「どうして片付けられないの?」を卒業する海外の褒め方。子どもの実行機能を伸ばすポジティブな関わり方 | 子育て | 子育ての悩み | 特別支援教育 | 療育 | 放課後デイサービス | 放デイ | 学校 | 支援級 | 発達障害 | ASD | ADHD | 自閉症 |
こんにちは、春乃ひかりです。
先週書いた以下の記事にスキをたくさんつけていただいてありがとうございます。
以下の記事はリアルな子供の話を書いたものになります。
日々、海外の研究や最新の知見をもとに実体験を交えて記事を書いていますが、
私自身(未診断ですが発達濃厚の当事者)の幼少時の実経験や、
今までのリアルな子育て経験も役に立ちそうな伝えたい事も
実は沢山ありまして、研究データではなく、私が実際に感じたこと・試したこと・失敗したこと、そんなリアルなエピソードを、通常の記事とは別に、今後不定期で綴っていきたいなと思っています。
今回は、海外の知見に基づくお片付けの話になります。
私も次男も特に苦手な話です。
「何度言っても学校の準備をしない」「片付けを始めても、すぐに別のことに気を取られてしまう」といった我が子の姿を見て、ついイライラしてしまったり、先のことが不安になってしまったりすることはありませんか?
「私の育て方が悪いのかな……」と、自分を責めてしまうお母さん・お父さんも少なくありません。
でも、安心してください。
それは決して親御さんの愛情不足でも、お子さんの怠け心でもないのです。
私はものすごく片付けが苦手で、母親によく叱られていました。
「それは片付けじゃなくて、違う場所に置いているだけだ。」
とよく言われていましたが、当時はよく理解ができませんでした。
私は高校くらいから結構引越しをする環境だったのですが、
その度に物を捨てたり、断捨離にすごくハマって物が減った為、
自然と整頓がそれなりにできるようになりました。
次男も保育園の頃から片付けが苦手で、家だと大分嫌がっていました。
小3になり、次男に合う指導で大分良くなったと思いますが
たまに「違う場所に置く」片付けをする時もあります。
断捨離したいですが、子供の物なので結構難しいですよね。
今回は、海外の最新の研究や知見をもとに、発達障害(ADHDや自閉症スペクトラム障害)の特性を持つお子さんが、自分らしく楽しく毎日のタスクをクリアしていけるようになるためのヒントをお届けします。
子どもを叱る回数を減らし、親子の笑顔を増やすためのヒントを一緒に見つけていきましょう。
1.海外の専門家が注目する「実行機能」とは?脳の特性を理解する
海外の最新の研究において、ADHDや自閉症のお子さんが行動をコントロールすることの難しさを抱える背景には、実行機能の発達の特性が深く関係していることが分かっています。
実行機能とは、一言で言えば目標に向かって、自分の行動や思考、感情をコントロールする脳の司令塔のような働きのことです。
具体的には、以下のようなステップを脳内で瞬時に行う力を指します。
計画を立てる(何から始めるか決める)
優先順位をつける(大事なものを見極める)
ワーキングメモリ(作業に必要な情報を一時的に記憶にとどめる)
感情のコントロール(イライラしても切り替える)
海外の脳科学の専門家によると、発達障害の特性を持つ子どもたちは、この脳の司令塔が働くまでに、少し独特なステップやアプローチが必要なのだそうです。
つまり、やろうと思っているのに、脳のブレーキやアクセルがうまく連動していない状態なのです。
決してやる気がないわけではありません。
この仕組みを理解することが、子どもを責めずにサポートする第一歩になります。
2.なぜ「環境を整えること」が有効なのか?科学的根拠と海外の視点
海外の先進的な支援の現場では、子ども自身を変えようとする(克服させようとする)のではなく、子どもを取り巻く環境を特性に合わせるというニューロダイバーシティ(脳の多様性)の視点が主流になっています。
人間にはそれぞれ異なる脳の個性があり、多数派の基準に無理に合わせる必要はない、という温かい考え方です。
では、なぜ環境を整えるアプローチがこれほど効果的なのでしょうか。
① ドパミンシステムへのアプローチ
