選ばれる自社ブランドに変える5つのステップ
「既存の案件だけではなく、自分たちらしい価値を形にしたい」
「オリジナルのブランドをつくり、会社に残る資産をつくりたい」
「こんな商品があったらいいのに、というアイデアをブランドとして世の中に届けたい」
そう考えたことがある企業担当者の方は、少なくないのではないでしょうか。
自社ブランドの立ち上げは、
企業が培ってきた技術や経験、価値観を活かし、
商品そのものだけでなく、
誰に、どのような価値を、どんな方法で届けるのかまで、
自社で決められることに大きな魅力があります。
一方で、自社ブランドは、
商品をつくり、名前やロゴを付ければ完成するものではありません。
「何から始めればよいのか分からない」
「商品はあるけれど、どうブランドにしていくのかがわからない」
「自分たちの想いを、顧客に伝わる価値へどう変えればよいのか」
いざ形にしようとすると、さまざまな疑問が出てきます。
自分たちの想いやアイデアを、顧客から選ばれ、長く育っていくブランドへ変えるには、
「誰に、どんな価値を、どのように届けていくか」までを見据えた設計が重要となります。
今回は、自社ブランドを立ち上げたい企業に向けて、想いを顧客価値へ変え、商品づくりから販売までを一つにつなげるブランド設計の考え方を解説します。
そもそも「自社ブランド」とは?
自社ブランドとは、
企業が企画・開発・販売の方針を自ら設計し、
独自の価値を顧客へ届けるブランドです。
ここで重要なのは、
必ずしも製造工程をすべて社内で担う必要はないということです。
OEM(製造を外部企業へ委託する仕組み)を活用していても、
「誰に、どのような価値を届けるのか」という
ブランドの核を自社が主導していれば、
自社ブランドとして展開できます。
自社ブランドを持つ3つのメリット
① 顧客との長期的な関係を築きやすい
一つ目は、顧客との長期的な関係を築きやすいことです。
価格や機能だけで商品が購入される場合と異なり、
ブランドの価値観やストーリーに共感してもらうことで、
購入後も継続的な関係を育てやすくなります。
たとえば、
スーパーで単品の野菜を買う場合と、
有機栽培にこだわった農家さんのブランド野菜を買う場合では、
選ぶ理由が異なります。
生産者や背景に共感するからこそ、
その商品を選び続ける理由が生まれます。
②価格競争に巻き込まれにくい
二つ目は、価格競争に巻き込まれにくくなることです。
「似た商品なら安いほうを選ぶ」という比較から、
「このブランドだから選ぶ」という判断へ変われば、
安売りだけに頼らない販売が可能になります。
③企業の資産になる
三つ目は、ブランドそのものが企業の資産になることです。
顧客からの認知や信頼が蓄積されれば、一つの商品だけでなく、新商品や別カテゴリーの事業にも展開しやすくなります。
自社ブランドは、目の前の商品を売るためだけではなく、
中長期的な事業基盤をつくる取り組みでもあります。
想いだけではブランドが育たない3つの理由
1.自社の「つくりたい」が先行してしまう
自社ブランドには、企業の想いや理想を反映できる魅力があります。
しかし、「この技術を使いたい」「この商品を世の中に出したい」という企業側の視点だけで企画すると、顧客が求めているものとの間にズレが生まれることがあります。
商品の特徴が優れていても、それが顧客のどの悩みに応え、どのような変化をもたらすのかが伝わらなければ、購入する理由にはなりません。
2.世界観づくり(手段)が目的になってしまう
ロゴやパッケージ、ブランドカラーを整えることは重要です。
ただし、見た目の統一だけでは、顧客から選ばれる理由は生まれません。
ブランドコンセプトは、雰囲気のよいコピーではなく、「どんな人に、どのような状況で、どんな価値を提供するのか」を判断するための軸です。
この軸がなければ、商品は親しみやすいのにWebサイトは難しい、上質さを掲げているのに購入後の対応は事務的、といったズレが生まれます。
3.短期的な売上を優先してしまう
立ち上げ直後は、早く売上をつくりたいと考えるものです。
しかし、値引きや大量の広告配信を繰り返すと、「独自の価値を持つブランド」ではなく、「安いときに買う商品」という印象が定着する可能性があります。
また、商品開発やデザインだけでなく、在庫、物流、顧客対応、情報発信まで継続するための人員や予算も必要です。
ブランドは、発売日につくり終えるものではありません。顧客との接点を改善しながら、少しずつ育てていくものです。
想いを「選ばれる自社ブランド」に変える5つのステップ
ステップ1.顧客の悩みと市場の変化を捉える
ブランドづくりの出発点は、「自社が何をつくりたいか」ではなく、「顧客が何に困っているか」を理解することです。
年齢や性別といった属性だけでなく、どのような場面で不便や不安を感じているのか、既存商品に何が足りないのかまで掘り下げます。
