受け止める
受け止める
作者 大野好克
「それは、おかしいと思います」
そう言われた。
PTAの役員をしていた頃の話だ。
何かを決めると、
必ずと言っていいほど、
反対する人がいる。
まあ、
人間ですから。
十人いれば、
十通りの考え方がある。
当然だ。
だから、話を聞く。
とことん聞く。
なぜ、
そう思うのか。
何が、
気に入らないのか。
ちゃんと聞く。
でも、
聞いたからといって、
その通りにするわけではない。
ここが、難しい。
「みんなの意見を受け入れましょう」
と言うのは、簡単だ。
でも、
それをやっていたら、
何も決められなくなる。
では、
どうするのか?
私は、
「受け止める」
という言葉が、
若い頃から好きだった。
受け入れるのではない。
受け止める。
いったん、受け止める。
そして、考える。
考えたうえで、
自分が役員の責任として決める。
たとえ、
反対されても。
役員の仕事として、責任を持って決める。
今でも、
そう思っている。
そうしている。
人の意見は、受け止める。
全身全霊で受け止める。
逃げずに受け止める。
でも、受け入れるかは別の話だ。
......。
自分の人生もそうしてきた。
もちろん、
恥をかいたり。
間違ったこともある。
でも、それでいい。
間違ったら、
また、
受け止めればいい。
自分の失敗を。
自分の弱さを。
自分自身を。
……。
「受け止める」ということは、
難しいことではない。
実は誰にでもできること。
そして、
人は、
結果そのものよりも、
本当は、
受け止めてもらうことを望んでいるのではないだろうか。
受け止めてみて下さい。
終わり
