夜中の「お熱出た!」で慌てないために。小児科ナースが教える、おうち看病の3つの観察ポイント
夜中、隣で寝ている子どもの体がやけに熱い。 慌てて体温を測ると「39.0℃」の表示……!
「どうしよう、救急外来に行くべき!?」
「脳に影響が出たらどうしよう!?」
親御さんなら誰しも、子どもの急な発熱にはハラハラしてしまうものです。
はじめまして。大学病院の小児外科病棟で働いてきた現役ナースで、現在は小児の専門看護師(CNS)に向けて勉強中の「子供と親のそばにいる看護師」です。
夜中の急な発熱。結論から言うと、
まずは深呼吸して、慌てなくて大丈夫です。
今回は、夜間の発熱時に親御さんがパニックにならず、落ち着いてお子さんを守るための「ナース流・観察ポイント」をお伝えします。 少しだけ医療の言葉も交えながら解説するので、いざ病院に電話するときの参考にしてみてくださいね。
▼体温計の「数字」に振り回されないで
まずお伝えしたい一番大切なこと。
それは、「熱の高さ=病気の重症度」ではない、
ということです。
子どもは、ちょっとした風邪のウイルスでも、大人では考えられないような高熱(39℃〜40℃)をポーンと出すことがよくあります。
これは、子どもの体がウイルスと一生懸命戦っている証拠です。
私たち小児科の看護師は、熱の高さそのものよりも、「熱以外の全身の状態」をよく観察しています。
▼ナースが診ている「3つの観察ポイント」
私たち医療者は、パッと見た時の第一印象をとても大切にしています(これを専門用語でPAT:小児初期評価トライアングルと呼びます)。 おうちで確認してほしいのは、以下の3つです。
① 見た目の様子(外観・意識レベル)
まずは、いつもの様子と違うところがないかを見ます。 例えば、熱が高くても『声をかけたら目が合う』『おもちゃに反応する』『泣き声に力強さがある』なら、ひとまず安心して大丈夫なサインです。
逆に『視線が合わない』『ウトウトして声をかけても起きない』『ぐったりしている状態』などは、医療現場では「意識レベル(意識状態)の低下」や「活気がない」と表現し、注意深く観察するサインとしています。
② 息づかい(呼吸状態)
服を少しめくって、胸やお腹の動きを見てみてください。 息をするたびに、鎖骨の上のくぼみや肋骨の間がペコペコと凹んでいないでしょうか?
これを医療用語で「陥没呼吸」と呼び、呼吸が苦しい時のサインです。
また、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という苦しそうな音(喘鳴:ぜんめい)がしていないか。
そして、唇や顔の色が紫色っぽくなっていないか。この紫色の状態を「チアノーゼ」と呼び、体に酸素が足りていない緊急のサインとなります。
③ 水分がとれているか(循環・脱水)
高熱の時は、ご飯は食べられなくても構いません。
ですが、お水や経口補水液をスプーン1杯ずつでも飲めているかが重要です。
「半日以上おしっこが出ていない(尿量減少)」「泣いているのに涙が出ていない」「お口の中がカラカラに乾いている」という時は、体の中の水分が足りなくなる「脱水症状」が進んでいるサインです。
▼迷った時の「緊急サイン」(受診の目安となるサイン)
基本的には、上記の3つのポイントがクリアできていてスヤスヤ眠れているなら、夜間に無理に救急外来に駆け込む必要はありません。翌朝、かかりつけの小児科を受診しましょう。
ただし、以下のような「緊急サイン」がある場合は、夜間でも迷わず救急外来(またはこども医療電話相談:#8000 など)を頼ってください。
けいれん(ひきつけ)を起こしている、または、けいれんが5分以上止まらない
呼びかけても全く反応しない(意識レベルの低下)
呼吸が明らかに苦しそう、唇の色が紫色になっている(陥没呼吸・チアノーゼ)
水分が全く取れず、半日以上おしっこが出ていない(重度の脱水)
生後3ヶ月未満の赤ちゃんの発熱(38℃以上)
▼ナースおすすめ!おうち看病の「お守りアイテム」
いざという時のために常備しておきたい、おすすめの看病アイテムをご紹介します。これがおうちにあるだけで、親御さんの心の余裕が全然違いますよ。
1. 経口補水液(OS-1やアクアライトなど)
ただの水やお茶よりも、失われた水分と塩分を素早く吸収してくれます。「OS-1 ゼリータイプ」なら、飲み込むのがしんどい時でもツルンと食べやすく、こぼれにくいので夜中の水分補給にとても便利です。
2. 脇の下や太ももの付け根を冷やすグッズ
熱を下げたい時は、おでこよりも太い血管が通っている「首周り」「脇の下」「足の付け根(そけい部)」を冷やすのが効果的です。専用の「わきの下専用冷却バンド」などが市販されているので、保冷剤と一緒に用意しておくと、ズレにくくて大変重宝します。
▼最後に
どんな子でも「うちの子、大丈夫かな?」と不安になる瞬間は、どの親御さんにも必ず訪れます。夜中に一人で看病していると、孤独で泣きたくなることもありますよね。
でも、あなたは一人じゃありません。お子さんのちょっとした変化に気づけるのは、いつも一番そばにいる親御さんだけです。あなたのその観察が、お子さんを守る最大の力になります。
この場所が、ひとりで抱え込まないための「心地の良い場所」になれたらうれしいです。
余談ですが、
私が今回の記事を書く上で参考にしたものであり、個人的に勉強で活用しているおすすめの本を載せています!
〇一般の方向けにイラストを用いてわかりやすく解説している本です!
子どもの体調不良で困ったときにこの本があったら安心できるものだと思いました!
〇小児関係の看護師にはこの本がいいと思いました!
上でも書いたPATについて、観察項目や迅速な対応まで論理的にわかりやすく書いています!
その他にもアメリカ心臓協会(AHA)が開発しているPEARS(ペアーズ)やPALS(パルス)などを受講し、小児救急に対する知見やスキルの向上も可能です!
(小児版BLS、ALSみたいな感じです!)
※私もそろそろ期限が切れるので再受講をしに行こうと思っています(笑)
値段はかなり高いですが、インストラクターが映像や専用の教本を用いてわかりやすく教えてくれるので、個人的には受講してよかったなと思いました!
※本記事の医療情報について
この記事は、日本小児科学会のガイドライン等に基づき、ご家庭向けに分かりやすく解説したものです。
ただし、お子さんの状態は一人ひとり異なります。少しでも「いつもと違っておかしい」と感じた場合は、迷わずかかりつけ医や「こども医療電話相談(#8000)」にご相談ください。
【皆さんの声を聞かせてください!】
📝 親御さんへ: 夜中にお子さんが熱を出した時、一番焦ったことや、「これがあって助かった!」というアイテムはありますか?
今後の発信の参考にさせていただきたいので、皆さんのリアルな声をぜひコメント欄で教えてくださいね。
