【コミックエッセイ】うまく作れなかったからこそ、忘れられない夜になった
第1幕 闇の旅人と、背中のたこ焼き器
【ナレーション】
闇落ちぱぐぱぱんは、友達からたこ焼き器をもらった。
嬉しかった。とても嬉しかった。
ただし、彼はたこ焼きを作ったことがなかった。

【ナレーション】
【友達との回想シーン】
🥋「ぜひ、ご家族やお仲間と楽しんでください。」
🐽「…一生、大切にする」
せっかくもらったのだから、みんなで使いたい。
そんな単純な思いつきで、彼は仲間たちと暮らす家へ向かった。
このときの彼は、たこ焼き作りを少し甘く見ていた。

【ナレーション】
こうして彼は、仲間たちのもとへと向かった。
たこ焼き器を、伝説の武器のように背負って。

第2幕 四天王、集結



【ナレーション】
たこ焼き器を見せれば、誰か一人くらい作り方を知っている。
なぜか彼は、そう信じていた。
しかし、四天王が四人集まっても、たこ焼きの知識はゼロだった。
第3幕 暗黒たこ焼き作戦会議

【ナレーション】
闇nagiパパは、作り方を調べ始めた。
堕魔・空手家パパは、気合いで解決しようとした。
dark matter HOTARUは、足りない材料をすぐ買いに走った。
そして私は、たこ焼き器の前で固まっていた。






【ナレーション】
四天王が集まれば何とかなると思っていた。
実際には、四天王が集まって盛大に失敗した。

第5幕 魔王、降臨

【ナレーション】
混乱が頂点に達した頃、魔王 営業パパが現れた。
魔王は、換気をして、散らかった材料を整理して、
彼らが苦戦したたこ焼きを手際よく丸くした。
魔王は、どんな状況でも優先順位を間違えない。

【ナレーション】
テーブルは生地まみれ。
四天王は、静かに反省した。
大人になっても、失敗したあとの空気は子どもの頃と変わらない。


【ナレーション】
全てを自分でやってしまわず、最後は仲間に任せる。
そこまで含めて、魔王は完璧だった。

第6幕 四天王と魔王の食卓



【ナレーション】
苦労して完成させた一個目を、みんなで口に入れた。
次の瞬間、全員が同じ顔をした。
熱かった。
口を押さえながら顔を見合わせた。
誰かが笑い、それにつられて全員が笑った。
失敗ばかりだったのに、なぜか楽しかった。

【ナレーション】
知識がある者。
人情に熱い者。
人と人をつなぐ者。
何でも完璧にこなす者。
そして、たこ焼きを愛する者。
バラバラな5人でも、ひとつのたこ焼き器を囲めば仲間になれる。

きれいに食べ終えた皿を前に、
私たちはもう「次は何を入れるか」を話していた。
失敗した日は、もう一度やりたくなる日でもあるらしい。
友達にもらったのは、たこ焼き器だけではなかった。
みんなで失敗して笑える夜も、一緒にもらったのだと思う。

いいなと思ったら応援しよう!
記事をご覧いただき、本当にありがとうございます。noteの「サポート機能」でいただいたご支援は、今後の執筆活動の励みとして、大切に活用させていただきます。もちろん、スキやフォロー、読んでいただけるだけでもとても嬉しいです!これからも良い記事をお届けできるよう頑張ります。