれば、ぜひ参考にしてみてください。
1. 「3メートル」の長いスマホ充電ケーブル
え?充電ケーブルが便利アイテム?と思った方は多いと思います。
実は病室のコンセントは、ベッドから微妙に遠い位置にあることが多いんです。短いケーブルだと、寝転がったままスマホを操作できません。
更に、近くにコンセントがあったとしても医療機器用に使用する可能性があるため、使用を控えてもらうように声掛けさせてもらっていました。
(特に赤いコンセントなどは停電時でも使用できる非常用電源である可能性が高いため、使用を控えてもらうことが多いです☆)
そのため、外部との唯一の繋がりであるスマホを快適に使うために、2m〜3mの長い充電ケーブル(Ankerなどの丈夫なもの)は必須アイテムです。
2. めぐりズム「蒸気でホットアイマスク」
病室は、夜でも常夜灯や廊下の光で意外と明るいです。
更に、輸液ポンプや人工呼吸器などの明かりはチカチカと光っており、目をつむっていても睡眠を妨げることが多いです。
アイマスクは光を遮ってくれるだけでなく、温かさがガチガチに緊張した親御さんの神経を強制的にリラックスさせてくれます。 短時間しか眠れない時こそ、睡眠の「質」を上げる強い味方です。
3. お湯を注ぐだけの「フリーズドライのお味噌汁やスープ」
冷たいコンビニ弁当ばかりだと、心まで冷えてしまいます。
アマノフーズなどの美味しいフリーズドライのお味噌汁や、ちょっといいインスタントスープがあるだけで、ホッと息をつける時間が生まれます。お湯は病棟の給湯室で調達できることが多いので、とても実用的です。
更に、フリーズドライは保存がきくため長期入院にも約に立ちますし、スペースを取らないため狭い病室でも保管することができます。
付き添いをしていると夜間とかにお腹がすくことがあります。
コンビニまでは遠いし、なにより子どもを置いて病棟外に出るのに抵抗がある人にとって手軽に小腹を満たせるフリーズドライは便利アイテムといえるのではないでしょうか。
▼最後に
病気と生きるということは、子ども本人だけでなく、ご家族全体の生活が大きく変わるということです。
社会全体で付き添い入院をするご家族へのサポートがもっと広がることを医療者として心から願っています。
ひとりで悩まず、誰かに気軽に相談できる場所がここでありますように。
【皆さんの声を聞かせてください!】
📝 付き添い入院を経験された親御さんへ: 「あの時、これが一番辛かった」「こんな工夫で乗り切った」「この差し入れが嬉しかった」というエピソードはありますか?
📝 医療関係者、学生の皆さんへ: ご家族をサポートするために、意識している関わり方はありますか?
今後の発信や、より良い小児看護の追求のために、皆さんのリアルな声をぜひコメント欄で教えてください。お待ちしています!
