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#6 ビジネスに効く!事例で見る「推し活」最前線 〜企業のファン獲得戦略〜

こんにちは!株式会社KAZAORIの矢澤綾乃です。「推し活未来研究所」へようこそ。

このnoteは、Podcast『推し活未来研究所』第6回の放送内容をもとに、読みやすく再構成したものです。 音声で楽しみたい方は、ぜひPodcastもチェックしてみてくださいね。

▼この回のポッドキャストはこちら(推し活未来研究所)


『推し活未来研究所』では、ますます熱気を帯びている「推し活」の世界を、ビジネスの視点と、私自身のベーシストとしての経験、つまり「推す側」と「推される側」の両方の視点から、楽しく、そして深く掘り下げていきます。

さて、今日で第6回目となりました。いつもお聴きいただき、本当にありがとうございます。初めての方も、これからどうぞよろしくお願いします。

今日のテーマは「#6 ビジネスに効く!事例で見る「推し活」最前線 〜企業のファン獲得戦略・前編〜」です!

これまで、ファン心理の力(#1)、応援スタイルの違い(#2)、推し活とSNSの関係(#3)、スポーツ界でのファンの熱狂(#4)、そして前回はtimelesz projectを例に、オーディションがファンとどう繋がっていくか(#5)など、様々な角度から「推し活」を紐解いてきました。

その中で見えてきたのは、「推し活」が単なる個人の趣味にとどまらず、大きな経済効果や文化的な影響力を持っていること。そして、企業にとっても無視できない、非常に重要なキーワードになっているということです。

そこで今回は一歩踏み込んで「じゃあ、企業は具体的にどうやって『推し活』の力を自社のファン獲得やビジネス成長につなげているの?」という疑問に、最新の事例を交えながら迫っていきたいと思います。ファンから熱烈に「推される」企業やブランドは、一体どんな工夫をしているのでしょうか? 前編となる今回は、まず企業がなぜ「推し活」に注目するのか、そして具体的な戦略パターンを見ていきます。

皆さんの「この企業、推せる!」「このファン戦略、すごい!」と思う事例があれば、ぜひハッシュタグ #推し活未来研究所 をつけて、SNSで教えてくださいね。皆さんのリアルな声、いつも参考にさせていただいています!

それでは、早速本編に入りましょう。

なぜ今、企業は「推し活」に注目するのか?

まず、「なぜ今、こんなにも多くの企業が『推し活』に注目しているのか?」という根本的なところから、一緒に考えてみたいと思います。

数年前までは、「推し活」というと、アイドルやアニメのファンなど、一部の熱心な人たちの活動、というイメージが強かったかもしれません。でも、今は本当にジャンルや業界問わず広がっていますよね。私もよく「推し」という言葉を使っているなと最近感じています。自分の「好き」という気持ちをライトな感じというか、カジュアルに表現できる言葉として使われています。

人だけでなく、キャラクター、作品、スポーツチーム、食べ物、場所、そして企業やブランドそのものまで、「推し」の対象はどんどん多様化しています。

その大きな背景には、やはりSNSの普及があると思います。自分の「好き」という気持ちを発信しやすくなり、同じ「好き」を持つ人たちと簡単につながれるようになった。それによって、ファンの熱量が目に見える形になり、時には大きなムーブメントを生み出すほどのパワーを持つようになったんですね。

このファンのパワー、特に「推し」に対する熱量の高さは、経済的にも大きなインパクトを持っています。関連グッズを買ったり、イベントに参加したり、遠征したり…。ファンの方々の「推しのためなら!」という強い想いが、実際に市場を動かしています。ある調査によると、日本の「推し活」関連市場は数千億円規模とも言われています。これはもう、立派な一大産業ですよね。

企業から見ると、この「推し活」が生み出す熱量は、非常に魅力的です。従来のマーケティングって、企業が情報を発信して、消費者に「買ってもらう」ことを目指す、というベクトルが強かったと思うんです。もちろん、顧客満足度を高めたり、リピーターになってもらったり、という視点はありました。

でも、「推し活」の対象になっている企業やブランドとファンの関係性って、もっともっと深い、感情的なつながりに基づいていることが多いですよね。ファンは単なる「消費者」ではなく、その企業やブランドを心から応援し、支え、時には「もっとこうなってほしい!」と一緒に未来を考えてくれる、「パートナー」のような存在になっているということがわかります。

