リフォーム見積もりには資格が必要? アスベスト調査士の義務化とその背景
こんにちは。「現場の虎」です。
今回は、リフォーム業界に関わる方々にとって非常に重要な話題を取り上げます。
それは、「見積もり段階でもアスベストの調査が義務化され、資格が必要になった」という点です。
■ なぜアスベスト調査が必要になったのか
アスベスト(石綿)は、かつて多くの建材に使用されていましたが、吸い込むことで肺がんや中皮腫などの重篤な病気を引き起こすことがわかり、現在では原則使用禁止となっています。
しかし、古い建物には今なおアスベスト含有建材が多く残っており、それらを改修・解体する際に粉じんが飛散すれば、作業員や周囲の住民の健康に重大なリスクが及びます。
このため、工事前にアスベストが使われているかをきちんと調べることが法律で義務づけられました。
■ 義務化されたのはいつから?
2022年4月1日から、アスベスト調査の義務が本格的に始まりました。
さらに2023年10月1日以降は、「一定規模以上の解体や改修工事」については、有資格者による事前調査の実施が完全に義務化されています。
■ どんな時に資格が必要になるのか
次のような工事を行う際は、調査者が所定の資格を保有していることが必須です。
・延べ床面積80平方メートル以上の建築物を解体する工事
・請負金額が税込100万円以上となる改修・リフォーム工事
・工作物(煙突、配管、タンク等)の解体や改修工事
これらに該当する工事では、見積もり段階においても、現地の建材にアスベストが含まれているかを正確に確認する必要があります。
■ 必要な資格は?
現地調査を行う者は、次のような資格のいずれかを持っている必要があります。
・建築物石綿含有建材調査者
・一般建築物石綿含有建材調査者
・一戸建て等石綿含有建材調査者(小規模対応)
・特定建築物石綿含有建材調査者
いずれも、所定の講習を受講し、修了試験に合格することで取得できる公的な資格です。
■ 根拠法令は?
この制度の根拠となるのは、以下の法律です。
・大気汚染防止法 第14条の2
・労働安全衛生法施行令
・石綿障害予防規則(通称:石綿則)
また、調査結果は電子報告システム(石綿事前調査結果報告システム)を通じて、所轄の自治体や労働基準監督署などに提出する義務があります。報告にはGビズIDが必要です。
■ リフォーム業者が注意すべきポイント
・有資格者による調査を行わずに見積りを提出すると、法令違反となるリスクがあります
・「見積りだけだから大丈夫」と油断せず、調査の段階から資格者を関与させる体制を整えましょう
・元請会社として、下請業者に対して調査の実施状況や資格の確認を怠ると、連帯して罰則を受けるおそれがあります
■ 現場の虎のひとこと
リフォームの見積りをする際に、「調査士の資格なんているのか?」と驚かれる方もいます。
しかし、時代は変わりました。いまや「見積り段階から法令遵守」が当たり前になりつつあります。
特に元請業者やリフォーム会社にとっては、現地調査を誰がやったのか、資格の有無、報告の記録などをしっかり管理することが求められています。
法令に違反してしまうと、行政指導だけでなく、元請会社の信頼や契約にも大きく影響を及ぼします。
■ まとめ
2023年10月から完全義務化された「アスベスト調査士による事前調査制度」は、建設業・リフォーム業に関わるすべての人にとって必須知識です。
安全と法令遵守は、現場の信頼を守るための基本。
きちんと制度を理解し、正しいフローで業務を進めていきましょう。
コメントや質問があれば、ぜひお寄せください。
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