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【遭難の現場から①】主催者に必要な“設計”とは何か

2025年5月12日

「2025年5月11日、奥多摩。あの日、山で何が起きたのか──」


◆ 本記事について


本記事は、
2025年5月に奥多摩で実際に発生した
遭難事案について、
現場に関わった私自身の視点から、
時系列で記録・公開していくものです。

◆ 今日の一言

「想定外」は、想定できる。


◆ “事故”は、すぐ隣にある


この日は、奥多摩の山で捜索活動の始まりだった。

遭難の一報を受け、私は自分の仕事を終えてから山へ。
10時間以上、山の中を歩きました。
しかし、手がかりは何一つ得られず。

なぜこの現場に足が向いたかと言えば「同じようなことが、自分の周りでも起こるかもしれない」と、強く感じたからです。


◆ 翌日に起きた、トレランチームの遭難事故

遭難者が迷った尾根


実は前日、同じ山域で練習をしているチームのボランティアでサポートをしていました。昨日の記事にも書きましたが、1人怪我人が出ましたがIBUKIやグループLINEでの連絡態勢、スイーパーを設けていたこと、サポート車両もあったこと、などから大事には至りませんでした。

その翌日に遭難したのは、別のトレイルランチームの練習中の女性。チームの隊列から、離れ、遅れ、遭難してしまったのです。

これをミス、とするなら、
これは決して他人事ではありません。


何が起きたのか?失敗の連鎖

• 走力の異なるメンバーがいたのか?
• 参加者がコースを把握していなかったのか?
• メンバー同士のコミニケーションは?
• 緊急連絡体制、はぐれた後の行動は?
• 携帯の電池切れによる連絡不能?

自分が関わるチームの練習や、周りを見ても、
この準備は全ては完璧だとは言い切れません。
しかし、準備が1つでも整っていれば、
防げた事故かもしれません。

安全設計の不在


山は、道を一本間違えただけで
“死”と隣り合わせになります。

一歩間違えば自然は牙を剥く

もちろん山は自己責任です。
自然と対峙する時に何か一つ間違ったら、
楽しい山は牙を剥きます。

主催者にも、
参加者の命を預かる自覚があるかどうか。

少なくとも、
楽しいけれど、危険な一面を
しっかりと見せられるどうか。


それは、
イベントのリーダーに求められる
最低条件だと、私は思っています。


◆ 安全のために


私がボランティアをしているチームは、
以下のような備えを推奨し、
可能な限り行っています。

• 緊急対応可能なメンバーを常時配置
(チームメンバー同士、
サポート同士の連絡体制を準備)
• 全員の装備チェックと携行品の統一指導
• 引率者、コースディレクターは入念にコース確認し、天候によるルート変更にも即対応
• 参加者同士が顔見知りで、グループ感が形成されている

それでも「万全」はありません。
だからこそ、
一人ひとりが自分の身を守ることが重要なのです。

◆ 今日の学びと読者へのメッセージ

「参加する」ことは、
ただついていけば良いという事ではありません。
「主催する」ことは
ただ“人を集めること”ではありません。
そこに相互に責任が伴う。命が関わる。

今回のような事故が
“いつか”ではなく
“今日”起こったからこそ、
伝えていきたいと思いました。

もしあなたがイベントに参加するのなら、
自分1人になっても
自分の命を守れる装備があるのかどうか。

もしあなたがイベントを開こうとしているなら、
「事故を防ぐ設計図」
を描くところから始めてください。

その行動が、
自分の、
誰かの、
命を救うことになるかもしれません。

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ORANGE BEAR ありがとうございます、頂いた支援は捜索活動に充て、全てご家族に還元します。