デザイナー/クリエイター/カメラマン 必見! 画像生成AIを先駆ける著作権クリアの安心安全プラットフォーム ~ストックフォト AI~

こんにちは。STUDIO55技術統括の入江です。
ジェネレーティブAI を使用する際に問題となるのが、著作権や知的財産権の問題です。特に日本では、そのような問題への懸念から、AI の普及が遅れてきた現状があります。
Adobe(アドビ)は、自社の Adobe Stock の膨大なストックフォト素材を AI に活用することで、著作権や知的財産権の問題をクリアにする取り組みを通し、クリエイター間で「Adobeは安全」「商用利用可能」という認識を広く定着させました。
Adobe をはじめとする 各 ストックフォトサイト は、長年にわたって蓄積してきた素材提供のノウハウを活かし、次世代の展開で新たな 財産的価値 を生み出しています。その一環として、AI との連携が進化し、多様な形でのコラボレーションが実現しています。
今回は、ビジネスシーンでの利用を検討する際に参考となる、安心・安全を掲げる画像生成 AI プラットフォーム『ストックフォトサイト AI』を紹介します。
また、メジャー な ストックフォトサイト について整理した内容となっていますので、素材利用のためのサイト選定の際に、ぜひお役立てください。
● Shutterstock(シャッターストック)
shutterstock(シャッターストック) は 2003年に設立され、最初は ストックフォト の プラットフォーム としてスタートしました。
そこから写真だけでなく、イラスト、ベクター画像、ビデオ、音楽トラックなど、幅広いデジタルコンテンツを提供するプラットフォームへと進化し、今や クリエイティブ業界全体にとって重要なリソース となっています。
世界中のクリエイターからコンテンツを集めるライブラリは、数億点に及ぶ膨大な規模で、多様なニーズに応えるため、毎週新しいコンテンツが追加されています。
以前、音楽コンテンツの紹介をした中で取り上げた、『PremiumBeat』は、Shutterstock の傘下にある ロイヤリティフリーミュージック の ライブラリ です。
PremiumBeat の参加により、Shutterstock は視覚的なコンテンツだけでなく、音楽トラックも含む 総合的なデジタルコンテンツの提供者 としての地位を強化しています。
🪄Shutterstock.AI
Shutterstock は、AI技術を取り入れるために OpenAI と LG と提携しました。両社の革新的な画像生成AIシステム「DALL-E 2」と「EXAONE(エグザワン)」を活用し、AIコンテンツの提供を行っています。

