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「ここに居たい」と「ここに相応しい」 ―ケアノベーション」中間お披露目会を終えて思う―

11月28日、金曜日の夜に「ケアノベーション(ケア x イノベーション)」プロジェクトのお披露目イベントを開催しました。

イベント前半では、プロジェクトをリードする山田さんが約45分にわたり、ケアノベーションの全体像を流暢に語ってくれました。
そして中盤では、同じくメンバーの間淵さんを含む有識者3名(小川望さん | 株式会社ユーザベース 執行役員・ストラテジックデザイナー & 中尾文香さん | 特定非営利活動法人 ディーセントワーク・ラボ 代表理事)によるパネルディスカッションを実施し、私パチもモデレーターとしてディスカッションに加わりました。

(ケアノベーションマネジメントブックより)日本の巨大な矛盾:「働き手不足」と「就労困難者」の共存。2040年には働き手不足は1100万人にまで増加すると推定されている。

正式なレポートやリリースは追って公開されますが、今日はパネルで用意していた3つの問いのうちのひとつ——
「『ここに居(い)たい』と『ここに相応(ふさわ)しい』
—— 居たくなる理由と、居続けてもらう理由、クラフトされている?」
この問いを少しだけ振り返ってみたいと思います。

■ なぜこの問いをどうしても投げたかったのか

理由は大きく2つあります。

1. 精神・発達障害者の就労の「定着困難」という現実

複数の定着支援の専門家から聞く話として、「変わらない自分の状態を丸ごと受け入れて欲しい」という思いが強すぎる場合、
結果として働くことが長く続かないことがある、という指摘があります。
「揺らぎが大きくて不安定な自分だからこそ、安定した待遇で受け入れてくれる組織に!」——気持ちは分かります。これは「障害があるから」という話というよりは、むしろ、誰にでもある程度はあるものだと思います。
 
ただ、これは「変われない領域」と「変わりたくない領域」、「受け入れ難い現実」と「受け入れざるを得ない現実」の間で立ちすくむ感覚に近いのかな、と。

働く上では、「我慢」や「自己犠牲」ではなく、「変化に向き合う意思」と「変化を支えようとする意思」を重ね合わせていくことが必要じゃないかなという気がします。
そしてまず個が「変化に向き合う意思」を提示しないと、たとえ制度がそこに合ったとしても、居続けることは難しいのではないでしょうか。

2. なぜおれは、これほど強い思い入れを持てるのか

もうひとつの理由は、もっと個人的です。
おれ自身、ケアノベーションプロジェクトには、ほかの仕事とは明らかに違う質の「熱」を感じています。
その熱は——
「ここに居たい」
「ここに相応しい自分でいたい」
という二つの感覚が同時に存在しているからだと気づきました。

この感覚は決して障害のある人だけのものではなく、(熱量にこそ違いはあっても)誰もが働くときに抱えている、とても普遍的なものではないでしょうか。

おれの愛するプロジェクトチームの仲間たち

■ パネルで見えてきたこと

弱さを前提にしたチームは「特別」ではなく「人間的」であるということ

パネルでは、間淵さんを含む3名のパネリストがこの問いにとても正直に答えてくれました。

  • 理想と現実のあいだで揺れながら、それでも「安心して長く働ける場」をつくろうとする経営側の試行錯誤。


  • 福祉現場が大切にしてきた、そして全ての人にとって重要な「まず、そこに居られる場所が必要」という視点と、企業の「評価」を中心に動く構造との矛盾。


  • 急成長する企業のスピードに、障害のある人どころか健常者も置いていかれそうになる現実と、それでも「能力を発揮できる居場所」が思わぬところに生まれる瞬間。

——どれもきれいごとではない。
けれど、それぞれの“本音”の中に、おれは希望をはっきり感じました。
それは弱さを共有する場と時間が、実は強さを育てているということ。
そして組織とは、その体験を積み重ねていけるところであるということ。

そうやって弱さを共有しながら前に進もうとしているうちに、「自分(だけ)の役割」がじわっと見えてくる。そして、その強みを磨き、必要な誰かや場面を前にしたとき、すぐ提供できるようにしようとする。
 
ケアを組織に迎え入れスタート地点とすることが、チームの弱さを強さに変えていく——。
パネルの場でも、それをたしかに感じました。

ケアノベーションは、組織の「居たい」と「相応しい」を両立させる挑戦でもある

パネルディスカッションの最初に、おれがこの日の目標を発表させてもらいました:
自分が関係しているチームや組織に「ケアノベーション」を持ち帰ってもらって、実装・共創の実践を検討してもらえますように!!
 
今、「ケア」に注目する組織が増えています。

  • 離職が止まらない


  • 評価制度が疲弊を生んでいる


  • 心理的安全性をどうつくればよいか分からない


  • 多様なメンバーを受け入れたいけれど、実装に困っている

こんな悩みを持つ組織の経営層、現場のマネジメント層、HR部門の方たちにこそ、ケアノベーションをしっかりと直視し、検討してほしいのです。
どうか皆さん、多くの人に届くよう、力を貸してください!
 
福祉(ケア)を出発点とした経済活動(イノベーション)との循環〜スパイラルアップモデルが拡がることで、「居たい」と「相応しい」を両立させる組織が拡がります。そして障害者就労はその枠を超え、社会を支えるものへと成長していきます。

イベント前半で登壇したプロジェクトチームの仲間たち

今回、「ケアからスタートするのに『左脳全開の頭でっかちな表現ってどうなのよ?』 ということで、BIOTOPEのクリエイティブチームが力を結集し、ケアノベーションの「コンセプトブック」を作ってくれました。発表はもうすぐです。
そして同時に発表される「生成AIツール(カスタムLLM)」も楽しみにしていてください!

Happy Collaboration!
パチ from ケアノベーションプロジェクト


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