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ヒトカド

それなりの歳月が過ぎた。
気づけば、私は何かに「なった」ようで、まだ「なりきれていない」ようでもある。

かつての私は、角というより、
小さなトゲが無数に立ち並んだ存在だった。
誰かに触れれば傷つけ、
自分に触れてもチクリと痛むような日々。

今はどうだろう。
トゲは落ち、輪郭は柔らかく、
触れれば撫でるような、そんな丸さを身につけた。
ついでにお腹の方も、同じように育ってしまったけれど。

“一角の人” “一廉の才”──
そんな肩書きに届くほど、
専門性を極められているだろうか。
答えはまだ、曖昧なままだ。

でも最近は、
無理に尖るより、
自分の「丸」をさらに磨き、艶やかにし、
重みと深みを増していく方がよいのではないか、と感じている。

柔らかく、包みこむように。
でも、その中にしっかりとした芯を宿しながら。

変化は、劣化ではない。
丸くなることは、退化ではない。
むしろ、それは進化なのだと思いたい。

これから先、もっと大きく、もっとまろやかに。
私という円が、どこまでも転がっていけるように。

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