「うちの子、読むのが苦手?」息子のADHD診断で、親の不安が"次の一歩"に変わった話
お子さんが他の子より文字を読むのが苦手だったり、ちゃ、ちゅ、ちょの区別がつかなかったりして不安に思ったことありませんか?我が家は下の男の子がそうでした。
最初は少し遅いだけなのかと思っていたのですが・・ (お父さん猫)
ある日の夕食
小学校2年生になったばかりのこねこ君は、今日も元気いっぱいで、リビングで最新のゲーム実況動画に夢中だった。彼の笑い声は明るく、人懐っこい性格がよく出ていた。
しかし、お父さん猫とお母さん猫)の視線は、時折、食卓の隅に置いてある宿題のプリントに向けられていた。
「こねこ、ご飯の前に宿題、少しでもやろうか。特にお母さんから預かってる音読ね。」
お母さんが優しく声をかけると、こねこ君は「やだー、今いいとこ!」とブツブツ言いながら、渋々椅子に座った。
宿題の教科書を開くが、たった数行の文章なのに、こねこ君は言葉を一つ一つ辿るように読む。読むスピードは遅く、途中で単語を飛ばしたり、勝手に変な音に置き換えたりすることが多かった。
キッチンで片付けをしていたお母さんがため息をついた。ふと、数年前のことが頭をよぎる。
試行錯誤の始まり
思えば、こねこ君の「文字への苦手意識」は幼い頃からあった。
ひらがなやカタカナを覚え始める時期、お姉ちゃん(当時小学高学年)はスラスラと新しい本を読みこなし、「ねえね、これ知ってる?」と誇らしげに難しい言葉を使っていた。
それに対し、こねこ君は小学校入学前のこども園の塾で、ひらがなや簡単な英語を習っていたが、結果は芳しくなかった。
「あ、い、う」を書いても、鏡文字のように逆さまになることが多く、特に「ぬ」と「め」、「わ」と「ね」のように似た文字を全く区別できない。英語のアルファベットに至っては、ほとんど形を認識できていないようだった。
当時、塾の先生は「お子さんはとても明るくて素敵ですよ。文字の習得には個人差がありますから、そういう子もいます」と温厚に答えていた。お父さん猫も「うちの子はきっと大器晩成型だ」と楽観視していた。
しかし、小学校2年生になっても状況は変わらない。友達が当たり前に読んでいるひらがなの看板や本のタイトルを、こねこ君は間違えて読む。周りと比較してしまうお姉ちゃんの「なんでこんな簡単な字も読めないの?」という余計な一言が、いつも喧嘩のきっかけだった。
外部からの視点
お父さん猫の心配は、仕事にも持ち越され始めていた。
ある日、会社の休憩室で、お父さん猫は意を決して先輩に話した。先輩は、穏やかで子育てにも熱心な方だった。
「先輩、実はうちの子、もう小2なのに、文字を読むのがすごく苦手で…。ただのんびり屋ってわけじゃなさそうで、ちょっと心配なんです。」
先輩はコーヒーカップを置き、静かに言った。 「うちの子も、学習速度が遅くてね。それで妻がすごく心配して、一度病院に行ってみたんだ。専門の先生に相談してみるのも、親としてはっきりして安心できるぞ。」
「病院…。」
お父さん猫は頭を殴られたような衝撃を受けた。これまで「病気」という選択肢を考えたことがなかった。「努力不足」か「個性」だと思っていたからだ。
知識と決断
その日の夜、お父さん猫は熱心に調べ物を始めた。「読むのが苦手」「文字の読み間違い」「病気」といったキーワードで検索するうちに、一つの言葉に辿り着いた。
ディスレクシア(読字障害)。
「もしかして、これなのか…?」
文字を正しく読み書きすることに困難があるというその症状は、こねこ君の様子に驚くほど当てはまっていた。これは親のしつけの問題でも、こねこ君の怠けでもなく、脳機能の特性かもしれない。
お母さん猫にその話をすると、彼女は不安と同時に、安堵の表情を見せた。
「今まで『どうしてできないの』ってイライラしちゃってたけど、もし本当にそうなら、こねこが悪いんじゃないってことだよね…。」
二人はすぐに、会社の先輩に紹介してもらった専門のクリニックに予約を入れることを決めた。
診断と親の気持ち
診察の日。こねこ君は人懐っこい笑顔で先生と話し、いくつかの認知検査や、集中力、読み書きに関する検査を受けた。
検査結果を聞くため、両親だけが診察室に呼ばれた。
先生は、こねこ君が検査中は非常に協力的だが色々なところに興味があり、集中力が続かないところが気になります、その上で読み書きに関する部分で大きな苦手さが見られることを説明した。
そして、後日、最終的な診断名が告げられた。
「注意欠如・多動性障害(ADHD)」
診察室を出た後、お父さん猫とお母さん猫はしばらく無言でいた。
病気。それは遺伝や脳の特性によるものだ。その事実に、お父さん猫は胸の奥が締め付けられるような、申し訳ない気持ちになった。
「…僕に似たのかな。僕、ITエンジニアだけど、若い頃は一つのことに集中するのがすごく苦手で、よく怒られてたから…。もし遺伝でこうなったんだとしたら、こねこに申し訳ないよ。」
お母さん猫は、怒ると怖い常識人だが、この時ばかりは優しかった。お父さんの手を握りながら言った。
「違うよ。誰のせいでもない。ただ、こねこはこういう特性を持って生まれてきたってことが、わかっただけ。ね。これで、どうサポートしてあげればいいか、ちゃんと考えてあげられる。」
二人は顔を見合わせ、特性を受け入れ、前に進むことを決意した。
【お父さん猫コメント】
病状から勝手に判断するよりは病院に行って正確に診断してもらって良かったと思います。素人判断で、間違った対応をしているところでした。ディスレクシア?ADHD?と不安でぐるぐる頭をキーワードだけがまわっていた状態ですが先生が根気よく話を聞いてくれ親としてどう対応するのがよいのか教えていただきました。
同じように不安に思われているかたは児童精神科を受診してください。専門の先生が少ないみたいです。日本小児神経学会の下記ページからお医者さんを探すことができますので同じように不安に思われている方は活用してみてください。
お父さん猫がADHDで読んだ本で分かりやすかった本はこちら。
文字嫌いをどう解消したかは次のエピソードでお話致します。
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