パワハラ食らって息子の気持ちが分かった話~仕事を休めると聞いた瞬間、元気になった私はおかしいですか?番外編~
もしかして…と思った瞬間、青ざめた
私には息子がいるんですが、この息子ってのが本当に優しい。どうしてこんなに優しいかな、ってくらいには。なのできっと内に秘めるものだったり逆に表に出せないなど彼なりの苦悩みたいなのがあると思う。
そんな息子も高校生。通信制で毎日家にいるし時間も自由に使えることもあってかねてから「バイトでもしたら?」と私なりのルートでも探していた。そしてとある飲食店と私と話を付けてしまい行く事に。。。しかしこれがまずかった。
息子は私と似ていない
私はひとりで時間と金と隙さえあれば飲みに行く人間だ。今日もがんばったなお疲れさんという大義名分のもとで。そうやってひとりで飲みに行っては店の人、隣客と仲良く会話もする。大人だから社交的ってのとは違うけどなんだか楽しいのだから会話もはずみがちだ。ある程度、表に意識がある私とそこまで表に意識が無い息子。なので息子を知ってる人はみんな「静かな子だね」なんて言ってくれるのだ。ま、いきなり大人の場所で会話しろたって挨拶が出来れば上々ってもんだが。
社交性高=飲食店的には期待値が高いはず
これはちょっと主観が入っているが、店員が不愛想よりも元気が良い子のほうが好感は持てるだろう。大人しそうに見えるのが悪いというわけではない。そう見えても最低限の挨拶くらいあれば充分。それもぴちぴちの若者だったらなおさらその目線というのは温かくなるはずだ。
私の社交性を買ってなのか、息子をバイトにというと話がトントンと進んで行った。もちろん息子の意向ありきだが「やってみる」というのでお願いしたのだ。私は飲食店は経験してないからいったいどんな風に教えられるのかな?と未知の世界ではあったが所詮は高校生。店主だって多くの人をこれまで見て来たであろうからうまくやってくれてるのだろうと、初日は思った。
ただ、正直この初日から暗雲立ち込めるというやつだった。
割愛はするが「?」という社会人としてそれはどうなの?という基礎レベルの事が整理されておらず、私も息子も困惑していたのだ。1つあげるとすると、連絡先を正規のもので交換していただけなかったようだ。
募る不信感と時間だけが過ぎていく
覚えることはきっと多いだろう。でも出来る事から少しずつ頑張ればいいじゃないか、と私は思っていた。これが親目線もあってか甘い考えだったのかもしれない。難しい事は言ってないとは店主やおかみさんは思ったかもしれないが、それがまだ社会人経験ゼロ、齢16の男の子にはなかなかハードなものだったようだ。それでも毎日歩いて15分弱ほどの店に向かうのだ。
この道程をどんな気持ちで歩いていたのだろうかと、私はこんなに悩みながら生活圏内たかだが近所の道を、苦しい気持ちで歩いたことは今まででもちろん一度もなかった。悔しくて涙が出そうになるくらいに。
背中を見て覚えるという職人気質の店主
結局はすぐ辞めることにはなるのだがいろいろなことがありそれは息子にとっても私にとっても理不尽なものでしか映らなかった。
覚えてほしいなら仕込み作業中早めに来させるや、シフトを増やすとかして学ばせる時間を確保したらいいのでは?と思っていたが最後の最後までそんな声はかからなかった。とある日、通話を自室でしていたが、店主の声が荒げているように私は聞こえた。これもまた親バカ補正がかかってそう思っただけかもしれないけど。おそらく息子に続ける意思があるのかどうか?というその問いに対して自分が欲しい答えが返事として返ってこずイラついたのだろう。理不尽に電話口で詰められる息子を見て、心が苦しくなった。つい「嫌ならやめていいんだよ」と言ってしまったのだ。そりゃ、いろいろと私の立場からしたら葛藤があった。けどそんなことはどうでもよくて。息子の心が死んでしまうような場所はいかなくていいと思っただけなのだ。
めくれていった店主の本性
