小池真理子「月夜の森の梟」
伴侶の死の悲しみ
・長年連れ添った伴侶の死がいかに残された者に心の打撃を与えることか。ひしひしと心に迫るエッセイ。内心では悲しんでいても、人に対する時は明るく気丈に振る舞うのがいじらしい。飼い猫が夫婦のケンカを仲裁するシーンが微笑ましくて印象に残った。
・「今もたまに、『ご飯できたよ!』と声に出して言ってしまいそうになる。ごはん、という言葉に反応するのは猫ばかり」p149
「ある日ある時を境に、すべてが恐ろしく変わってしまった。それ以前とそれ以後の時間とが、まったくつながらない。別物のように感じる」p160
(書籍データ:2021年、朝日新聞出版)