これは私自身、ベーシストとしてステージに立つ中で、日々強く感じていることです。ライブ会場で手作りの応援ボードを見かけたり、SNSで心のこもった感想をいただいたりすると、「ああ、私の音、ちゃんと届いているんだな」「見てくれている人がいるから、もっと頑張ろう!」って、本当に力をもらえるんです。これは、推される側を経験しているからこそ、その価値が痛いほどわかります。

実際に弊社KAZAORIのPQuuutというサービスを導入していただいて、そこから購入していただいたお客様からお礼のメールやSNSでのメッセージをいただくことがあるんです。それは私たちにもすごく励みになっていますし、すごく嬉しいんですよね。次回も楽しみにしていますとかすごくいい思い出になりましたなんてメッセージをいただいたり、弊社で施工したフォトスポットで撮った写真をSNSのアイコンにしてくれたりとか。そういうみなさんが喜んでくれたっていうのがわかる瞬間がすごく嬉しいし、次ももっと喜んでもらえるような企画を提案しようっていう原動力になります。本当にありがとうございます。

これって他の企業にとっても、きっと同じだと思うんですよね。自社の製品やサービスをただ買ってもらうだけでなく、ファンから熱烈に「推して」もらえる存在になれたら、それは何にも代えがたい、すごく強力な推進力になります。熱心なファンは、自発的に魅力を広めてくれる「歩く広告塔」になってくれますし、時には愛があるからこその厳しい意見で、成長のヒントをくれるかもしれません。そして何より、長期的にブランドを支え続けてくれる、かけがえのない存在になってくれる。

だからこそ今、多くの企業が、「どうすればファンに『推して』もらえる存在になれるのか?」「ファンの皆さんの熱い想いに、どう応えていけるのか?」ということを、真剣に考え始めているんですね。

企業はどう「推し活」を仕掛けている?~5つの戦略パターン~

では、企業は具体的にどんな方法で「推し活」の力を活用し、ファンを獲得・育成しようとしているのでしょうか?本当に様々なアプローチがありますが、今日は代表的な5つの戦略パターンに分類して、具体的な企業の事例と一緒にご紹介したいと思います。

1. コラボレーション戦略:「推し」の力を借りて、新たな出会いを創出する

まず一つ目は、「コラボレーション戦略」。これは、すでに多くのファンを持つアイドル、キャラクター、アニメ、ゲームといった「推し」の対象と企業がタッグを組む、という手法ですね。ファンが元々持っている「推し」への熱い想いを、自社の商品やサービスへと繋げることを狙います。

【事例:セブン-イレブン × 名探偵コナン『隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』キャンペーン】

例えば、セブン-イレブンさんが行った劇場版『名探偵コナン』とのコラボキャンペーンは記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。 このキャンペーンでは、①購買インセンティブ、②デジタル連動施策、③地域限定企画という、三層構造で推し活を加速させていました。 具体的には、揚げ物を4個買うと「コナン特製フライヤーボックス」がもらえたり、対象商品を買うと謎解きに挑戦できたり、LINEの友だち追加で限定スタンプが手に入ったり…。ファンにとっては、"普段使いのコンビニと映画の世界"が繋がることで、日常的に「推し」を感じられる嬉しい機会になりますよね。 企業側としても、SNSでの話題化はもちろん、アプリ会員の獲得や客単価の向上、さらには地域限定企画による地域活性化といった、まさに三方良しの効果を生み出していました。映画の興行収入増加にも貢献したと言われています。

2. コミュニティ構築戦略:ファンが集い、語らえる「庭」を作る

二つ目は、「コミュニティ構築戦略」。これは、企業が主体となって、ファン同士が集まって交流したり、時には企業と直接コミュニケーションを取れたりするような「場所」を提供するアプローチです。ファンに「ここが自分の居場所だ」と感じてもらうことで、ブランドへの帰属意識を高め、長期的な関係性を築くことを目指します。

