第384話 露腸亭日乗
40年以上使った電卓が壊れた。
電源は入るのだが、何のキーを押しても液晶に数字が表示されなくなってしまった。
0のまま。


「品質」のことであった
よく持った、というべきか。
メーカーとして、どれくらい持つのか想定はあったのだろうか。
40年ではCASIOの想定よりみじかかったりして。
会社員を辞めた際に机の引き出しの中の私物をダンボールにぶち込んだ際に入ってしまったのだと思う。
本来、会社の備品のはずである。
故意ではない。
会社員生活の途中からはPCが導入され表計算ソフト、最終的にWindowsが入ってエクセル使うようになると電卓の出番は極端に少なくなった。
そろばんもね。
このカシオの電卓は手のひらにちょうど収まるサイズで手で持っても机に置いても非常に使いやすかった。
また、キーを押し下げる力加減もちょうど良い。
未だにスマホやタブレットでは、電卓機能に限らず文字数字の入力はイマイチ。
暗算できない計算をする時に ー足し算だがースマホの電卓アプリを呼び出すのではなく、電卓を取りに行っていた。
特別な思い入れとか、それほど愛着があった訳ではない。
が、一抹の寂しさ、というか並走していた同時代ランナーが脱落するのを見る心持である。