~Shutterstock vs Adobe~
世間一般には Adobe が AI 分野の先駆者として認識されることが多いですが、実は Shutterstock の方がいち早く AI 技術を導入しています。
Shutterstock .AI は 2021年 にリリースされており、AdobeのAI「Firefly」よりも早いリリースです。
👉AdobeのAI「Firefly」が正式にリリースされたのは、2023年3月のことです
したがって、Shutterstock .AI の説明には、このように掲載されています。
Shutterstock AIによって生成された画像のみが、商用使用に対して安全であることが保証されています。これは、当社のAIが倫理的に構築され、独自のデータに基づいて訓練されているためです。Shutterstockには、すぐに使い始められるようにリソースもあります。
We answered the questions for every image generated by AI. より
Shutterstock の取り組みは、他のストックフォトサイトと比べて特に早く、"パイオニア的存在" として認識されています。
その意味で、Shutterstock の画像を学習ベースとする DALL-E 2 や EXAONE も、いち早く安心・安全を重視した AI ジェネレーターとしてのスタンスを確立した AI プラットフォームとも言えるでしょう。
Shutterstock では、AI生成モデルにクリエイターの作品が使用された場合の報酬制度 も早々に設けています。このニュースリリースは多くのメディアで取り上げられ、業界内で注目を集めました。
Shutterstockの寄稿者には、このテクノロジーの開発において自分のコンテンツが果たした役割に対する報酬が支払われます。当社が設立したShutterstock寄稿者ファンドにより、DALL-E 2やEXAONEなどのAI生成モデルの開発に寄稿者の知的財産が使用された場合、Shutterstockの寄稿者は直接報酬を受け取ることができます。さらに、Shutterstockは、ShutterstockのAI生成画像ツールを通じてAIが生成したコンテンツの今後のライセンス取得についても引き続き寄稿者に報酬をお支払いします。
Adobe も AI 技術を活用したコンテンツ生成やクリエイター支援に取り組んでいますが、Shutterstock は報酬制度をいち早く導入することで、クリエイターの支持を獲得しました。
Shutterstock がクリエイターへの報酬を提供する基金の新設を発表したのは 2022 年 10 月のことです。一方、Adobe が AI 生成モデルのトレーニングに使用した場合の報酬制度を実施したのは 2024 年であり、「Firefly コントリビューター ボーナス」として、同年 9 月 17 日に初回の支払いが行われました。
これらの取り組みは、AI 技術の進化とともに、クリエイターの権利と利益を守るための重要なステップといえるでしょう。
使用内容について
Shutterstock .AI は、あくまで無料使用やお試しはなく、有料課金のみの使用 です。
👉 ストックフォト における生成AIは、著作権を保護する目的で使用されるため、基本的に無料で使用する考え方と異なります。
幅広いデジタルコンテンツを利用するプラン設定がありますので、それぞれの使用ニーズに合わせて選択すると良いでしょう。
デモ操作している YouTube 動画 をリンクしておきます。
Shutterstock の豊富なコンテンツや機能を使って画像加工までできるようです。参考にしてください。
🌟Shutterstock + nvidia
2024年8月、Shutterstock は、NVIDIA Edify(エディファイ) を搭載した 3Dアセット生成サービス を発表しました。このサービスでは、3Dモデル生成、HDRI生成、PBRマテリアル生成 が含まれています。

テキストと画像を使ったプロンプトを活用することで、3D アセットのプロトタイプを迅速に作成でき、さらにシーンで使用する 360 HDRI 画像の生成も可能です。驚くべきことに、HDRI 画像 は 8K および 16K 解像度での生成が可能です。
こちらは 提供元の NVIDIA のページでお試しができますので、リンクを紹介しておきます。
・Shutterstock / edify-3d

・Shutterstock / edify-360-hdri

Shutterstock は AI技術 を積極的に活用して、その利益をクリエイターと共有することで、持続可能な クリエイティブ エコシステム を構築しており、利用者のみならず、クリエイターにとっても、注目の集まるプラットフォームです。
● Getty Images(ゲッティ イメージズ)
Getty Images (ゲッティ イメージズ)は、1995年に Mark Getty と Jonathan Klein によって設立されました。
競合企業や関連サービスを積極的に買収することで急速に成長した企業です。
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、「オンラインストックフォトプラットフォームの先駆者」として、デジタルメディアの提供と販売の標準を確立しました。
高品質なビジュアルコンテンツ の提供に注力し、クリエイティブコンテンツ、ニュース、スポーツ、エンターテインメントなど、多岐にわたるカテゴリーをカバーしているため、テレビ放送などで『写真提供:ゲッティ』と表示されるのを目にする機会も多くあります。
🪄生成AI by Getty Images
ゲッティイメージズ は、昨年2023年9月に 『生成AI by Getty Images』 と呼ばれる画像生成AIツールを発表しました。

これは、NVIDIAのクラウドAIであるNVIDIA Picassoを使用したものです。
👉2024年9月に「NVIDIA Picasso」の名称は「NVIDIA Edify」に変更されました。

