家庭でできる調理器具の殺菌方法|熱湯・ハイター・エタノール・UVはどう使い分ける?
ちょくちょく食中毒の話題が上がります
そのため料理をしていると、
「まな板って熱湯だけで大丈夫?」
「ハイターとエタノールはどっちが強い?」
「UV殺菌器って意味あるの?」
と疑問に思うことがあります。
家庭で使える殺菌・消毒方法は意外と多く、
・消毒用エタノール
・次亜塩素酸ナトリウム
・次亜塩素酸水
・亜塩素酸水
・塩化ベンザルコニウム
・煮沸・熱湯
・蒸気
・UV-C
・酸素系漂白剤
・食洗機
などがあります。
今回は、家庭のキッチンではどれを使えばいいのか整理します。
結論:家庭なら「洗浄+熱+塩素+エタノール」でほぼ対応できる
全部揃える必要はありません。
家庭なら基本的に、
① 食器用洗剤+流水で汚れを落とす
② 耐熱性があるものは熱処理
③ 熱が使いにくいものは塩素系漂白剤
④ 普段の表面消毒にはエタノール
この4つでかなり対応できます。
特に重要なのが、消毒する前にしっかり洗うこと。
食べかす、脂、タンパク質などが残っていると、消毒剤やUVが十分に働かない場合があります。
調理器具ごとのおすすめ
◎=かなり向いている
○=使用可能
△=条件付き・補助的
×=基本的にはおすすめしにくい

※材質や製品によって使用できないものがあります。必ず製品表示を確認してください。
① キッチンハイターなどの塩素系漂白剤
家庭で強力なのが、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤です。
まな板、食器、スポンジ、ふきんなどのつけ置きに使えます。
ノロウイルス対策としても有力で、厚生労働省は調理器具について、十分に洗浄した後、約200ppmの次亜塩素酸ナトリウムなどを使用する方法を案内しています。
一方、金属は腐食する可能性があるので長時間のつけ置きには注意。
また、
「塩素系+酸性洗剤」
「塩素系+酢」
「塩素系+クエン酸」
は絶対に混ぜてはいけません。
購入場所
スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、Amazonなどで簡単に入手できます。
② 消毒用エタノール
日常的に一番使いやすいのはエタノールです。
向いているのは、
・包丁
・調理台
・冷蔵庫の取っ手
・ドアノブ
・食品が直接触れない周辺部分
など。
乾きやすいので、毎回つけ置きする必要がありません。
ただし、ノロウイルスまで想定する場合は、エタノールだけに頼るより、塩素系や熱処理を優先した方が分かりやすいです。
購入場所
薬局、ドラッグストア、ホームセンター、Amazonなど。
「消毒用エタノール」などの名称で販売されています。
③ 煮沸・熱湯消毒
薬剤を使いたくない場合に非常に便利なのが熱です。
厚生労働省はノロウイルス対策として、まな板、包丁、食器、ふきんなどを「85℃以上で1分以上」加熱する方法を示しています。
ここで注意したいのが、「熱湯を一瞬かける」のと、「85℃以上を1分以上維持する」のは同じではないこと。
しっかり消毒したいなら、一定時間温度を維持することが重要です。
必要なもの
鍋、電気ケトルなど家庭にあるもので対応できます。
④ 蒸気・スチーム
高温の蒸気を利用する方法もあります。
まな板、食器、一部のキッチン周辺などに利用できます。
メリットは薬剤を使わないこと。
ただし、「蒸気を当てた=必ず必要温度まで上がった」とは限らないため、短時間当てるだけでは不十分な可能性があります。
購入場所
ホームセンター、家電量販店、Amazonなど。
⑤ 酸素系漂白剤
過炭酸ナトリウムなどを使用した酸素系漂白剤もあります。
ふきん、容器、茶渋などの洗浄に便利です。
塩素系特有の臭いが苦手な場合にも使いやすい方法です。
ただし、ノロウイルス対策を最優先するなら、塩素系漂白剤や十分な熱処理の方が分かりやすいでしょう。
購入場所
スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、100円ショップの一部、Amazonなど。
⑥ 塩化ベンザルコニウム
いわゆる「逆性石けん」です。
細菌などへの消毒目的で使用されています。
ただし、普通の石けんのように汚れを洗い流すものではありません。
基本的には、
洗浄
↓
すすぎ
↓
消毒
という順番になります。
キッチン用品に使用する場合は、食品が触れる器具への使用が認められている製品か確認が必要です。
またノロウイルス対策の中心には向きません。
購入場所
薬局、ドラッグストア、Amazon、楽天など。
「逆性石けん」
「ベンザルコニウム塩化物液」
などで探せます。
⑦ UV-C殺菌器
紫外線を使った殺菌もあります。
薬剤を使用しない点はメリットですが、大きな弱点があります。
それが「影」です。
例えば包丁なら、
光が直接当たった面 → 効果を期待できる
裏面 → 当たりにくい
持ち手との隙間 → 当たりにくい
汚れの下 → 当たりにくい
となります。
スポンジの内部などにもUVは届きません。
そのため家庭では、ハイターや熱処理の代わりというより「補助」として考えた方がいいでしょう。
UV-Cは目や皮膚にも有害になり得るため、露出型の紫外線ランプではなく、安全機構のある製品を選ぶことも重要です。
購入場所
Amazon、楽天、家電量販店、業務用厨房用品店など。
⑧ 食器洗浄乾燥機
意外と便利なのが食洗機です。
洗剤による洗浄に加えて高温洗浄・すすぎ・乾燥まで行えるため、普段の食器管理には非常に便利です。
ただし、最高温度は機種によって違います。
そのため、「食洗機に入れれば85℃・1分を必ず満たす」とは限りません。
ノロ対策など明確な温度条件を求める場合は、その機種の仕様を確認する必要があります。
次亜塩素酸水とハイターは別物
ここは名前が似ているので注意。
ハイターなど
→ 次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸水
→ 次亜塩素酸を主成分とする別のもの
です。
「ハイターを薄めれば次亜塩素酸水になる」というものではありません。
次亜塩素酸水は、有効塩素濃度、pH、製造方法、保管状態などによって性能が変化します。
そのため家庭で分かりやすさを重視するなら、個人的には塩素系漂白剤の方が管理しやすいと考えています。
菌・ウイルスによって必要な加熱温度も違う
代表的なものでは、厚生労働省資料で次のような加熱条件が示されています。