たとえば化粧品であれば、「30代女性」だけでは十分ではありません。
「肌質が変化し、これまでの商品が合わなくなった」
「朝は時間がなく、複数の商品を使い分けられない」
といった生活上の課題まで把握します。
商品レビュー、検索語句、SNSの投稿、問い合わせ内容、顧客インタビューなどから、顧客が実際に使っている言葉を集めることが重要です。
ステップ2.顧客の課題と自社の強みを結びつける
顧客の課題が見えてきたら、
自社の技術、経験、価値観をどのように生かせるかを考えます。
自社の想いを一方的に表現するのではなく、
顧客が求める変化と重なる場所を探します。
「肌にやさしい商品をつくりたい」という想いも、
「肌への刺激が不安で、スキンケアを楽しめない人が、毎日安心して使える商品を届ける」と整理すれば、顧客にとっての価値へ変わります。
ブランドは、企業の想いをそのまま形にしたものではありません。
顧客の課題と、自社だから提供できる価値が重なる場所を形にしたものです。
ステップ3.選ばれる理由をコンセプトにする
次に、「誰に、どのような価値を届けるブランドなのか」を一文で言語化します。
商品の機能だけでなく、
使った先に顧客が得られる体験や感情まで表すことがポイントです。
「天然由来成分を配合した化粧品」ではなく、
「肌への不安を減らし、毎朝前向きに使える化粧品」と表現すれば、
商品が生活にどのような変化を生むのかが伝わります。
このコンセプトが、商品仕様、価格、パッケージ、販売方法、発信内容を決めるための基準となります。
詳しい図解や立ち上げの流れは記事で解説
→『自社ブランドを成功に導くには?仕組みと構築ステップ・成功事例を紹介』
ステップ4.購入前から使用後までをブランド体験にする
コンセプトが決まったら、商品だけでなく、
顧客が触れるすべての接点へ反映します。
商品を知ったときの広告、
ECサイトの使いやすさ、
パッケージを開けた瞬間、
商品の使い心地、
購入後の案内まで
顧客が商品を通じて体験すること全てがブランド体験です。
「忙しい人の負担を減らすブランド」であれば、
購入方法や説明が複雑では、提供したい価値と実際の体験が矛盾します。
すべてを豪華にする必要はありません。
どの接点でも同じ価値や姿勢を感じられることが大切です。
ステップ5.知る・共感する・買う・広めるをつなげる
商品が完成してから販売方法を考えるのではなく、
顧客がブランドを知り、購入し、誰かへ紹介するまでの流れを設計します。
SNSでは顧客の悩みやブランドの背景を伝える。
広告では提供価値を端的に示す。
ECサイトでは、商品の違いや価値を信じられる根拠を伝える。
購入後には、使い方や楽しみ方を案内し、誰かに話したくなる体験をつくる。
広告だけで認知を広げるのではなく、
「使った人が紹介したくなる」
「誰かへ贈りたくなる」
「企業の姿勢を応援したくなる」といった広がりまで設計することで、
ブランドは自ら成長し始めます。
■事例:『禅利』MAKUAKEでは売上目標1019%を達成
日本酒市場が低迷するなか、
ブランディングを行い富裕層向けの高価格帯BtoCブランドへの参入を目指していました。
そこで、私たちOz link(オズ・リンク)は、
富裕層視点で選ばれる理由を定義し、
コンセプト、商品企画、プロダクトデザイン、EC、PR、SNSまでを設計。
その結果、Makuakeで売上目標の1019%を達成し、
27時間で目標金額を突破。
さらに、ビュー前にもかかわらず3つのミシュラン店に採用されるなどSNSを通じて話題となりました。
伝統を現代の顧客価値へ翻訳したことで、強豪との差別化を図った強いブランドを実現出来た結果となりました。
詳しい事例はこちらから:
株式会社京伝びと『禅利』
自社ブランドは、企業の想いを顧客価値へ翻訳するもの
自社ブランドを長く育てるために必要なのは、最初から完璧な商品や華やかなロゴを用意することではありません。
まず、顧客が抱えている課題を理解する。その課題と自社の技術や経験、価値観が重なる場所を見つける。
そして、商品、デザイン、販売、発信、購入後の体験まで、一貫した形で届けることが重要です。
自社ブランドは、企業の想いや強みをそのまま表現するのではなく、
顧客にとっての「選ぶ理由」を形にしたものです。
まずは顧客の声やレビューを10件集め、
「どんな場面で、何に困っているのか」を整理してみてください。
選ばれるブランドをつくるヒントが見えてきます。
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▶自社ブランドの基本やメリット、成功のためのポイント、注意点をより詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
『自社ブランドを成功に導くには?仕組みと構築ステップ・成功事例を紹介』
