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鏡の中の「値段」

「高い。高すぎる……」

スマートフォンの画面を見つめながら、由美子はため息をついた。
画面に表示されているのは、評判の良いカウンセリングルームの料金表だ。
一回数万円。その金額があれば、欲しかったブランドのバッグが買えるし、友人たちと何度飲みに行けるだろう。

「私の悩みなんて、ただの愚痴かもしれないのに。そんな大金を払う価値があるのかな」

そう思いながらも、彼女の心にはぽっかりと穴が開いていた。
その穴を埋めるように、夜な夜なコンビニで必要のないお菓子や酒を買い込み、ストレス発散と称してはネットショッピングで服をポチる。
気づけば、カウンセリング代なんて余裕で払えるほどの金額が、手元に残らない「ガラクタ」に変わって消えていた。

魔法の(? )言葉との出会い
ある日、彼女はネットであるカウンセラーの言葉を目にする。

「あなたの悩みは、いくらの価値があると思っていますか?」
「高いと思うのは、あなた自身にその金額を払う価値がないと思っているからです」

由美子は思わず画面に向かって毒づいた。
「うわ……出た。こうやって言いくるめて、私から儲けようとしてるだけでしょ!」

損をしたくない。騙されたくない。
彼女にとってお金は、必死に守るべき「盾」であり、同時に自分の惨めさを隠すための「化粧」でもあった。

決意という名の「第一歩」
しかし、どれだけ「盾」を固めても、心は一向に軽くならない。
ボロボロになった自分を鏡で見た時、由美子はふと思った。

「私はいつまで、自分のために使うお金を『もったいない』って言い続けるんだろう」

震える指で、予約フォームを送信した。
これが、第一のステップ「決意」。
次に、日程を調整する。これが、第二のステップ「申し込み」。
そして当日、震える手で封筒に入れた代金を支払う。これが、第三のステップ「支払い」。

その瞬間、由美子の胸に不思議な感覚が沸き起こった。
まだ一言も相談していないのに、何かがスッと軽くなったのだ。

「あぁ、私。やっと自分のために、真っ直ぐにお金を使えたんだ」

「散財」と「自己投資」の境界線
カウンセリングの中で、彼女は気づかされた。
今までお酒や買い物に消えていたお金は、自分を「満たす」ためのものではなく、自分から「逃げる」ための通行料だったのだ。

一方で、今の支払いは違う。
自分の人生を良くするために、自分の価値を認めるために差し出した「エネルギー」だ。

「先生、私……自分を安売りしてたんですね」

笑いながらそう言う由美子の顔は、以前よりずっと晴れやかだった。
お金を「金額」という数字だけで見るのをやめたとき、彼女の世界から「高い・安い」の呪縛が消えた。

週末の問いかけ
カウンセリングを終えた帰り道。
由美子は、ずっと「贅沢すぎる」と我慢していた花屋のブーケを一束買った。
それは、穴を埋めるための買い物ではなく、自分を慈しむための贈り物。

「今週末は、どんな風に自分を大切にしよう?」

彼女はステップを踏むように、軽やかな足取りで家路についた。


一般社団法人パラダイス・バードのカウンセラー紹介
TEAMS PARABA | paradisebird

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