【香水レビュー】CRUEL GARDENIA / GUERLAIN(クルーエル ガーデニア)|香水研究ノート「香水解剖書」
1.【香水プロフィール】
「抽出不可能な香り」とされるガーデニアの真髄を、ゲランの卓越した技法で描き出した2008年の名作。シルヴェーヌ・ドゥラクルトとランダ・ハマミの手により、純白の花に潜む「残酷なまでの美しさ」が表現されました。
発売日: 2008年
調香師: Randa Hammami, Sylvaine Delacourte
香りの構成:
トップノート: ローズ、ネロリ、ピーチ
ミドルノート: ガーデニア、スミレ、イランイラン
ラストノート: ムスク、トンカマメ、サンダルウッド、バニラ
2.【解剖書】

3.【パーソナリティ】
この凛とした佇まいと華やかさは、クラシカルタイプの心を掴みます。ガーデニアの香り自体がクラシカルタイプを魅了するからです。ローズのような華やかさでなく、凛とした佇まいと存在感。調和の取れた印象。多くをアピールするというよりは、そこに存在するだけでなぜか魅了するようなミステリアスな魅力と惹きつける印象がクラシカルタイプの価値観とマッチします。
4.【香水レビュー】
香りは、ローズ、イランイラン、そしてそこにスミレのパウダリックが加わるクラシカルなフローラル調の香りがエレガントに広がります。スミレは凛とした気品をフローラルに添えてくれます。そこにふんだんに使われたムスクがこのフローラルの骨格を和らげて、線を見えなくすることで魅惑的に演出してくれます。
ガーデニアは天然香料で採取することはできない香料で、多くの香水はほんのりグリーン調の凛とした香りを感じられるものが多いのですが、この作品は、スミレでグリーンではない、凛とした気品を添えてくれいます。さらにムスクを特徴とすることで、ガーデニアの華やかさと品のあるエレガントさをより感じられます。
個人的にはイランイランのアクセントの使い方と、グリーン調をスミレに変えているところが魅力的です。スミレのパウダリックさがよりリアルなガーデニアの花粉のようなものを連想させ、イランイランのアクセントがガーデニアのエキゾチックな側面を引き出しています。品高く凛とした存在感は魅了せざるを得ません。
ガーデニアの香りに魅了された一人ですが、最初に手にしたのは、シャネルのガーデニア。それ以来、ガーデニアをテーマにした作品を試すとほとんどがグリーン調のビターさもありながら凛とした品格をもつ香りです。そんなグリーンを覆し、スミレでガーデニアの魅力を再現した。まさにゲランならではの視点の唯一無二の作品と言えるでしょう。