つまり、「75℃なら何でも完璧」というわけではありません。
特にノロまで意識するなら85℃以上という条件がポイントになります。
また、生肉を切った包丁やまな板についても、厚生労働省は洗浄した後に熱湯を使用することを勧めています。
家庭ならこの5つで十分
自分ならまずこの5つを揃えます。

UV殺菌器、逆性石けん、次亜塩素酸水などは、必要になってから追加でも十分だと思います。
自分の見方
調べてみると殺菌方法はたくさんありますが、家庭の場合は種類を増やしすぎる必要はなさそうです。
特に、
洗剤で洗う
↓
熱に耐えるなら熱
↓
難しければハイター
↓
普段はエタノール
という使い分けがかなり簡単です。
UVなど新しい方法も便利ですが、複雑な形状や影になる部分まで確実に処理することを考えると、昔からある「熱」と「塩素」はやはり強いと感じます。
逆に一番避けたいのは、「消毒剤を使っているから洗わなくていい」と考えること。
殺菌方法を増やすより、最初の洗浄と、生肉から他の食品へ菌を移さない二次汚染対策の方が重要かもしれません。
Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今日の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
よかったら、感想をコメントで教えてください。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
参考情報
・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
・厚生労働省「家庭での食中毒予防」
・厚生労働省 食中毒予防・加熱殺菌条件に関する資料
※殺菌・消毒方法は製品濃度や材質によって異なります。実際に使用する際は各製品の使用方法・注意事項を確認してください。
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