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【読書記録/思考ノート#6】「いつか」ではなく「今」を生きる、『DIE WITH ZERO』を読んで

こんにちは、大沢農園です。
ご訪問ありがとうございます。

各曜日でテーマに沿った記事を書いていますが、木曜日は【読書記録/思考ノート】として、読んだ本から学んだことなどを記しています。

今回読んだのは【DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール】です。
著者はヘッジファンドマネージャーとして成功を収めたビル・パーキンスです。


人生を先送りしないための一冊

日本でもベストセラーとしてヒットしているようで、書店でも目立つところに並んでいることが多いと思います。
タイトルだけを見ると「貯金を全部使い切れ」という極端な思想に見えるかもしれません。
でも実際に読んでみると、この本の本質は「お金の使い方」ではなく、「人生の時間の使い方」にあります。

ぼくにとって、この本は間違いなく人生で最も影響を受けた本のひとつです。
そして、公務員を退職して親元就農をしようと、背中を押してくれた本でもあります。

もちろん、仕事を辞めることには不安もありました。

安定した収入
世間的な信用
将来への安心

そういうものを手放す怖さは確かにありました。
でも、この本を読んでいるうちに「本当に怖いのは、やりたいことを先送りし続けることではないか」と思うようになったのです。

人生には「今しかできないこと」があります。
若さ、体力、感性、人との出会い。
そのタイミングを逃してしまったら、いくらお金があっても取り戻せない。

この本は、お金の本でもありますが、「どう生きるか」を問う本だったと思います。


思い出づくりは未来の自分への投資

人生で一番大切な仕事は『思い出づくり』

(44ページ)

この言葉は、この本全体を象徴する一文だと思います。

ぼくらはつい、「もっと頑張ってから楽しもう」と考えてしまいます。

仕事が落ち着いたら
お金がもっと貯まったら
老後になったら

そうやって、“人生を楽しむこと”を未来に先送りしがちです。
でも実際には、時間は有限です。
そして、経験には「旬」があります。

たとえば、20代の旅と60代の旅は同じではありません。
若い頃の無茶な挑戦や、体力を使う経験、人との濃密な時間。
そういうものは、その年齢だからこそ価値があります。

農業を始めてから、ぼくは以前より季節に敏感になりました。
春の匂い、夏の暑さ、土の感触、収穫した野菜を食べた時の感覚。
そういう小さな経験が、少しずつ積み重なって人生を形作っている気がします。

思い出というと、旅行やイベントのような特別なものを想像しがちですが、本当はもっと日常的なものなのかもしれません。

誰かと食卓を囲んだこと。
夕暮れの畑で風を感じたこと。
疲れ切った帰り道に見た景色。

そういう記憶が、後から人生を支えてくれる。

お金は減っていきます。
でも、経験は記憶として残り続ける。
そして、その記憶は何度でも取り出して味わうことができます。

だからこそ、「思い出づくり」は浪費ではなく、未来の自分への投資なのだと思います。


「貯めること」が目的になっていないか

生きているうちに金を使い切ること、つまり『ゼロで死ぬ』を目指してほしい。

(74ページ)

誤解しないでほしいのだが、私は将来のために貯金すべきでないとは言っていない。必要以上に貯め込むことや、金を使うタイミングが遅すぎるのが問題だと言っているのだ。

(81ページ)

この二つの言葉は、セットで読むことで意味がより深く理解できる気がします。

「ゼロで死ぬ」という言葉だけを切り取ると、かなり過激です。
でも著者は、無計画に散財しろと言っているわけではありません。

本当に伝えたいのは、「お金を持ったまま人生を終えること」が必ずしも正解ではない、ということです。

ぼく自身、投資や資産形成にはかなり関心があります。
大学時代から株式投資をしてきましたし、FPの勉強もしてきました。
だからこそ、「お金を増やすこと」「お金を守ること」の面白さや重要さも理解しています。

