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「血圧が高いかも…」と思ったときに知っておきたいこと


「健診で血圧、また引っかかっちゃった…」
そんな声、この時期よく聞きます。

でも大丈夫。
血圧のことは、正しく知れば怖くありません。
今日は世界の研究データと、日本の治療の実際をもとに、血圧とのつきあい方をゆるっとお話ししますね。

そもそも血圧が高いと、何がまずいの?


血圧は高くても多くの場合「痛くも痒くもない」のが厄介なところ。
でも体の中では、血管に静かに負担がかかり続けています。

アメリカで行われた大規模研究(SPRINT試験)では、収縮期血圧(上の血圧)をしっかり下げたグループのほうが、下げ方が緩やかなグループより、心臓病や脳卒中、死亡のリスクが明らかに少なかったという結果が出ています。

世界保健機関(WHO)も、高血圧を「世界で最も多い死亡原因のひとつ」と位置づけていて、脳卒中・心筋梗塞・腎臓病・認知症など、いろいろな病気の入り口になることがわかっています。

つまり血圧は、「今つらいかどうか」ではなく、「将来の血管や臓器を守れるかどうか」が重要なんですね。

日本の基準ではどうなってる?


日本高血圧学会のガイドラインでは、血圧はこんなふうに分類されています(診察室で測った場合)。

- 正常血圧:120/80mmHg未満
- 正常高値血圧:120〜129/80mmHg未満
- 高値血圧:130〜139/80〜89mmHg
- 高血圧:140/90mmHg以上

家庭で測る場合は、それぞれ5mmHgほど低い値が目安になります。

余談ですが、健診で血圧が高めと言われた方には、まず家庭用の血圧計を用意することをおすすめしています

実は「健診の時だけ緊張して高くなる」という方も少なくなく、逆に「病院では正常なのに家では高い」という方もいます。
家庭血圧のほうが実際の体の状態を反映しやすいとも言われていて、日々の変化も見えるので、治療が必要かどうかの判断材料としてとても役立ちます。
数千円で購入できるものも多いので、健診で引っかかったら、ぜひ一台備えてみてくださいね。

薬はいつから飲み始めるの?


実際の目安
ここがいちばん気になるところだと思うので、具体的にお伝えしますね。

これはあくまで一般的な目安で、最終的にどうするかは主治医が一人ひとりの状態を見て判断するもの、という前提でお読みくださいね。

持病がない、比較的元気な人の場合

血圧が140/90mmHg以上だと、まずは減塩・運動・体重管理などの生活習慣の見直しからスタートすることが多いようです。
それでも数ヶ月様子を見て下がりが不十分なときに、薬による治療が検討されるという流れが一般的とされています。
130〜139台の「高値血圧」の段階では、すぐに薬という判断にはならず、生活習慣の改善を中心に様子を見ていくケースが多いです。

糖尿病、慢性腎臓病(たんぱく尿あり)、心臓病、脳卒中の既往など、リスクが高い持病がある人の場合

140/90mmHg以上になった段階で、生活習慣の改善とあわせて、比較的早めに薬物治療の話が出ることが多いようです。
血管への負担がすでにかかりやすい状態だからこそ、早めに対応しておこうという考え方だと理解していただくとよいかもしれません。
目標の血圧も、こうした方はやや厳しめ(130/80mmHg未満など)に設定されることが多いとされています。

75歳以上の高齢の方の場合

140/90mmHg未満を目標にしつつ、ふらつきなど体への負担も見ながら、少し緩やかに調整していくことが多いようです。

160/100mmHgを超えている場合

このあたりの数値になると、様子見だけで済ませず、早めに受診・相談したほうがよいと言われています。
喫煙・脂質異常症・糖尿病・65歳以上など、当てはまるものが一つでもあると、生活習慣の改善と薬物治療を並行して進めることが検討されやすくなります。
180/110mmHg以上については、他のリスクの有無にかかわらず、早めの受診が勧められているレベルとされています。
「症状がないから」と先延ばしにせず、一度専門的な判断を受けてみてほしい数値です。

いずれも「絶対にこう」という決まりではなく、血圧の推移や合併症の有無、他のお薬との兼ね合いなどを踏まえて、最終的には主治医が総合的に判断していきます。
数値が気になったときは、まずは気軽に相談してみるところから始めてみてくださいね。

血圧の薬、最初は軽め?