【事例:カゴメ「&KAGOME(アンドカゴメ)」】

食品メーカーのカゴメさんが運営されているオンラインコミュニティ「&KAGOME」は、この戦略の素敵な例だと思います。 このサイトでは、カゴメの商品を使ったレシピを投稿しあったり、食に関する様々な話題で他のファンの方と語り合ったり、カゴメの商品開発担当者さんと直接意見交換したりすることができるそうです。ファン向けの限定イベントなんかも開催されているようですね。 単に商品を売って終わり、ではなくて、ファン同士や企業との「つながり」という価値を提供することで、カゴメというブランドに対する愛着や信頼感を、より深く、温かいものにしていこう、という想いが伝わってきます。 ファンは、自分の声がもしかしたら商品開発に活かされるかもしれない、という期待感を持てますし、他のファンとの交流を通じて、「カゴメ好き」としての仲間意識も育まれますよね。 企業にとっては、熱心なファンの生の声を直接聞ける、非常に貴重なマーケティングの場になりますし、ファンとの継続的な対話を通じて、長期的にブランドを支えてくれる「ロイヤルカスタマー」を育成することができます。まさに、ファンと一緒にブランドを育てていくような、そんな関係性を目指しているのかもしれません。

3. 体験型マーケティング戦略:忘れられない「思い出」を一緒に作る

三つ目は、「体験型マーケティング戦略」。これは、商品やサービスそのものの機能的価値だけでなく、ファンにとって忘れられない「特別な体験」を提供することで、強い感情的な結びつき、エモーショナルな繋がりを生み出す戦略です。リアルなイベントやワークショップ、特別な空間演出などがこれにあたりますね。

【事例:ヤッホーブルーイング「よなよなエールの超宴(ちょううたげ)」】

ビールメーカーのヤッホーブルーイングさんが開催している大規模なファンイベント「よなよなエールの超宴」は、この戦略を象徴する事例と言えるでしょう。 ヤッホーブルーイングさんはコンビニとかスーパーとかにもおいてある「夜な夜なエール」とか「水曜日のねこ」などで有名なクラフトビールメーカーで、独特のネーミングとアートなパッケージが特徴的ですよね。 これは、全国から「よなよなエール」をはじめとするヤッホーブルーイングさんのビールのファンが集結し、美味しいビールを片手に、音楽ライブや様々なアクティビティを楽しむ、という一大フェスです。 社員の方々も「スタッフ」としてではなく、ファンと一緒に楽しむ一員として参加し、直接交流されるそうですよ。 単にビールという「モノ」を売るのではなく、「ビールを通じて生まれる、最高に楽しい時間や空間」という「体験」をファンと共有することで、ブランドへの熱狂的な愛着、まさに「推し」と言えるほどの強い感情を育んでいるんですね。 参加したファンにとっては、最高の夏の思い出になりますし、「このブルワリー、最高!」「来年も絶対参加したい!」という強い愛着につながります。 企業側も、ファンとの直接的な触れ合いを通じて、その熱量を肌で感じることができますし、ブランドが大切にしている世界観や価値観を、五感を通して体感してもらうことで、より深い理解と共感を獲得できます。こうした熱狂的なファンは、周りの友人や家族にも、その体験の素晴らしさを熱く語ってくれる、本当に強力な応援団になってくれますよね。

4. ファン創作(UGC)支援戦略:ファンの「好き」のチカラを、もっと大きく

四つ目は、「ファン創作支援戦略」。ファンが自発的に行う様々な創作活動、例えばファンアートを描いたり、SNSで熱い感想を発信したり、有志でお金を集めて応援広告を出したり…こうした活動(いわゆるUGC=ユーザー生成コンテンツ)を、企業が後押ししたり、活用したりするアプローチです。ファンの「好き!」というポジティブなエネルギーを、公式がうまく受け止め、さらに広げていくことを目指します。