でも一方で、お金は増えているのに人生が前に進んでいない感覚も、どこかにありました。

資産額は増えていく。
けれど毎日は変わらない。
本当にやりたいことは、ずっと“いつか”のまま。

そんな状態に陥ることは、実は珍しくないのかもしれません。

農業への転身を考えた時も、「もっと貯めてからの方が安全では?」という気持ちは当然ありました。
でも、時間には期限があります。

親が元気なうちに学べること。
体力があるうちに挑戦できること。
そういうものを考えると、「完全に準備が整う日」は永遠に来ない気がしたのです。


お金は「人生を楽しむため」の道具

金は目的を達成するための手段にすぎない。金は、人生を楽しむというもっとも重要な目標の達成に役立つ。一方で、金を増やすことを最優先してしまうと、その目標の達成は難しくなる。

(106ページ)

この言葉を読んだ時、自分の中にあった価値観を見直させられました。

お金は人生を支える大切な道具です。
でも、その道具を集め増やすこと自体が目的になってしまったら、本末転倒なのだと思います。

現代は、資産形成の情報にあふれています。
NISA、iDeCo、高配当株、インデックス投資。
もちろん、どれも大切ですし、ぼく自身も投資をしています。

でも気をつけないと、「人生のためのお金」が、「お金のための人生」になってしまう。

資産額の増減に一喜一憂して、本来やりたかったことを後回しにする。
時間も体力もある時期を、ひたすら“将来のため”に消費してしまう。

それはとても合理的に見えて、実はかなり危ういことなのかもしれません。

農業を始めて感じるのは、「豊かさ」は数字だけでは測れないということです。

朝採れた野菜を食べること。
季節の変化を感じること。
自分の手で育てたものを誰かに届けること。

そういう感覚は、年収や資産額には換算できません。

もちろん、お金は必要です。
生活もありますし、将来への備えも重要です。
でも、お金はあくまで“人生を良くするための手段”であるべきだと思います。

何のために働くのか。
何のために増やすのか。

その問いを忘れないことが大切なのだと、この本は教えてくれました。


不合理な恐れに支配されない

あなたを行動から妨げている『恐れ』に目を向けよう。それは合理的なものだろうか、それとも非合理的なものだろうか。不合理な恐れを、夢や目標の障害にしないようにしよう。

(261ページ)

この言葉は、退職と就農を考えていた時期の自分に深く刺さりました。
新しいことに挑戦しようとすると、人は必ず不安になります。

失敗したらどうしよう
収入が減ったらどうしよう
周囲にどう思われるだろう

転職してみようかという考えは長らく持っていましたが、確かにぼくもずっと不安でした。
でも、その不安を一つひとつ整理してみると、「実際に起こる可能性が高い危険」と、「漠然としたイメージだけの恐れ」が混ざっていたことに気づきました。

もちろん、農業は簡単ではありません。
天候にも左右されますし、収入も不安定です。
でも一方で、公務員として働き続ければ絶対に幸せになれる保証もありません。

つまり、どちらを選んでもリスクはある。
だったら、自分が納得できる方を選びたいと思いました。
そして今は自分の選択に納得しています。

この本は「勇気を出せ」と精神論を押し付けてくる本ではありません。
むしろ、「その恐れは本当に合理的か?」と冷静に問いかけてきます。
その視点を持てたことで、ぼくは少しずつ行動できるようになりました。

人生は長いようで短い。
いつ終わるかなんて正直誰にもわからない。
だからこそ、不合理な恐れや他人に、人生を支配されたくない。

自分の人生の主導権・ハンドルは、しっかり自分で握っておきたい。
見失いそうになったら、またこの本を読み直したいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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【執筆:大沢農園】
37歳・元学校事務。
公務員を辞め、親元就農という形で農業の世界に入りました。
FP資格を活かし、畑のこと、働き方、お金のこと、本から学んだことを綴り、
「これからの生き方」を模索しながら発信しています。

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