この町は狭い。ここ知ってる?と誰かに聞くと知ってる、行った事ないけどおいしいらしい。その程度の情報はすぐ耳にする。私の不信感がそこそこ溜まったころ、私もいつものように「ここの店知ってる?」ととある場所で聞いてみたのだ。すると「知ってるけどここの店主やばいよね」とまさかの答えが返ってきたのだ。実は息子がバイトしてるんだけど…と思い当たる出来事をささっと伝えると「あぁ…」と、それは大変な店にお世話になってるね、と言わんばかりの返事だった。いきつけの店でも息子を心配してその期間、私が座るなり「息子さんどうっすか?」と聞いてくる店主がいた。彼は飲食経験がとにかく長い。個人店もチェーン店も経験してきたのだ。私にしてみたら理不尽なことも「いや、揉まれてこい」と厳しく𠮟ってくるのは奴だけだ笑。それでも連絡先の件に関しては「おかしい」と。ここの部分は一貫して聞いた全員がおかしいと言ってたな。私を知ってる周囲の人は私がとてつもなく過保護なのを知っている。でもそれがなんだってんだ。息子に関しては生きてさえいてくれたらいいのだ。そんなことを自分で理解しつつもしばらくは奴との話は息子のバイトの話で理解したりし合えなかったり様々な意見交換がなされたのだ。そんな彼曰く「そもそも高校生の初心者取ること自体が間違ってる。家族経営、バイトも経験者でずっと回してきたから育てるってことがわかってないんだ」と言われた時は、親として救われたな。なんだやっぱこいつバイトがどんなもんかわかってねーのかよ、と思えたのだ。
あの日から約2年、その店をセルフ出禁を決め込んでふと思った
結局、最初の初見でバイトの話がスルスルと決まってしまい、バイト姿を見ることなく辞めてしまったので私はそれから一度も行ってない。お店の前を通る事はあっても外から中は見えないので。ただSNSは繋がっているので私が近くのバーで間借り営業しているとかは知っているはず。いつだかもいいねきてたけど、押し間違えたのかな?とさえ思っている。
そんなこんなで現在私は適応障害による休職中だ。私はパワハラだと思っている。まともに教えられもしないで期待値が高くてけど結果そこそこだと言われれば期待外れと思わない人間がこの世にいるのか?と思うほどには嫌味たらしい言い方だなとつくづく思う。教えてくれたら出来たのに、ちょっとはマシかもしれないのに、と自分の不出来加減に絶望した朝はいまだに思い出したくない。
休職して、ふと思ったのだ。「息子も同じ経験をあの店でしたのか?」と。そう思うときっとそうだったんだ、と思うほどにまたあの日の悔しさがこみ上げる。ごめんごめんよ…ほんとうにごめん。そしてもう今日で最後だと決めた朝、慰めたのは息子だったのだ。「そんな会社辞めちまえ」と。少し前に私が言った言葉を今度は私に言ってきたのだ。息子は覚えてないかもしれないけど。学校の生活をまともに送ってない分、成長としてはどうなんだろう?と思うこともあれど、成長してないわけではない。彼なりに精一杯吸収してきてるのだろう。それが一般的な状況じゃないのかもしれないけど。少なくとも泣いた日の朝当日、娘はのんきに「ぺいぺいちょうだい」とラインを送ってきた。2度も。…こいつめ…。だから弟に小遣い管理されちまうんだろうがよ。「お前は!無駄遣いばっかして!!!バイトしろ!!!!」と。お前もなーと思わないでもないが、いつもこんな感じだ。
経験値とは
息子にとってこのバイトは何の意味を持つのだろうか。当時16歳の若造からしたら単純に「無駄に叱られて終わった」くらいにしか思ってないだろう。ここから経験として何を汲み取ればいいのやら。そして息子はよっぽどのトラウマなのか「もう飲食ではやらねえ。スーパーだ」と。近くのスーパーにコンタクトを取ったらしいが自分のせいで連絡が途絶えているらしい。信用問題にかかわるからちゃんとしなさいよ…。そしてその後、辞めたと聞いたいきつけの店主からは「息子さん、飲食でもまれた方がいいっすよ!あそこの店の店長に話してきたんで!」と。私、そんなこと頼んでないじゃん…。と知ってる店なのと美味しいしたまには行くかーと訪問したが、結局、先の通りだ。ま、仮にどんな経験値が息子の中で加わったかというと「飲食店はやらない」に尽きるのだ。