【事例:JR東日本「推しSta!(オシスタ)」】

JR東日本さんが展開されている「推しSta!」というサービスは、まさにこの戦略を体現している、とてもユニークで面白い事例だと思います。 これは、ファンがクラウドファンディングのような形でお金を出し合って、自分の「推し」、アイドル、キャラクター、Vtuber、スポーツ選手など、本当に多岐にわたる応援広告を、駅構内のデジタルサイネージ(電子看板)に出せる、というプラットフォームサービスです。 ファンは、「推しの誕生日を盛大にお祝いしたい!」「推しの記念日をみんなに知ってほしい!」「推しの活動をもっと応援したい!」といった熱い想いを、駅という多くの人が行き交うパブリックな場で、形にすることができるわけですね。 提供する企業側であるJR東日本さんは、ファンに広告枠という「表現の場」を提供することで、新たな収益源を開拓すると同時に、駅という空間のメディアとしての価値を高めることができます。 ファンにとっても、自分たちの力で推しを応援できる、という大きな達成感や、仲間との一体感が得られますよね。まさに、ファンの「推したい!」という熱い気持ちを、企業がうまくサポートし、それをビジネスの力にも変えている、素晴らしい例だと思います。 ファンが作るコンテンツ、つまり応援広告という形を、公式が否定するのではなく、むしろ積極的に受け入れ、活用していく。そんな姿勢は、これからの企業とファンの関係性において、ますます重要になってくるのではないでしょうか。

5. パーソナライズ戦略:「あなただけ」の特別で、心をつかむ

最後、五つ目は、「パーソナライズ戦略」。これは、ファン一人ひとりの好みや「推し」の対象に合わせて、商品やサービスをカスタマイズしたり、特別な対応をしたりすることで、「私のことを分かってくれている!」「大切にされている!」という満足感や特別感を提供するアプローチです。

【事例:カラオケパセラ「推し活プラン」】

カラオケチェーンのパセラさんが提供している「推し活プラン」は、この戦略を巧みに取り入れた例ですね。 このプランでは、お部屋に「推し」のグッズを飾れる祭壇スペースが設けられていたり、「推し」のイメージカラーに合わせた「推し色ドリンク」が注文できたり、DVDやブルーレイを持ち込んで大画面で鑑賞会ができたりと、「推し活」をするファンのニーズに特化した、様々なサービスが提供されています。 ファンにとっては、仲間と一緒に、周りの目を気にすることなく、思う存分「推し活」に没頭できる、まさに夢のような空間ですよね。「私たちのためのプランだ!」と感じてもらえることで、お店への愛着も自然と深まります。 企業側としては、特定のニーズを持つファン層にターゲットを明確に絞り込み、その心に深く響くサービスを提供することで、他のカラオケ店との差別化を図り、集客につなげることができます。 まさに、ファンの「こんな場所が欲しかった!」という声に的確に応えることで、「推される」存在になっている好例だと思います。

余談ですが、実は私、学生の時に少しだけパセラでアルバイトしたことがあるんです。もう十何年も前の話ですが(笑)。 その時から一番広い部屋を貸し切って「モンスターハンター」のオフ会などがすでに行われていました。すごい人数が集まっていてびっくりしたのを覚えています。コラボアイテムやコラボメニューもたくさんあって、公式としてそうした活動を始めた先駆者とも言えますね。当時はまだ「推し活」という言葉はなかったと思いますが、オフ会という形で同じものを好きな人たちが集まる場所を提供していたのはすごいことだなと思います。

さて、ここまで5つの戦略パターンと、それぞれの企業の具体的な事例を見てきました。コラボレーション、コミュニティ構築、体験型マーケティング、ファン創作支援、そしてパーソナライズ。もちろん、これらは綺麗に分かれているわけではなくて、実際には複数の戦略を組み合わせて展開されているケースも多いです。

企業がファンの熱い想いに応えようと、様々な工夫を凝らしているのがよく分かりますよね。

しかし、ただ戦略を実行するだけでは、ファンから本当に「推される」存在にはなれません。そこには、もっと大切な「秘訣」があるはずです。では、ファンから熱烈に愛され、応援される企業やブランドには、どのような共通点があるのでしょうか?

次回の「推し活未来研究所」#7では、この「推される企業」になるための秘訣、そして企業が「推し活」戦略を進める上での注意点や未来について、さらに深掘りしていきます。ぜひ、来週もお聴きいただけると嬉しいです!

今回の「推し活未来研究所」#6 ビジネスに効く!事例で見る「推し活」最前線 〜企業のファン獲得戦略・前編〜 は、いかがでしたか?

企業の「推し活」戦略、具体的な事例を見ていくと、本当に色々な工夫があって面白かったですね。

次回は、企業のファン獲得戦略の後編です!これらの戦略を成功に導くための「秘訣」に迫ります。お楽しみに!

それでは、ここまでのお相手は、株式会社KAZAORIの矢澤綾乃でした。また来週、月曜日の朝7時にお会いしましょう!素敵な一週間をお過ごしください。


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