デジタルマーケティング や 広告業界 では、迅速に高品質なビジュアルコンテンツを生成する需要が高まっており、生成AI by Getty Imagesは、こうしたニーズに応えるために開発されました。
Getty Images の豊富なデジタルコンテンツライブラリを活用して、ユーザーが簡単に 高品質なビジュアルコンテンツを生成 できるように設計されています。
ビジネスで安心して使えるように構築されたモデル
ゲッティイメージズの最高級クリエイティブコンテンツのみでトレーニング。
商用でも安全。—第三者の商標や肖像権を含む画像の生成や、問題のある結果(ディープフェイクなど)の生成を防ぐために、許可されたデータのみでトレーニング。
「試用版を希望する」からリクエストを行い、トライアルアクセスを行います。トライアル期間や制限の詳細は記載されていませんが、サービスを評価する十分な機会を提供するように設計されているようです。
また、先ほどの Shutterstock .AI 同様、クリエイターが著作権を保護しつつ利益を得られる仕組みを構築しており、クリエイターとユーザーの双方が利益を得られるエコシステムを目指しています。
🌟gettyimages / edify-image
Gettyimages も、NVIDIA Edify を使って AIサービスの強化を行っています。
Edify の使用は、NVIDIA DGX Cloud を使用するため、これまでの画像生成速度が2倍になり、更に 出力品質を向上させる高度なコントロールを提供した ファインチューニングを可能にしています。

こちらも、NVIDIA のサイトでお試しができますので、リンクを紹介しておきます。

● iStock(アイストック)
iStockphoto(現在はiStockとして知られる)は、2000年に設立され、初期のオンラインストックフォト市場においてパイオニア的な存在でした。
クリエイターが自分の写真をアップロードし、購入者がそれをダウンロードして使用できるというモデルをいち早く取り入れた企業として知られ、「マイクロストック」モデルの導入で、より多くのユーザーにアクセス可能な価格帯で画像を提供することにより、ストックフォト市場を民主化 しました。
👉 マイクロストック : ほぼインターネット上でのみ取引され、従来のストックフォト市場に比べて低価格で画像を提供する写真のこと。
2006年、iStockphotoはGetty Imagesに買収されました。
この買収により、iStockphoto は業界のリーダーである Getty Images のリソースとネットワークを活用できるようになり、さらに市場での地位を強化しました。
🪄iStock の生成AI
iStockの生成AIサービスは、2024年の1月からスタートされたものです。
2024年1月 の ゲッティイメージズ ジャパン株式会社 のプレスリリースは以下になります。

こちらも、先ほどのGetty Images 同様、NVIDIA Picasso(NVIDIA Edify)を搭載したものです。
Getty Images と iStock の膨大なストックフォトを学習した AI が、プロ並みの写真を生成できると話題になっています。これにより、権利問題を気にせず商用利用が可能となるのは驚きです。
今後は、プロのカメラマンが撮影に行かなくても済むケースが増えるかもしれません。
こちらも著作権関係を保護しているAIであるため無料使用はできませんが、実際にiStock の生成AIを使用しているユーチューバーがいますので、その動画を参考にリンクしておきます。
みなさんはどちらがAIで、どちらが本物の撮影か見分けがつきますか?
● Adobe Stock(アドビ ストック)
冒頭にお伝えした Adobe について、追加してお話します。
Adobe Stock は、Adobe Systems が提供する オンラインストックフォトサービス で、2015年に正式にリリースされました。
リリース当初から、Adobe Creative Cloudのアプリケーション(Photoshop、Illustrator、InDesign など)と シームレスに統合 されており、ユーザーが直接アプリケーション内からストックフォトを検索、ライセンス、および管理することができるようになっています。
他のストックフォトサイトと一線を画すのは、Adobe Creative Cloudとのシームレスな統合です。この統合により、他のストックフォトサービスと比べて大きな利点を持ちます。
Adobe Sensei
Adobe の機械学習プラットフォーム『Adobe Sensei』を活用し、Adobe Stock ではスマート検索、オートタグ付け、コンテンツのレコメンデーションなどのAI技術を駆使して、ユーザーエクスペリエンスを向上させています。これにより、ユーザーは必要なコンテンツを迅速かつ正確に見つけることができます。
Adobe Sensei は、Adobe製品全体にAIと機械学習の機能を提供する基盤となっています。