血圧の薬は、人によって効き方も副作用の出やすさも少しずつ違います。
そのため、多くの医師は 体に負担が少ない薬を少量から始めて、様子を見ながら調整する という方法をとります。

これは「弱い薬を出している」という意味ではなく、 あなたの体質に合う薬を安全に見つけるためなんです。

なぜ少量から始めるの?

  • 副作用をできるだけ避けたいから   血圧の薬には、むくみ・だるさ・咳など、種類ごとに起こりやすい副作用があります。 まずは負担が少ない薬から試すことで、体に合うかどうかを見やすくなります。

  • 効きすぎてふらつくのを防ぐため   血圧が急に下がりすぎると、立ちくらみや転倒の原因になります。 少量から始めることで、こうしたリスクを減らせます。

  • 体質との相性を見たいから   血圧の薬は「人によって効き方が違う」ため、 少しずつ調整するほうが、結果的にうまくいくことが多いんです。

ただし、軽い薬から始めないケースもあります

以下のような場合は、最初からしっかり効く薬を使うことがあります。

  • 血圧が 160/100 以上 と高い

  • 糖尿病・腎臓病・心臓病などの持病がある

  • 脳卒中や心筋梗塞の既往がある

こうした場合は、副作用よりも「早く血圧を下げて守ること」が優先されます。

「薬、なるべく飲みたくない」その気持ち、よくわかります

- 「一度飲み始めたら一生やめられない気がする」
- 「症状もないのに薬に頼るのは抵抗がある」
- 「副作用が心配」
- 「まずは自分の努力でなんとかしたい」

こうした気持ちを抱く方、本当に多いです。ごく自然なことだと思います。

ただ知っておいてほしいのは、血圧の薬は「一生飲まなければいけない」というわけではないということ。
実際、軽い高血圧で少量の薬を使っている方の中には、減塩や運動をしっかり続けることで、薬を減らしたりやめたりできる方も一定数います。
薬は血管を守るための「一時的なサポート」と考えてもらえたらと思います。

逆に、飲まないでいるとどうなる?

自覚症状がないまま血圧が高い状態が続くと、血管の壁は少しずつ硬く、もろくなっていきます。
これが積み重なると、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞という形で表面化することがあります。
腎臓の機能がじわじわ落ちていったり、将来的な認知症のリスクにもつながることが、多くの研究でわかっています。

「今は元気だから大丈夫」ではなく、「今元気なうちに整えておく」。それが血圧との向き合い方の基本です。

家族に高血圧が多いときに知っておきたいこと

家系的に高血圧の方が多いと、「自分もきっとそうなるんじゃないか」と不安になりますよね。
実際、血圧には遺伝の影響があり、双子を使った研究では、血圧の個人差のうちおよそ半分くらいは遺伝的な要因で説明できるとされています。
 また、両親のどちらか、あるいは両方が高血圧だと、そうでない人に比べて高血圧を発症するリスクが高くなることも、長期の追跡研究で示されています。

ただ、それでも「遺伝ですべてが決まる」わけではありません。
最新の研究では、遺伝的な体質に加えて、塩分の摂り方、体重、運動、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣が重なって、はじめて高血圧として表に出てくることがわかっています。

つまり、家族に高血圧の方が多いということは、「少し血圧が上がりやすい体質を持っている可能性がある」というサインではありますが、そのぶん生活習慣を整えることで、リスクを下げたり、発症を遅らせたりできる可能性があるということなんです。

さいごに

血圧のコントロールは、薬か生活習慣かの二択ではありません。減塩、適度な運動、質のよい睡眠、そしてストレスケア。
できることを積み重ねながら、必要なタイミングでは薬の力も借りましょう。

「薬、飲み忘れるかも」 「内服しても血圧が下がらないんだけど」 「副作用が心配…」

こうした気持ちはとても自然です。

薬の選び方には医学的な理由があるので、 気になることがあれば、遠慮なく主治医に聞いてみてくださいね。

あなたの体に合う薬を一緒に探していくのが、血圧治療の基本ですから。

最後までお読みいただき
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