ADHDなどの特性を持つお子さんは、脳内の神経伝達物質である「ドパミン」の働きが穏やかであると言われています。
ドパミンは「ワクワクすること」や「ご褒美(達成感)」を感じたときに分泌されるため、これが不足すると「先の見えない退屈な作業」への集中を維持することが難しくなります。
海外の研究では、作業をゲーム感覚にしたり、視覚的に「進んでいる感覚」を持たせたりすることで、脳が刺激を受け、実行機能がスムーズに働き出すことが証明されています。
② 視覚的サポートによる脳の負担軽減
自閉症の特性を持つお子さんの多くは、耳から入る情報(言葉での指示)よりも、目から入る情報(写真やイラスト)を処理する方が得意です。 言葉で「早く片付けなさい」と言われても、脳内が情報過多になってフリーズしてしまうことがあります。専門家は、タスクを「見える化」することで、脳のワーキングメモリ(一時的な記憶の容量)の消費を劇的に抑えることができると指摘しています。
③ ポジティブフィードバックの循環
「またできなかった」という経験が積み重なると、子どもは自己肯定感を失い、挑戦する意欲そのものが低下してしまいます。 海外の行動療法では、小さな「できた」の瞬間に注目し、すぐに具体的な言葉で褒める(肯定的なフィードバックを与える)ことが、脳の正しい学習を促す最も強い原動力になるとされています。
今日からおうちでできる!3つのポジティブステップ
それでは、海外の家庭でも広く取り入れられている、今日からすぐに実践できる具体的な関わり方をステップ形式で紹介します。
とてもシンプルで、再現しやすい方法です。
① 「やるべきこと」の細分化と見える化
まずは、子どもへの指示を徹底的に小さく分けて、イラストや写真で「見える化」します。 例えば「学校の準備をして」ではなく、
連絡帳をランドセルに入れる
筆箱をランドセルに入れる
教科書を入れる
というように、3つのステップに分けます。
これらをイラスト付きのカードにして、できたら裏返す、またはマグネットを移動させるシステムを作ります。これだけで、子どもの脳は「次に何をすればいいか」を迷わずに判断できるようになります。
② タイマーを使った「ゲーム化(ゲーミフィケーション)」
「あと10分で片付けよう」と言われても、時間の感覚をつかむのが苦手なお子さんにとっては、プレッシャーにしかなりません。
そこで、残り時間が色で減っていく「タイムタイマー」などを活用します。
「赤い部分がなくなるまでに、このおもちゃを箱に入れられるかゲームだよ!」と誘うことで、子どもの脳内でドパミンが分泌され、ゲーム感覚で楽しく動けるようになります。
③ 1秒で伝える「実況中継ほめ」
子どもが動けたときは、間を置かずにその場で褒めることが重要です。
このとき「偉いね」「すごいね」といった抽象的な言葉よりも、子どもの行動をそのまま言葉にする「実況中継ほめ」が効果的です。
「おもちゃを箱に入れたね!」「ランドセルを閉めたところ、お母さん見てたよ!」と伝えることで、子どもは「自分のどの行動が良かったのか」を正確に理解し、自己肯定感を高めることができます。
まとめ:子どもの輝く可能性を信じて
発達障害という特性は、裏を返せば「素晴らしい集中力」や「豊かな創造性」「独自のユニークな視点」という、かけがえのない強み(ギフト)でもあります。
海外のニューロダイバーシティの考え方が教えてくれるのは、子どもたちを「型」にはめることではなく、その子が一番生き生きと過ごせる環境を一緒に作っていくことの大切さです。
毎日の生活の中で、少し工夫をするだけで、子どもたちは驚くほどの変化を見せてくれます。
焦らず、一歩ずつ、お子さんの「できた!」の笑顔を増やしていきましょう。
あなたの毎日の頑張りは、確実にお子さんの心の栄養になっています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしよければ、おうちの中で「片付けや準備でつい叱ってしまいがちな場面」や、「この方法ならうちの子も楽しくできるかも!」と感じたことがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。

