実録・本能のままに生きる「師匠」たちとの数日間
その日は、窓の外を叩く雨音から始まりました。
「あーあ、台風の野暮用かぁ……」
心理カウンセラーの麻貴は、どんよりした空を見上げて小さくため息をつきました。外でエネルギーを爆発させられない「ギャング」たちの視線が、じりじりと背中に刺さるのを感じます。
「よし、もう悶々とするのはおしまい!限界突破のパート2、いってみよう!」
彼女はパソコンに向かいました。ブログの画面に踊るのは、明日から始まる「ザ・実家動物園」への、愛と(ほんの少しの)恐怖が混じった叫びです。
序章:静寂の終わり
明日の朝、玄関のチャイムが鳴った瞬間、平和な日常は「サファリパーク」へと変貌を遂げるでしょう。
2歳の姪っ子と4歳の甥っ子。その愛くるしいビジュアルに騙されてはいけません。彼らが我が家のギャングたちと合流したとき、そこには化学反応という名の「大音響の嵐」が吹き荒れるのです。
麻貴の脳内には、すでに鮮明なシミュレーションが映し出されていました。
【麻貴の脳内シミュレーション:PM 10:00】
「今ここ」を全力で生きる師匠(子供たち)が、だだっ広い客間を縦横無尽に駆け巡る。
「寝てくれ」という切なる願いは、テンションMAXの叫び声にかき消され、自分の布団がどこにあるのかさえ分からなくなるカオス。
「……安眠妨害反対ッ!」と心の中でプラカードを掲げても、誰一人としてデモに応じてはくれない。
「そうよ、寝ている時だけが天使なのよね。……いや、そもそも寝てくれるのかしら?」
第2章:キッチン・ウォーズの予感
妄想が止まらなくなった麻貴は、視点を「胃袋」へと移しました。
連日の三食作りで、献立のストックはすでに空っぽ。そこへ義弟の奥さんという新しい「料理の手」が加わるはずでした。
しかし、義母から放たれた言葉は、予想外のカウンターパンチ。
「あの方、大人しいから買い物も一緒に行ったことないのよ〜」
「……どんだけ〜!!」
麻貴は心の中で叫びました。
「お義母さん、私とは毎日スーパーに行ってるじゃない!冷蔵庫を勝手に開けて、ビールとつまみを拝借する図太い嫁(私)との落差が激しすぎません!?」
いつものビール。いつものおつまみ。
その「当たり前」の自由が、静かなる波乱に飲み込まれようとしていました。
終章:なるようになるさ、の精神
雨は降り続き、明日へのカウントダウンは進みます。
「騒がしい、寝ない、安眠妨害……よし、全部大前提にしておこう!」
期待するから裏切られる。ならば最初から「動物園の飼育員」になったつもりで挑めばいい。麻貴は自分自身を「ヨシヨシ」と労わるように、深く椅子に背を預けました。
「明日はきっと、賑やかすぎるほどの『今』がやってくる。」
隣でスースーと寝息を立てる、今はまだ「天使」な息子たちの顔を見つめながら、麻貴はブログの更新ボタンを力強く押しました。
「ザ・実家動物園、開園まであと少し。……なるようになるさ!」
嵐の前の静けさを楽しむように、彼女は最後の一口のビールを飲み干すのでした。
一般社団法人パラダイス・バードのカウンセラー紹介
TEAMS PARABA | paradisebird
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