R.I.P. Ozzy Osbourne
オジー・オズボーンが亡くなった。享年76歳。僕が子供の頃からずっと一線で活躍して、世界中の人々をずっと楽しませ続けた。2025年7月5日の“Back To The Beginning”で最後の圧倒的なライブ・パフォーマンスを努めて、すぐに活動の場をあの世に移してしまった。そこが天国か地獄か判らないけれど、どちらでもきっと大歓迎されることであろう。
オジー・オズボーンの歌声は唯一無二であった。世界中の誰一人としてあんな風に歌える人はいなかった。それを云ったらブラック・サバスのメンバーがそれぞれ唯一無二で、あんな風に演奏出来るバンドは全く現れなかった。オジーが抜けてロニー・ジェイムス・ディオが加入した時はビックリしたけれど、ブラック・サバスはちゃんとブラック・サバスとして生き続け、オジーはソロとして新境地を開拓した。ランディー・ローズと云うこれまた唯一無二なギタリストと出会って、至高のサウンドをこの地球にもたらした。オジーはオジーであり続けた。
生で一度だけオジーを観た。2013年5月12日、幕張メッセでの"Ozzfest"2日目。途中からだが、Steel Panther、人間椅子、Stone Sour、DIR EN GREY、TOOLに続いて、最後はサバス。感動した。チューニングが1音だか1音半下がっていたけれど、War PigsでN.I.B.でParanoidだった。観に行けて良かった。心から良かったと思う。こんな月並みなことしか云えないけれど、良かった。
映画「リトル・ニッキー」の一番良いところで登場して、コウモリの首を囓った場面で僕は大喝采してしまった。オジー・オズボーン最高である。以下は僕が聴き込んだアルバムをちょっとだけ紹介する。

1970年2月13日の金曜日に発売されたファーストアルバム。ファーストにして完璧。バンド名と同じ曲名Black Sabbath、僕が一番好きな曲N.I.B.が収録されている。もうデビューにしてオジーはオジーで、これ以上はないと云うくらいにオジーの歌声が響く。N.I.Bイントロの「オーイェー」はビートルズもエルヴィスも到達し得なかった未知なる高次空間に達していると思う。

完璧を超えてしまったセカンドアルバム“Paranoid"。このA面(アナログレコードね)は何百回も繰り返し聴いた。ギターだけでなくサウンドの隅々まで聴き込んだ。有名曲が目白押しだけれど、一番ヤバイのはPlanet Caravan。オジーの声にロータリーエフェクトがかかって全くオジーではないように聞こえるけど、これが最高にオジーである。

このサードアルバムからギターとベースのチューニングが1音半下がった。サウンドは暗く不穏で重たくなったけれど、僕はレギュラーチューニングのサバスの方が好きだ。Into the Voidも良いけれど、やっぱりChildren of the Graveがイイ。墓場の鬼太郎か。ショートディレイのかかったオジーの歌声がシャープである。曲の最後にちゃんと墓場の音がしている。おばけだぞー。

4枚目のアルバムはあまり深く聴き込んではいない。サウンド的にバランスが悪いような気がしたので、没入できなかった感じだ。ただ今聴くとSupernautとか素晴らしいし、Changesは後のオジーのソロにも通底するような出来映えである。でもSnowblindがベスト。オジーの歌声が虚空に響き渡る。

僕が一番最初に聴いたブラック・サバスの曲はこの5枚目のタイトルトラック、Sabbath Bloody Sabbath(邦題:血塗られた安息日)である。多分中学1年生だったと思う。リフに伴うギターピッキングのノイズがコキコキ聞こえるのが当時からずっとずっと気になって仕方がない。曲後半でリフがウルトラ低域になってオジーの歌声が逆に最高音で突き抜けるのが最高である。歌い終わりの「イェー」もバッチリだ。

あまり語られることのない1975年発表の6枚目であるが、ギターサウンドが格段に良くなっているのと、レコーディングのバランスもとても良いアルバムだと思う。Hole in the Skyの馬力溢れるパワフルさも、Symptom of the Universeの音程はそこで良いのか合ってるのかの感じも、オジーならではである。ちなみに7枚目以降はあまり聴いていないので、オジーのソロの方に話を移すことにする。

1978年にオジーはブラック・サバスを脱退してソロに転身。そのファーストアルバムがこの1980年発表の“Blizzard of Ozz”。ランディー・ローズと云う稀代のギタリストの参加を得てオジーは再びスターダムにのし上がった。1曲目のI Don't Knowからしてもう完璧なる復活。2曲目のCrazy Train冒頭での高らかな笑い声。3曲目Goodbye to Romance、B面1曲目のMr. Crowleyも見事にオジーでオジーでオジーである。ランディーのギターが天使で、オジーが悪魔と云う構図が売りではあったが、良く聴くとランディーのバッキングサウンドはかなりお下品に響くところもあり(僕はそれこそが美点だと思うが)オジーの歌声がイノセントに思えたのだ。サバスのファーストのN.I.B.の「オーイェー」と、Crazy Trainの「アイ・アイ・アイ・アイ」とが僕の中で繋がった。サイコーでサイキョー。オジーブラボー。

僕が“Paranoid"に負けず劣らず聴き込んだのがこのオジーのソロ第2作、1981年発表の“Diary of a Madman"である。僕はこのアルバム丸ごと何度も何度も聴いて、コピーしてコピーしてコピーしまくった。1曲目のOver the Mountainに至っては当時ギターのみならず冒頭のリー・カースレイクの3連ドラムフィルまでコピーした。オジーもランディーも最高なんです。しかしそれを超えるのが2曲目のFlying High Againなんです。こんなにスゴイ曲はない。完璧ではないのに、雑なところがいっぱいあるのに、完璧を余裕で超えている。「オーナウ、ヒアウィゴーナウ」だぜ。フェイドアウトがチョー長いぜ。そしてYou Can't Kill Rock and Rollだぜ。今聴いていて何だか涙がちょちょ切れたぜ。62歳だぜ。オジーありがとう。本当にありがとう。心から感謝します。ロックンロール。オーイェー。アイラブユー。
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