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『光と影を編む風』

都会のビルが切り取る四角い空の下で、彼女は長い間、自分という人間をひとつの「完成品」として見せようとしていた。

心の奥に幾重にもフタをし、本音は深い場所に沈めておく。
傷つかないように。非難されないように。
美しく整えられた表面だけを鏡に映して、それが「私」なのだと言い聞かせていた。

けれど、この夏、彼女は風の渡る故郷へと向かった。

田舎の土の匂い、都会の冷ややかな空気。
その両方を知る彼女の心には、いつしか新しい風が吹き込んでいた。
かつて学んだ「心の在り方」が、硬く閉ざしていたフタを、一枚ずつ、ゆっくりと剥がしていく。

「自分をさらけ出す」

それは、かつての彼女にとって、無防備に戦場へ立つような恐怖だった。
しかし、いざ心を開いてみると、世界は驚くほど色鮮やかに動き出した。

彼女が笑えば、目の前の人も柔らかな顔になる。
彼女が本音を語れば、相手もまた、隠していた弱さを見せてくれる。
魂と魂が触れ合う瞬間が、そこにはあった。

もちろん、すべてが穏やかなわけではない。
心を開くということは、同時に、摩擦も、誤解も、理不尽な痛みも、すべてを等身大で引き受けるということだった。
ぶつかり合い、揉め、時には冷たい言葉を浴びることもある。

けれど、彼女は気づいた。
その「影」こそが、彼女を、そして人間を成長させてくれる糧なのだと。

「光ばかりを求めて、影を排除していては、本当の重みを知ることはできない」

帰省の終わり、彼女は静かに故郷の景色を眺めていた。
自然の流れ。時の流れ。
そして、ただ人が生きているという、他愛もない当たり前な奇跡。

家族、友人、知人。
関わり合うすべての人々が、彼女という一輪の花を育てるための光であり、影だった。

光も影も、歓びも痛みも。
そのすべてを抱きしめたとき、彼女の胸には、以前よりもずっと深く、温かい「生きる歓び」が満ちていた。

彼女は、自分にとって本当に大切なもの、守りたいものが何であるかを、その手にしっかりと握り直した。

都会へと戻る列車の中で、彼女は静かに微笑む。

「また、来ます」

その言葉は、故郷への約束であると同時に、新しく、より自由になった自分自身への、心からの祝福だった。

一般社団法人パラダイス・バードのカウンセラー紹介
TEAMS PARABA | paradisebird

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