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自発性の芽生え 〜ホワイトボードに書かれた足し算〜

こんばんは!今日は、私の本業である訪問看護ステーションでの出来事をご紹介させていただきます。それは、知的障害のあるご利用者様の訪問で見られた、印象的な出来事をです。

ご利用者様について

ご利用者様は知的障害、50歳代、男性。
これまでご家族と一緒に在宅で生活されてきましたが、ご両親のご逝去に伴い、現在はグループホームに入居されています。心理検査の結果、知的発達は小学3年生程度とされています。

子どもの頃に支援学校へは通学されず、長年大人と同じように扱われていたためか、自ら「やりたい」と表現する機会が少なく、自発性が十分に育まれてこなかった可能性があります。

訪問中の出来事

支援の中の一つにホワイトボードを使って、描いた絵を当てる「お絵かきゲーム」を行っています。これは、ご利用者様の表現や関心を引き出す取り組みとして続けています。また、毎回の訪問で「ホワイトボードは自由に使っていただいて構いません。描きたいものがあればいつでも書いてくださいね」とお声かけをしてきました。

すると、今回の訪問時、「1+1=2」「2+2=4」「4+4=8」と足し算の式が自発的に書かれていました。
「どうして書いたのですか?」と伺うと、にこやかに「閃いて書いた。足し算書いたんよ。」と答えてくださいました。

そこから見えてきたこと

この出来事は、ご利用者様にとって 「自分の発想を表現してみよう」という気持ちの表れ だったのではないかと考えられます。
これまで絵で遊ぶ活動の中で、あえて数字や計算を選んだことは、安心感や得意分野を活かした自然な自己表現だったのでしょう。

また、「閃いた」という言葉が出てきたことは、自ら考え行動する力がしっかりと残っており、それを発揮する機会さえあれば自発性は広がっていくことを示しているように感じられました。

今後に向けて

私たちは、絵や遊びだけにとどまらず、数字や計算といったご利用者様の関心を取り入れながら、楽しみながら自己表現できる機会を増やしていきたいと考えています。
こうした小さな成功体験を積み重ねることが、ご本人の自信や意欲につながり、生活の幅を広げるきっかけになると信じています。

訪問看護は、病気や障害のケアだけでなく、その方の「持っている力」や「やりたい気持ち」を見つけて育てていくことも大切な役割です。
これからも一つひとつの出会いや出来事を大切に、ご利用者様とともに歩んでまいります。

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