9月27日 女性ドライバーの日 【SS】愛しすぎた人(4.不審な車)
日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。
【今日は何の日】- 女性ドライバーの日
1917年(大正6年)のこの日、栃木県の渡辺はまさん(23歳)が、日本の女性として初めて自動車試験に合格し、運転免許を取得した。
現在では、女性が免許証を持ち、車を運転することは特別なことではなくなった。また、バス・タクシー・トラックなど幅広い分野において女性ドライバーが活躍している。一方で、自動車保険金の請求状況からみると、女性が2倍の確率で追突事故を起こしている。また、運動協調性と空間認識に関係して、駐車が苦手な女性が多いとの研究結果もある。性別に関係なく安全な運転を心掛けることが大切である。
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【SS】愛しすぎた人(4.不審な車)
証刑事と縁梨刑事は、監視カメラの映像を確認するために最寄りの警察署に行った。警察署には近辺の地図が貼ってある。証刑事は地図をじっと見ながらあることに気がついた。
「縁梨刑事、これ見てください。この道、繋がってますね」
「えっ、あぁ、本当だ。別荘から伸びている道は、キャンプ場の後ろの森の側に繋がっているんですね。ということは」
「そういうことですね。別荘地帯から人に見つからずにキャンプ場の後ろの森まで何かを運ぶのにはもってこいの道ですよ」
「ということは、やはり現場は被害者の常夏さんが住んでいた別荘でしょうか?」
「その可能性が高くなりましたね。とりあえず、ここ数日間の監視カメラの映像を確認しましょう。車は少ないはずなので、すぐに確認できると思います」
映像の確認をしようとしていた時、証刑事のスマホが鳴り縁梨刑事と共有するためスピーカーホンにした。
「もしもし、鑑識の錦織です。被害者宅のテーブルの一角から血液反応が出ました。被害者本人のものと特定できました。それから、死亡時刻なんですが、何ともかわいそうですが、埋められたあとに死亡したようです。直接の死因は窒息死です。二日前の未明ということになります。なので埋められたのは、二日前の午前二時ごろから五時ごろの間である推測できます」
「解りました。ということは、後頭部を強打したのは故意だったか事故だったのかどうかははまだ不明ですが、直接の死因は埋められたことによるものなんですね。これで殺人事件として確定された訳ですね」
やりとりを聞いていた縁梨刑事はカメラ映像の確認の手を止めて、何ともやるせない表情でスマホを切った証刑事に話しかけた。
「もしかして、頭を打った時に救急車を呼んでいれば、助かった可能性はあるのかもしれませんね。もし、故意でなく後頭部を打っていたんだとしたら悲しすぎる結末ですね。殺人罪に問われてしまうのですから」
「そうですね。その辺りの事情も明らかにしていきましょう。まずは、犯人確保優先です」
縁梨刑事は、画面と睨めっこしながら、二日前の未明に写っている車の映像を確認する作業に取り掛かっていた。もしかしたら、それ以前に写っている車も関係しているかもしれないと考え、念の為に夕方からの映像からチェックしてみた。すると、別荘の持ち主である別所が乗っているジムニーも写っているが、どうやら買い物に出掛けていたようだ。すると、それを待っていたかのように、骨董屋の軽トラックが到着し別所を拾って常夏が住んでいる別荘に向かい、車が止まった。それより先はカメラの範囲外なので写ってはいないが、滞在時間は三十分程度だったようだ。その後、しばらくして一台の赤いSUV車が常夏の別荘の前に停車した。運転しているのは、細めの女性で年の頃三十代後半に見える。髪はポニーテールにしており、サングラスをかけている。陽が沈む六時過ぎには車が出て引き返していった。ここまでは、キャンプ場の後ろの森につながる道へ走り去った車はいない。
映像はその後夜の映像となり、色が判別しにくいが、ナンバープレートは何とか確認できそうである。それに数少ない街灯の下を通っている様子は運転席の人の顔も何とか識別できそうである。あまり期待してはいなかったが、このくらいの解像度があれば後は車を見つけるだけだ。すると、夕方帰っていったSUV車が再度、常夏のところにやってきた。やはり運転手は女性で暗くなったからかサングラスはかけていない。今度は一人ではなく後ろの席まで人が乗っている。それから数時間後の午前零時過ぎに車は戻っていった。そして、午前三時前、再び同じSUV車がやってきた。間違いなく同じ女性が運転している。助手席には誰もいない。数十分後、SUV車はキャンプ場後ろの森方面に向かう道へと走り去っていった。証刑事と縁梨刑事は目を合わせて「見つけた」と合図を送り合った。
縁梨刑事は、証刑事に言われるまでもなく、車のナンバーから持ち主特定の依頼をしていた。ちょっと得意げな顔になってはいたのだが、ふと、疑問が縁梨刑事の脳裏に浮かんだ。
「証刑事、別所さんは確か緑色のSUV車と言ってませんでしたか? しかし、我々が見つけたのは赤い車です。わざと偽証したのでしょうか?」
「いいえ、別所さんは自分の目で見たままを話してくれたと思いますよ。あの人は色弱なので緑と赤の色の認識がよくわからないのだと思います。紅葉の話で気づきました」
「えっ、そうだったんですね。紅葉の話なんて全く覚えてませんでしたよ、僕は」
「それより、この女性ドライバーの素性が気になりますね。被害者とはどういう関係だったのか。そして何より、被害者を車に乗せて運んで埋めるということが、この女性一人でできたのかということも疑問ですね。それともう一つ、夕方、別荘の持ち主の別所さんと骨董屋の古絵さんが一緒に被害者宅を訪れていたというのも気になります。二人とも、そんな話は全くしてませんでしたから」
証刑事と縁梨刑事は怪しい車の持ち主が判明次第、訪問しようと考えていた。そして、次の日、運輸局のデータベースから持ち主が特定され、隣町に住んでいる片付左右という男性のものであると判明した。そうなると運転していたのは、片付の妻か恋人か何らかの関係がある女性だと想像された。翌日、早速訪問したが片付の整理整頓と綺麗好きのこだわりには驚かされることになる。
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