👉 Adobe Firefly や Photoshop の Generative Fill も、Adobe Sensei のAI技術に基づいていますが、独自のブランド名で提供されているものです。
Adobe は 2024年11月12日 に、AIツールを Adobe Stock のサービスに統合し、顧客がストック画像をAIで加工・生成する際、元のクリエイターに対しても報酬を支払う仕組みを導入しました。
「Firefly」のトレーニングデータとは別に、「Adobe Stock」の画像を加工・生成した際にも、元のクリエイターに対して報酬が支払われます。
*
単にストックフォトや動画などのリソースを扱うにとどまらず、それらを活用するビジュアル制作の現場では、Adobeの威力は圧倒的 です。
豊富なコンテンツと高度なAI機能を提供し、商用利用における安心感を提供することで、Adobe Stock は業界内で強固な地位を確立しています。
⚠著作権問題の改善の現状
C2PA
Adobe(アドビ)は、2021年2月に、Intel、Microsoft、Truepic の4社共同で、技術標準化団体(C2PA)を立ち上げました。
C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)は、コンテンツの信頼性と透明性を確保することを目的に、コンテンツに対する起源や変更履歴などのメタデータを信頼性のある形で追跡できるようにします。
これにより、さまざまなプラットフォームやツールがC2PAの基準を採用し、互換性のあるシステムを構築できることが可能になります。
デジタル操作やフェイクニュースが増加する中、コンテンツの信頼性を確保し、偽情報やデジタル操作による問題を防ぐことが可能な取り組みは、現在、広範な業界での採用が進んでいます。

C2PA の仕組みでは、画像編集の来歴が記録でき、改ざんできない暗号化技術により関連付けられることによって、来歴に署名した主体の身元を証明し、第三者によるなりすましを防ぎます。視聴者やユーザーは、コンテンツがどのように生成され、どのような過程を経て現在の形になったのかを確認できるため、不正や偽情報の拡散を防ぐことができます。
C2PAには約100社が参加しており、さまざまな業界からの企業が連携しています。
2024年2月 に Google が運営委員会のメンバーに加わったことは、この標準化団体の影響力と信頼性をさらに高める重要なステップとなりました。Googleの参加は、C2PAがデジタルコンテンツの信頼性確保に向けてさらに広範な支持を得ていることを示しています。
生成AIによる著作権絡みの問題は、
「AI生成物を自分の創作と偽ってごまかす」
「著作権侵害の際に、自身が制作した作品であるのを伏せてAIが生成したと虚偽の主張を行う」
といった「僭称問題」や、プライバシー侵害につながる可能性、オリジナル作品に対する「派生作品」の見解問題、あるいはこれまでにない新しい著作権問題が発生する可能性など、さまざまです。
C2PA に関する期待感は高いものですが、これですべての問題を完全に防げるかどうかはまだ不明です。
例えば、コンテンツ生成時にC2PAの標準が適用されていない場合や、悪意を持ったユーザーがメタデータを意図的に削除する場合には、C2PAの保護範囲外となる可能性があります。
また、C2PAの技術標準が業界全体で広く採用される必要がありますが、全ての関係者がこれに従うかどうかは依然として課題です。
したがって、C2PAに加えて、他の法的措置や技術的対策との組み合わせが必要になってくるものと思われます。
👉 「ImageFX」について書いた内容で、ImageFXには、”埋め込み型透かし”「SynthID」が搭載されていることをお伝えしました。
これは、そのような C2PA による画像生成AIの履歴を追うメタデータが悪意によって削除される可能性を踏まえ、Google DeepMind が独自に開発した防止策の1つです。この ”透かし” は、メタデータが失われても検出可能です。
*
いかがでしたでしょうか。
大手のストックフォトサイトが続々と AI機能 を搭載している現状をお伝えしました。これらのサイトは、ジェネレーティブAIの使用に関する問題を解決し、商用利用が可能 であることを明確に示しています。
目的の画像を検索するだけでなく、AIでイメージを生成し、本物と見分けがつかないクオリティの画像を活用することで、業務に役立てることが可能 です。
みなさんの ワークフローの一端となれば幸いです!
