【香水レビュー】Angélique Noire / GUERLAIN(アンジェリーク ノワール)|香水研究ノート「香水解剖書」
1.【香水プロフィール】
2005年、新生「ラール エ ラ マティエール」の誕生と共に産声を上げた傑作。調香師ダニエラ・アンドリエは、それまで調香の脇役であった「アンジェリカ」を主役に据え、ゲランの魂であるバニラと対峙させることで、香水界に衝撃を与えました。
発売日: 2005年
調香師: Daniela (Roche) Andrier
香りの構成:
トップノート: アンジェリカ、洋梨、ベイローズ
ミドルノート: ジャスミン、キャラウェイ
ラストノート: バニラ、アンジェリカ、シダーウッド
2.【解剖書】

3.【パーソナリティ】
無邪気さと官能性を表現しているので、リュディックタイプとグラマラスタイプにおすすめです。この二つの要素は相反するタイプで、子供っぽいが大人っぽいというのがユニークです。ただしどちらかというとバニラのNOIRの印象が強いのでグラマラスよりの香りでもあります。
価値観としては、無邪気で純粋な一面があったが、深く知ると魅惑的な側面もある。そんなユニークな価値観と官能性は両方のタイプを刺激してくれそうです。「リュディック(遊び心)」が持つ無邪気な好奇心と、「グラマラス」が放つ官能性。その両極端な質感を併せ持つ人に、この香水はおすすめです。バニラの闇とアンジェリカの光が美しく際立たせるでしょう。
4.【香水レビュー】
アンジェリカの花の主役とした作品は、相反するバニラとの組み合わせが特徴的。青々とした爽やかなハーブの苦味を、バニラの包み込むような甘さで抑えています。
香りは、ベイローズをほのかに効かせた爽やかで清涼感を感じるアンジェリカのアロマの香り。ジャスミンが奥ゆかしさを。滴るような瑞々しい洋梨で無邪気さを添えてくれます。
無邪気さとは計算、隠し事がなく、素真で純真な心の状態を指します。子供のようにあどけなく、というよりもここでの無邪気さは、純粋な心を瑞々しいアンジェリカの花で演出しているように感じます。
そしてバニラが甘くふんわりと包み込みながらも官能さを与えてくれるよう。この香水のポイントは「洋梨」です。洋梨こそこのアンジェリカとバニラをつなぐ架け橋となっているのです。
洋梨自体が個人的に二面性があると思っていて、ジューシーであどけない子供らしい印象をもたらすこともあるのと、すこしそのジューシーさが他の香りを組み合わせることで魅惑的な一面をもたらす。 それでも洋梨をメインにするのでなく、あえて架け橋となって役割に徹するのが、この香水の個性でもあります。
瑞々しさとバニラの深みが共存する香りはなんともユニークな香りです。透明感があると思いきやバニラがどっしり構えている。アンジェリカときくと爽やかな香りかと思いきや、バニラが深く香る。ただテーマをみると納得のいく作品です。
